食べるということ 99 幻の「ニラそば」

鹿沼市の美しい水路と田んぼをみることができ、テレビに映っていた幻想的な風景の場所に似た場所も歩くことができて予想以上の鹿沼市の散歩になりました。

 

唯一、心残りなのが1日目も2日目も、楽しみにしていた食べ物に出会えなかったことでした。

それが「ニラそば」でした。

家でも作れそうですし味も想像できるとはいえ、やはりニラの産地で新鮮なニラを使ったニラそば、本場の味はどんな感じなのでしょう。

珍しくお店までチェックして開店時間内に行けるようにと緻密に計画を立てたというのに、なおさら幻になってしまいました。

 

NIKKEI STYLEという現在は閉鎖されたサイトに、「味と香り絶妙に引き立てる 栃木・鹿沼の「にらそば」」という記事がありました。

ニラは不思議な具材だ。別の食材とタッグを組むと、しばしば異次元の料理に化ける。例えば「ニラの卵とじ」や「ニラレバ炒め」。ともに出会いの妙があり、ニラや卵やレバーと引き立て合って、えも言われぬ独特の風味が現れる。ニラとソバの産地である栃木県鹿沼市で親しまれ、食文化として定着しているのが「ニラそば」だ。これにも出会いの妙があった。

鹿沼市は東京から同県日光市に向かう途中にあり、かつては宿場町としてにぎわった。松尾芭蕉も「奥の細道」の道中で宿泊したとされる。街の外には農地が広がり、地元食材を使ったにらそばを市内の多くのそば店が提供。もりそばの上にゆでたニラがのっていたり、そばとニラが最初から交ざっていたりする。

そばとニラを箸でつまみ、つゆに付けて口に入れると、双方の香りが混ざる。歯応えの違いも心地よい。にらそばはどのように誕生したのか。戦後、鹿沼市などでニラの栽培が盛んになった。鹿沼そば振興会の米山慎太郎会長によると「客人が来たときにそばを打ってもてなす文化があった。客人が帰った後、家族は栽培したニラをゆで、そばと一緒に食べたと聞いている」。そばをニラで「増量」したわけだ。その後、地元名物としてPRしていったという。

市郊外の幹線道路沿いにある「玄そば文石庵(あん)」では、そばの上にニラがどっさり。「にらそばというからにはニラが多めの方がいい」と店主の斎藤正彦さんは笑う。そばは農家から仕入れて粗びきにし、ザラザラとした食感。パンチもある。ニラとそばがともに強く主張する。食べ応え十分だ。

一方、山あいの清流ぞいにある「せせらぎ」のにらそばは軽い口当たりで、スルスルといくらでも食べられそう。近所の農家から仕入れたつややかなニラがのる。「ニラはゆで加減にこだわる」と店主の渡辺トミさん。客の8割がにらそばを注文する。

ニラとそばが初めから交ざっているのが「鹿沼そば大越路(おおこえじ)」のにらそば。店は市中心部の「まちの駅 新・鹿沼宿」にある。経営する大塚光幸さんは「混ぜるときれい」と語る。見た目も大切にする戦略だ。地元農協から仕入れた太いニラと平べったいそばが幾重にも重なる。

そばは縄文時代には日本に渡来していたとされる。ニラは奈良時代以前に日本に伝わったという。長い歴史を持つ両者が栃木県で出会い、舌と鼻腔(びくう)を魅了する存在になった。

(NIKKEI STYLE、2020年9月19日)

 

ああ、やはり現地で食べてみたいものですね。

そばが一面に広がる風景も見てみたいものです。

 

散歩の途中で、ニラを栽培しているビニールハウスをみることができましたが、ニラの生活史も栽培方法もほとんど知らないままでした。

 

帰りに家の近くのスーパーに寄ったら、ちょうど「栃木県産」のニラがあり買いました。

これからはニラを食べるときには、鹿沼の美しい田園風景が思い浮かびそうです。

散歩の醍醐味ですね。

 

 

 

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