米のあれこれ 142 「お米券」

半年前に税込500円台で買えていたパックご飯がいきなり750円以上になりました。

なぜパックご飯にしているかというと、今までは副食にお金をかけていられたので主食は少量になり、炊飯器を手放しました。パックご飯、電子レンジ2分で出来上がるので光熱費も抑えられるし適量なので無駄になることもなく、コストパフォーマンスは最高でした。

 

ところが、今は主食も高いし、おかずを作ろうにも何もかも高く品数も量も減らしました。

まさか再び「お米をたくさん食べたい」と思う時代が来るとは。

1960年代の子どもの頃の食べ物が質素な時代の経験があるので、ご飯にちょっとのおかずでも耐えられるのですが、そのご飯を削る毎日はちょっと寂しいですね。

 

今回の米価の乱高下が落ち着くまでに時間がかかるだろうと予想はついたので、安価に供給してくれている麺類に感謝しながらパックご飯の回数を減らしていますが、そうなるとやはり「主食はお米だったのだ」という思いが日々強くなります。

おなかを満たすから栄養へ、そしてその後の飽食の時代はやはり贅沢をし過ぎていたのだ、という思いも。

 

 

*なぜこんなに風当たりが強いのだろう*

 

ここ2ヶ月ほど、毎日のようにお米券が槍玉に挙げられていて、膨大なコメントが寄せられています。

まあ、いろいろな考えはあるし、地域によっても優先順位もありますからね。米どころにお米券はいらないけど人口密集地ではありがたい人もいるとか、地域によっても優先順位があることでしょう。

だから、お米券に限定しているわけではなく対応の一つと最初から大臣は明言していたはずなのに、いつまでもそれは無視されて、ピンポイントでお米というかお米の生産流通過程を叩きたい風潮になっている印象。

 

確かに手数料や手間がかかるということで各種補助金や給付の方法が見直されている時代ですが、手数料とか手間というのなら地域デジタル通貨だのポイントだのの方がその開発費に莫大な税金を費やしている割に不公平の方が問題のような気がしますけどね。

 

そして一番腑に落ちないのは、「お米券は米価を高止まりさせようという目論見」かのような批判ですが、早く送付しても年明けの自治体が多いでしょうから、すでに米価の暴落が起こると予想されている時期ですね。

それをみんなで何とかしよう、そんな社会の安定のための政策ではないかと思っていたのですが、いろいろな受け止め方がありますね。

 

 

*一人一人がわずかに多めに買っただけで需給のバランスが崩れるのが生活物品*

 

昨年の夏、私が住む地域では「南海トラフに備えて」なんて雰囲気はなかったのでよくわからないのですが、もし関西圏の方々があの時に少しずつお米を多めに買っただけで需要と供給のバランスが崩れたのだとしたら、全国民が一斉にお米を少しずつ買ってもまた大混乱になることでしょう

 

だから希望する人がお米を買えるようにという政策とともに、むしろ地域のお米屋さんなどを守ることもあったのではないかと思っていました。手数料の「60円」には販売店の分も入っているようですからね。

散歩をしていると、ほんと、「閉店しました」「休業します」という街のお米屋さんを見かけます。

お米の流通がスーパーや中食・外食系の商社などに取って代わられる時代だからでしょうか。

お米の混乱で大変な影響を受けたのは、こういう街のお米屋さんですね。

 

そして今年のように農家の方々が自主的に少しずつ増産しようとしただけで、相変わらずの猛暑にも負けずに豊作になりました。

ほんと、安定したお米の需給を図るというのは大変そうです。

 

お米券への批判は大きそうで、案外と社会の中では一部ではないか。

声を荒げているのは米価を上げて利鞘を稼ぐことを主張していた人たちに先導されているような雰囲気をコメント欄からむしろ感じてしまうこの頃です。

急に手のひらを返して社会を変えようとする人がいつの時代にもいますからね。

 

お米を投機的な商品にしてしまった「銘柄」にこだわらず、安定して国内に供給できる価格をどうするか。

その混乱の収束のためでないか。

 

