久米池とその歴史の証に満足し近くのバス停から乗る予定でしたが、iPhoneのマップの時刻表で確認した便がなく次まで50分ほど待つ必要がありました。
最近のバス事情は厳しいので、マップのバス停をクリックしただけで計画を立てると危ないですね。
助かったことにバス停には屋根付きの待合所があり、しかもそこに座ると久米池の水面を眺めることができます。
少しずつ日が西へと傾きかけ、水面の色が変わっていくのを飽きることなく眺めました。
バスは琴電長尾線の駅から病院をつなぎながら走っているのでしょうか、香川大学病院の方から来たバスはけっこう混んでいました。そして途中、ぐいぐいと上り坂の道を県立高松医療センターへ立ち寄り、下り坂を戻るとまた平地が広がる風景になりました。
かつては水田地帯だったのだろうと思う場所がその名も「新田町」地区で、しばらく走ると落ち着いた古い家屋が点在する場所になり「古高松」地区のようです。
久米池から見えた平たい台地のような山がぐんと近づき、バスは西へと曲がって新川を越え、目的のバス停に到着しました。
今回の散歩の3日目は高松のどこで宿泊しようかと地図を眺めていた時に、「潟元」という志度線の駅名が目に入りました。
潟という文字がついてその北側には「屋島」がありますから、これは干拓地に違いありません。
そして久米池からのバスがちょうど通っています。これはここを訪ねなさいという啓示だと、思い込むことにしました。
しかもちゃんぽんのお店もあります。旅の疲れが溜まった頃にはガツンと野菜をたくさん食べたくなりますからね。
体に染み渡る美味しさに満足して、ホテルへと向かいました。
周囲はほとんど田んぼはなくて、ロードサイド店や住宅地ですが水が元気に流れている水路があちこちにあります。
興味深いのは水路が道に対して斜めに通っていることで、あの新幹線が田んぼを斜めに切って通過するのに似ています。
午後7時、もう少しで日没あたりから窓の外を眺めました。
新川の河口は干潮のせいか水がありません。その向こうは瀬戸内海で島々が見えます。
さらにその向こうの岡山の方は積乱雲が見えるので、大雨でしょうか。ダイナミックな海の景色に見とれているうちに暗くなり、家路を急ぐ車のライトの夜景になりました。
日没後も見えていた島影が、もうすっかり見えなくなって海と一体になりました。時々うっすらと見える光が、島の沿岸部でしょうか。
昔の人は、漆黒の海と島々をどんな思いで眺めていたのでしょう。
さて、いよいよ翌日は今回の散歩の最終日です。「潟元」はどんな場所でしょう。
猛暑でだいぶ計画変更しましたが、充実の3日間に感謝しながら心地よい眠りに落ちました。
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