9月下旬に全国健保協会から封書が来ました。中に切り取って使う小さな「資格情報のお知らせ」カードがありました。
ほんと、紙ですね。濡れたり汚れたりしないよう確実に保管するためのプラスチックカードを探さなければ。
なお、点線で切り取ってマイナンバーカードと併せて大切に保管してください。
なんだか今のプラスチックの保険証よりもアナログに戻っていくようです。
これがまだマイナンバーカードを持っていない人あるいは保険証と紐づけていない人にだけ送られてくるという「資格証明書」のことなのか、いつまで有効なのか、知りたい情報は書かれていませんでした。
それにしても「資格情報のお知らせ」カードってなんだろう。「資格証明書」とは違うのでしょうか?
マイナカードとかマイナ保険証とかどんどんと名前が変わって、正式名称がなんだかわかりにくくなるのもなんとかして欲しいものですね。
*「全国民に配布は無理」から「全国民に顔写真」へ*
裏の思惑が入り乱れる一政党の劇場型選挙令和版を人ごとのように眺めている中でも、さすがに国民の意見が影響しているのだろうと思われる変化もありました。
ところが「平将明デジタル大臣、『保険証廃止』を堅持する理由説明ー医療DXの恩恵は桁違い」(CNET Japan、2024年10月2日)と伝えられました。
せっかく見直されそうになったはずなのにと動揺しましたが、記事に書き込まれていた冷静なコメントで目が覚めました。
首相と官房長官が保険証廃止を見直すと言っているのに、デジタル相が堅持するなら既に閣内不一致だろう。首相の指示に従うとか改めて相談し検討するのが閣僚の姿勢であり義務だろう。
既に官僚に操られて強気に出ているのか。
首相の言葉を勝手に変えて資格証明書があるから構わないなどと嘘をついている。わざわざ莫大な税金を使って資格証明書を出すのは5年後にカードを強制するためだ。これだけ焦っているのは日本人の資産情報をまとめて外資に差し出す圧力があるのか。独立系の首相でも対米隷属は変わらないのか。
医療機関関係者からはカードの情報は古くて使えない。かえって危険もあると指摘されている。専門家はカードでできるとされている事は、ほとんどカードなしでできると言っている。そもそもマイナンバーはあるのだからデジタル化が必要ならできる事はいくらでもある。
国民の信任を得ていない内閣だから、解散するって話なのに、近々解散する内閣が保険証廃止を決めるって頭が狂っています。
どうせ解散するのだから、保険証廃止についても民意を問うことから進めるべきではないかと思います。
(強調は引用者による)
まさに、つじつまが合いませんよね。
まあ、最初から全国民に配布するのは無理だけど、カードのICチップを利用した全国民が持つ身分証明書というつじつまの合わない計画から始まりましたからね。
それを無理やり推進するために保険証に紐付けたのですから。
*「デジタル大臣、保険証廃止に理解を求める」*
その2日後には、また詭弁に詭弁を重ねるニュースが。
デジタル大臣を務める平将明氏は10月4日の会見で、現行の健康保険証について「悪意ある者にとってこれほど付け入る隙のある制度はない」と述べ、廃止に理解を求めた。
(「平デジタル大臣、保険証廃止に理解を求めるー「顔写真にもICチップもない、これほど悪用されやすい制度はない」」、CNET Japan、2024年10月4日)
え?
送られてきた「紙」の方が今の保険証よりも付けいられそうな代物ですが。
マイナンバーカードの議論や計画が保険証の悪用を防ぐために始まったのならこういう理由も分かりますが、任意だと広がらないから保険証に後から紐づけたことでますます混迷したのだと思います。
*なぜ健康保険証に顔写真がないのか*
そして健康保険が悪用されている事例の検討から現場が再発防止策を検討したのであれば、おそらくこんな方法にはならなかったことでしょう。
健康保険証を最も必要とする対象というのは赤ちゃんや子どもあるいは障害をもつ人や高齢者といった誰かのケアを必要とする人たちで、自ら写真をとってカードを作りそれを管理することが困難な人たちですし、顔や身体の変化も著しい年代です。
そして誰もがいつでも、今日・明日にでも健康や自立した生活を失う可能性がありますからね、政治家の皆さんも。
どなたかのコメントで、運転免許証というのは自力で活動できる強者だから顔写真やICチップのついた免許証の更新に対応できると書かれていました。
それだけ自立した生活を送っている人でも災害などで自分を証明する手段を失えば、誰かに記憶してもらっていたことで存在を証明するしかないですしね。
悪用するような人はまだまだ自力で活動できる人ですから、そういう人を取り締まるために全員に網をかける必要はないのではないかと思いますね。
なぜ今まで健康保険証に写真が義務付けられなかったか、マイナンバーカードについて考えることでようやく見えてきました。
それにしても、デジタル庁というのはそういうデジタル化で新たに発生する問題から国民を守るためにあると思っていたのに、どんどんとつじつまの合わないものになってきました。どこへいくのでしょうか。
デジタル相はなぜ厚生労働大臣や総務大臣を飛び越えて、マイナンバーカードについて発言するのだろう。どんな権限があるというのだろう。
歴代の大臣が発言すればするほど、つじつまがあわなくなるこのシステムはやはり失敗だと思えてきました。
*おまけ*
この下書きを書いて2日後、「村上総務相、マイナカードは『取得環境を整備』 ネット誹謗中傷『対応の実効性確保』」(産経新聞、2024年10月7日)とさらりと怖いことが書かれていました。
今までさんざん反発していたどこぞの国々と同じ独裁的・強権的システムを目指しているのでしょうか。
滑っと正体を隠さずに、新しい資本主義党にしてくださったら良いのに。
そうしたら私が信頼してきた国とは違う何かになったことと、つじつまが合うのに。
「つじつまのあれこれ」まとめはこちら。
骨太についてのまとめはこちら。
失敗とかリスクについてのまとめはこちら。