行政の業務効率化のための「マイナンバー」のはずだったのに、「マイナンバーカード」になると「利便性」で外堀を固めながら取得は任意といいながら強制的になっていく方法で、私という個人を証明する方法はこうしたものしかないのかという絶望感を感じる毎日です。
さまざまな意見があって、「保険証を廃止するのではなく、現在の保険証に写真とICチップをつければ良いではないか」というあたりが現実的な解決方法なのかとは思うのですが、でもやはり医療や福祉に「顔写真」は馴染まないなあと逡巡しています。
何かの記事のコメントに「デンマークのイエローカード」を紹介する意見が書き込まれていました。
イエローカードなんてまるで「警告」をイメージする「さぞかし厳格で権力的な手法の身分証明証」だろうと思って検索したところ、こんなカードなら欲しかったと思いました。
*イエローカードとは「健康保証カード」*
「せかいじゅうライフ」に詳しく説明がありました。
まず、身分証明書といいうよりは健康保険証でした。
イエローカードとは健康保証カードの通称で、日本の保険証にあたるものです。
実物のカードの写真を見ると、顔写真もICチップもなくバーコードがあるだけです。
これに個人番号が記載されていて、これがあると「医療を受ける際に、診察や薬の費用を全額(または一部)負担してもらえる」そうですから、日本の健康保険証ですね。
そしてCRPナンバーは病院の診察以外にも「納税、銀行開設、図書館の利用、交通系ICカード、各種レンタル、携帯電話の契約」などに使われているそうですが、顔写真やICチップがなくても対応できている国があることを知りました。
全てのデンマーク国民が保持しているだけでなく、「デンマークに90日以上滞在する人は必ず申し込まなければいけない」ということのようです。
そしてそのカードは、デンマーク国民、海外からの移住者に関わりなく「申請した住所に後日郵送されてくる」そうです。
なんだ、マイナ保険証のようなややこしいことがなくても、これだけ行政の効率化とその国に住む人の生活の利便性は両立するではないですか。
「顔写真がなければ信頼できない」ということもないし、「ICチップがなければ信頼できない」ということでもなさそうですし、「何かに紐づける」という手法ではなくて単独で身分証明書になりそうです。
*同じ「全国民が持つ」でも強制ではなく「持っていたい」と思うカード*
顔写真を撮らせたり、移動できないような人にも申請や受け取りのたびに役所に来させるとかの不便を強いらなくても、「個人の証明カードと健康保険証」を可能にしている国が実際にあることを知りました。
そしてこのカードがあれば、運転免許証を返納しても死ぬまで「自分の証明」に悩むこともなさそうです。
一般的には健康保険証を返納するのは死ぬ時ですからね。
日本の社会では「健康保険証はいらない」とか「強制されている」と思う人が少ないように、本当に生活に必要なものであれば誰もが持つことに反対派しないことでしょう。
日本のマイナンバーカードの混乱は、ITについていけない人が足を引っ張っているわけではなくて、行政の効率化をしようとしない人が足を引っ張っているのではないかと思えてきました。
もちろんそれぞれの国の違いがありますから、よその国の良い方法が日本に合うわけでもないですし、日本の医療や福祉の行政には他の国から見たら垂涎の仕組みがたくさんあると思うのですけれどね。
今までの国民が積み重ねてきたものを「ぶっ壊す」ようなやり方が、最近また目について心配ですね。
ええ、政府のことが心配。
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