五個荘地区を訪ねたあとのニッチな散歩の計画は、近江八日市の近江清水地区の水路沿いを歩いたあと、近江鉄道市辺駅まで電車に乗り、そこから山に挟まれたところに水路が複雑に描かれている岩倉コミュニティ水防センターのあたりまで歩く予定でしたが、お腹が空きました。
五個荘でお昼ご飯を食べそびれたので、ここから目的地まで歩き切るためには食べておいた方がよさそうです。こんな時には便利なマップで開いているお店を検索し、太郎坊駅で下車しました。
海のない場所ですが、新鮮で美味しい海鮮丼をえいっと奮発して食べて元気になり、また歩き始めました。
目の前にまるで天狗の鼻のように突出した岩山がそびえていて、中腹に神社が見えます。
交通量の多い国道421号線を避けて近江鉄道の南側の農道を歩くと、どこまでもその天狗の鼻が少しずつ形を変えて見えました。
市辺駅の手前から小学校の角を曲がると、「ダム用水路管理区域」と囲いのある中に何かの石碑がありました。そこから100mほど離れた水路からの暗渠のようですが、地図でその水路をたどってみると東へ8kmぐらいでしょうか、池之脇町のあたりで忽然と消えました。
愛知(えち)川左岸の支流沿いですが、これも上流の永源寺ダムからの農業用水のようです。
ここから広大な農地へと入り、ところどころに集落があります。
どこまでも平らで、琵琶湖の対岸の残雪の残る山頂が見えました。
「下羽田開発」というバス停があり、近くに「開発地蔵」と石柱のある地蔵堂がありました。
地図でみると東側から「上羽田」「中羽田」「下羽田」とあるようです。「羽」というのは川沿いに出っ張った場所ですが、近づいてきた山裾に川が流れているようです。
「開発」は「新田開発」「開作」などと同じ意味でしょうか、そしてこの地域にはどんな「開発」の歴史があるのでしょう。
ここも麦でしょうか、芝生のように緑色一色になった畑が整然と広がっています。道端にはヒメオドリコソウや菜の花が咲き、うぐいすが鳴き、どこまでも歩けそうな気分になるのですが、さすがに2万4000歩を過ぎて疲れました。橋のコンクリートに腰掛ける怪しい人になって、しばし休憩。
そこからその水路沿いに歩くと、公園が見えてきました。
*美野里池*
目的地の岩倉コミュニティ水防センターの200mほど手前に、池か貯水池のような水色の場所が地図にあります。
池の周りは芝でおおわれ、池を眺められるように東屋があり、想像していなかった美しく整備された公園が田んぼに囲まれてありました。
近くの田んぼではトラクターで田おこしの最中で、その後ろに鳥が集まっています。
東屋に腰掛けて目の前の山の木々や池の周囲の柳の新芽を眺め、輝いている水面をしばらく眺めました。
なんと心落ち着く風景でしょう。
地図で見つけた場所をどんなところだろうと実際に歩くと「僥倖」に巡りあう、これだから散歩はやめられませんね。
そばに池の説明がありました。
美野里池(みのりいけ)
この池は、琵琶湖の水を汚さないために、農業排水に含まれる水質を悪くする物質(チッ素やリンなど)を少なくすることを目的に造られました。事業は、平成19年度から平成27年度にかけて実施しました。
発生源対策
水田から水路へもれ出る排水を少なくする
→畦畔(けいはん)漏水防止工(埋設遮水シート)等
再利用対策
排水をもう一度農業用水として活用する
→反復かいがん施設(水中ポンプ、送水管)
浄化対策
浄化池の有する多面的機能を活用する
→浄化池整備
ああ、本当に勉強になりますね。
子どもの頃はまだ「水辺はゴミや生活排水を処理する施設に近い感覚だったのに、いつのまにか環境に配慮するという意識が生活に根づきました。
その驚異的に変化する時代のまっただ中を生きてきたはずが、浦島太郎の気分になるのはなぜでしょう。
*岩倉コミュニティ水防センターに到着*
東屋で一休みし、公園のすぐそばの川沿いを歩き始めました。対岸の小高い悪石岩の山裾に明神池と神社があり、「雪野山山系散策路入口」と山の方へ案内があります。
地図ではその北側を流れる2本の水路と川が近づきながら流れている狭い場所です。
川よりも一段高い場所に広場と建物、そして住宅地が広がる場所でした。
「水防センター」、何か水害の歴史が記録されているのだろうかと周囲を歩いてみましたが、複雑な水路に囲まれた場所で、「想定浸水深 0.5m未満」の表示とゲートボール場がありました。
この地域の歴史はわからないままでしたが、複雑な水路に潤された田園を歩くことができ満足して近江八幡行きのバスに乗りました。
美しい田園風景を眺めながら新幹線の高架橋をくぐり、近江八幡駅に到着。
ここからはJR琵琶湖線米原駅で彦根方面へと戻ることにしました。
車窓からはずっと麦畑が見えます。能登川の手前に美しい水路を見つけました。その奥は五個荘です。歩いてみたくなりました。困りましたね。
「散歩をする」まとめはこちら。
新幹線の車窓から見えた風景を歩いた記録はこちら。