私はお米券が配られるのなら、グルメでもないので、普通の国産のお米を買ってその流通を支えたいと思いますね。遠出で歩いたあちこちの田んぼを思い出しながら

ここ2ヶ月ほどの「お米券に対する批判」の記事を読んでいて、逆にそう思うようになりました。

1ヶ月分の主食をまかなえますから、今まで我慢していた分、ちょっとお米を食べることができたら感謝ですね。

 

 

*お米券を配る自治体もある*

 

 

ようやく、「少数派」の自治体の意見がニュースになりました。

それぞれの地域の実情に合わせてで良いと思うし、必要以上にお米券を槍玉に上げる必要もなさそうですね。

お米券、風当たり強いのになぜ採用? 自治体に聞いてみると・・・早く配れる/公平性高い/経費高くない

日本農業新聞、2025年12月19日)

 

 政府の2025年度補正予算が成立し、国の交付金を使った食料品などの高騰対策を各自治体が検討している。政府が提案した「お米券」は事務経費などがやり玉に挙がり、世間で批判の向きが強い。そんな中、愛媛県今治市がお米券を配布する方針を示した。なぜお米券を選んだのか。日本農業新聞「農家の特報班」が聞いた。

 

「早く配ることを重視」

 政府の補正予算が成立した16日、同市が公表した補正予算案にお米券の配布事業が盛り込まれた、対象は全市民。同市財政課は「早く配ることを重視し、お米券を選んだ」と説明する。検討段階で候補に挙がったプレミアム商品券は4ヶ月、電子クーポンは5ヶ月、現金給付は2ヶ月かかる見通しだったが、お米券は約1ヶ月で配布できるとする。

 幅広い店舗で使えることも採用を後押しした。お米券は米卸と取引があり、店が利用を認めていれば小規模な商店や米穀店でも使用できる。量販店が少ない同市の島しょ部でも市民が買いやすく、「居住地による不公平感が生じない」と同市。紙の商品券でデジタルに疎い高齢者でも使いやすいことも公平性が高いとする。

 

経費「他対策より高い水準でない」

 お米券は事業者に委託して郵送で送る、事業費7億7030万円のうち、事務費は1億2790万円。経費率は16.6%だが、「他の対策より高い水準ではない」と同市。また、現状の経費率はお米券の仕入れ値を「500円」で計算したもの。発行団体の全米販とJA全農が必要経費を抑える方針を示しており、入札で仕入れ値が下がれば経費率をより低くできる見たてだ。

 水道料金の減免だとさらに経費が抑えられるが、対象が世帯単位になることや水道を使わずに生活する市民が少数いることなどを踏まえ、採用は見送った。現物給付もマイナンバーカードに紐づいた公金受取口座を登録していない市民が一定数おり、時間と経費がかかる見通しだった。

 同市は過去にお米券を配ったことがあり、米以外の商品を購入できることも市民に浸透している。お米券に対する世論の風当たりは強いが、同市は「今治市にとっては最も実効性が高い対策」とした。

 

さもありなん、ですね。

まあ「日本の中心発のニュースや意見」が吹き荒れているのように見えるのは局所的で、社会は案外と落ち着いているものですからね。

 

 

 

*主食を制するものは・・・、かつては税だったお米*

 

かつては「税」だったお米というのは、今もなお社会にとって現金かそれ以上の価値があるからこそ、そこに食い込み支配したい人たちが虎視眈々と狙っているのだろうと、「お米券」への批判を見て改めて感じました。

「主食のお米」というのは「主食を制したものは世界を制することができる」、そういう一面もあったのを実感するこの頃です。

ああ、だから穀物には先物取引ができてしまったのか。

まあ現代の「政治・経済」に疎いので妄想ですけれど。

 

 

 

*おまけ*

引用した記事の中で、「現金給付もマイナンバーカードに紐づいた公金受け取り口座を登録していない」とありますが、これは不正確ではないかと思います。

私はマイナンバーカードは持っていませんが、年金受給申請でマイナンバーを提出しているので公金受け取り口座があります。

マイナンバーと「マイナンバーを使わずにICチップの空き領域を活用するマイナンバーカード」は全くもって別物ですからね。

 

 

 

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「お米を投機的に扱わないために」まとめはこちら

マイナンバーとマイナンバーカードのまとめはこちら