今回の散歩でうちぬきとは何か見てみたいと検索したところ、西条市のホームページに市内9か所が紹介された「うちぬきマップ」を見つけました。
そのうちいくつかをつなぎながら計画を立てたのですが、2日目はお昼には早々にホテルに退避しなければという暑さでした。
後ろ髪を引かれながらも、とにかく駅周辺に戻らなければと加茂川右岸を最短距離で歩くことにしました。
車が通る堤防の上は避けて、住宅地を歩いているとどこからか水の音が聞こえてきました。
私が水に惹かれて散歩をしているのも、高校生まで一時期住んだ地域の、どこでもあちこちから豊かに流れる水の音が聞こえてきたことへの郷愁もひとつだったと思うこの頃です。
音の方へ近づいてい見ると、午前中の禎瑞(ていずい)へ向かう途中の住宅地のように、蛇口から水がずーっと溢れているのでした。
しかもその量が「ゴボゴボ」と半端ではないものです。
なんと、うちぬきマップに掲載されている場所だけでなく市内のあちこちにうちぬきがあるようです。
なんだか元気が出てきました。
車が少なくなったので堤防の上へと戻り、とちゅう加茂川ふれあい広場の大きな木の木陰で立ったまま涼み、また歩き始めました。
堤防の外側の川のそばには田畑が広がり、稲が風にそよいでいます。ネギの香りもしていました。
遠くの石鎚山とその手前に中央構造線の山並みがすぐ近くに見えます。
静かな住宅地と田畑と、そして蝉の鳴き声。なんと美しい夏の風景でしょう。
「加茂川改修工事竣工記念」(昭和29年)と彫られた大きな石碑のあるところで堤防の下へと降りると、もう少しで前日歩いたほたるの泉の遊歩道の水源地です。
住宅と道路と、そこに忽然と広い池が現れました。
浅い池の底に水草が一面広がっています。透き通るような水というのは、こういう場所ですね。
遊歩道に沿って歩くと、おしゃれなカフェがありました。
まだ10時過ぎ。これで今日の散歩を終わりにするのは残念ですがこれ以上猛暑の中を歩くのは危険なので、休憩したら鉄道博物館を見て、どこかで昼食をとって早々にホテルへ退散しよう。
そう思って入りました。
観音水の池を眺められるようにカウンター席があり、アイスカフェとあんみつを頼みました。
ふだんは「おしゃれなカフェ」にも気後れして入ることはないのですが、「水面を静かに眺められる」と直感して引き寄せられるように入りました。
30分ほど、静かな店内で観音水の池を眺めていたら元気が出ました。
やはり、予定通りもう一か所訪ねて見ることにしましょう。
1時間に1本のバスがもうじききます。
バス停へ向かって歩いていると、「観音水や新町泉は、加茂川乱流時代のなごりであり、現在泉となっている」と書かれた小さな案内板が道端にありました。
なんとおしゃれな街でしょう。
ずっとずっと大事にしてきたものの歴史がわかる、落ち着いた街でした。
*おまけ*
「住宅の庭にうちぬき、水豊か」などこの地域の情景を暑さで朦朧とした頭でiPhoneのメモに打ち込んだはずなのに、あとで確認するとごっそりと消えていました。これだからデジタルは油断できないですね。
残っていた数枚の写真のおかげで、この日のことを鮮明に思い出しました。
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