4月中旬、5時前に家を出発する頃はまだ白々と夜明けで、気温は13度でしたがこの季節の13度はちっとも寒くないのが不思議です。
品川駅を6時に出発するのぞみに乗るために、この数年間、なんどこの時間に家をでたことでしょう。
4年ほど前はまだ、大和川の川合を目指して法隆寺駅に降り立ったときにも、半世紀前の修学旅行で訪ねた法隆寺は奈良盆地のこんなに西側にあったのかと驚いたくらい奈良県内の地図が頭の中でつながっていませんでした。
奈良駅まで大和路線の車窓から地図に描かれているとおりにずっと稲穂が風に揺れる風景が続くことにも、そして周囲の山々をさえぎるもののない街並みも印象に残りました。
奈良時代から同じ山々の風景を見ることができるなんて、なんと凄いことでしょう。
大和川の豊かな水で水田地帯があるのかと思ったら、猿沢池の隣の荒池で「いにしえより水に乏しい地域」だったことを知り、奈良盆地にため池や古墳の周濠が多い理由が初めて繋がったのでした。
周濠やため池を歩き尽くしてみたい、奈良盆地の熊手のような川筋が一本の川になって大阪平野へと流れていく大和川水系を歩き尽くしてみたいと思うようになりました。
そして現代の美しい田んぼの風景は山を超えて吉野川の水が東西幹線水路で送られていることを知り、奈良盆地の田んぼと水路を歩き尽くしてみたいと思うようになりました。
困りましたね。
また、行基さんを知ったことで、公共事業とは何か考える機会になりました。
わずか4年ほど前の記憶ですが奈良を訪ねたことが走馬灯のように思い起こされました。
そうそう、あの時は新型コロナの感染拡大で、鹿たちも暇そうな静かな静かな奈良を歩くことができたのでした。
静かにのぞみが出発し、また車窓の風景に集中しました。
1ヶ月前に歩いた滋賀もすっかり麦の穂一面の風景で、一部は田おこしが始まっていました。
今回の散歩では、どんなことと出会うでしょうか。
中学生の修学旅行で訪ねたときに「奈良が好きだ」となぜ思ったのか、訪ねるたびにこれが理由かもしれないと思うことが増え、そしてまた知らない奈良がどんどんと増えていきます。
奈良を訪ねた記録をこちらにまとめてみることにしました。
ただひたすら川と溜池と水路を見に〜奈良・和歌山・大阪〜 2022年11月
ただひたすら水の流れをたどる〜奈良から若狭へ〜 2023年3月
「記録のあれこれ」まとめはこちら。