一見便利そうなことで外堀を少しずつ固められていく今の状況を「兵糧攻め」と表現したのは、まったく持ってその通りだと思いました。
9年ほど前にクレジットカードやポイントへの漠然とした不安を書いたのですが、まさか国や自治体からその手法で囲い込まれていくとは。
私はクレジットカードが広がり始めた1980年代から一応カードは持っていますが、現在は通販の決済のみに使用して、ふだんは現金か「オートチャージではないPASMO」でその場で支払い終えるという形に落ち着いています。
ICカードと、オートチャージやモバイルICは別物ですからね。
少額でも借金の形態はできるだけ作らないことと、カードの便利さと引き換えに個人情報が使われることへの警戒感です。
*これも「情報がお金になる」の一つなのだろうか*
今までカード会社から広告が送られてくることはほとんど記憶になかったのですが、先日「こうすれば健康になる」という類いの機能性表示食品の広告が郵送されてきました。
内容は「アンケートに答えて同封のハガキを送ると、4週間分のその商品を購入できる」というものです。
なんだかまどろっこしい方法ですよね。
いったん私の住所を知っているカード会社から他社の広告を送り、ハガキで別の会社へ申し込むというステップで、「私が自主的に自分の住所や氏名、年齢、生活習慣などの情報をその会社に提供した」ということになるのでしょうか。
まあ、「サビを取る成分」なんて医学用語でもないことが書かれたシュールな製品は買わないですけれど、私の個人情報が勝手に取り引された気分ですね。
ちなみにそのカード会社のクレジットカードはデパートで買い物をした時の大きなポイントのために持っているだけで、クレジット機能は使っていないためか年間数百円の手数料はしっかり引かれています。
なんだかなあ。
*顧客の存在を取引する商売はどうなのか*
そのシュールな製品の会社の方は飲料水やお酒は好きな製品もあるのですが、やはりヒト・モノ・カネと並ぶ『情報資源』で方向性がおかしくなってしまったのでしょうか。
それにしてもカード会社から他の会社の宣伝が送られ、間接的とはいえ私の個人情報がカード会社から別の会社に渡るような仕組みは、商売の世界では「三方よし」の取引なのでしょうか?
私は私の存在が取引されるようで嫌なのですけれど。
世の中、キャッシュレスやらポイントやらの流れで便利さもある反面、何かを失っていくような気がするのですが、それが何かが明らかになるのに10年とか20年とかかかるのでしょうか。
「世の中の信用」でなければいいですけれど、それを取り戻すのは大変ですからね。
時代の葛藤を経て、「商い」とは何か、普遍的なものがまた一つ明らかになってくるでしょうか。
「小金がまわる」まとめはこちら。
失敗とかリスクのまとめはこちら。
骨太についてのまとめはこちら。