小金がまわる 51 やっぱり「孫子への借金」は詭弁では?

国債は国の借金であり、家計と同じく孫子に借金させてはいけないもの」といつの間にか思い込まされていたのだと思い直すきっかけになったのが、「1000兆円借りているじゃないですか、必ず貸している人が1000兆円いかないとおかしい。誰が貸しているんですか? 皆さんが貸しているんです」と熱く語っていた財務大臣の動画を2020年に知ったことでした。

 

それまで国債は誰がお金を出しているのか知らないままでした。

まあ、この時にはまさか自分が国債を買うことになるとは思ってもいなかったのですが、おそるおそる財務省のホームページを見てみると、「皆様に身近な金融商品」として購入方法が書かれていました。

国債は国の借金」と言っている政府なのにそれを勧めているなんて、財務省ってつじつまが合わない省ですよね。

 

最初にホームページを見た時には「日本政府が破綻することはない」とたしか書かれていましたが、それも経済アナリストだのが「日本が破綻したら」とおどすことともつじつまがあわないですよね。

でも、それなら私も少し買ってみようと心が動きました。3年前は、銀行にお金を預けるのはペナルティかと思うほどの利率でしたからね。

銀行の送金手数料の足しになるくらいなら、そして年金1ヶ月分ぐらいに相当する消費税ですから、少しでも生活費の足しにぐらいの気持ちでした。

 

以来、少しずつ国債について勉強をするようになりました。孫子の借金ではない」ことを自分で納得できなければ無責任ですからね。

財務省のホームページには国債のクイズがあって、最近は簡単に全問正解できるくらい、初歩的な知識が増えました。

まあ、ほんの初心者向けのクイズですけれどね。それくらいの知識の私でも買える「身近な金融商品」を出している財務省でした。

 

 

国債は公共債*

 

そして、自国の国債を買える国民がいるというのは豊かな国なのではないかと最近は思っています。財源を自国民で賄えるのであれば、それも内需の一つと言えるのではないかと。

私の少しばかりの貯金でも国債にすることで福祉や医療を支えたり、農林水産業の皆さんの収入が安定するような政策の財源に使ってもらえたらうれしいし、「国はもっと儲けて利子をよこせ」なんて言わないのに。

 

国債は公共債と呼ぶことも知りました。

一瞬で生命や財産を失うような理不尽なことが起こるのが人生、みんなで支えてみんなで安定した生活ができ、将来につながる普遍的な豊さを実現できたらいいですね。

 

そしていつかこの世を去る時には、カエサルのものはカエサルのものに、そのまま貸したお金は国に戻すことにしましょうと思い始めました、わずかですけれど。

 

 

金利の上下でこんなに差が出るのか*

 

そうこうするうちに、国債を購入して3年ほどで普通預金の利率が上がり、国債と同じになりました。

すごいですね、「金利のある世界」というのは。

 

これなら普通預金と定期預金のままでもよかったかと思いましたが、5年の国債だったのでそのまま様子を見ていました。

それから半年、最近の国債の利率はどれくらいなのだろうと財務省のホームページを見ると、3年前に比べて7倍ほど上昇しています。

また銀行預金を追い抜くでしょうか。

 

こんなに上がったり下がったり、「金利」って怖いですね。

国債でさえこうなのですから、利ざやを稼ぐという投機にハマる人が出るのもさもありなんと実感しました。

そして金利の世界」で社会全体が大きく影響を受けるようになったのもたかだか250年。

もしかしたら、それを「政治と経済」と思わされてきて、何か大きな過ちを見過ごしているのではないかと思うこの頃

 

 

*低金利時代の国債債権者は何を思っていたのだろう*

 

 

3年前に購入した時の利息はそのままですから、新規国債の利息が上っても「スズメの涙」ほどです。

だとすると、「ゼロ金利」と言われていた時代に国債を購入していた方たちは、何を思っていたのだろうと気になりました。

ゼロに近い利息で、国の財源を支えてくださっていたのですからね。

 

「日本の長期金利はなぜ低いのか」(2012年7月24日 「深尾光洋の金融経済を読み解く」、日本経済研究センター)に、以下のように書かれた箇所がありました。

金利国の経済的背景

 ユーロ圏の周辺国が高金利となっていることを考えると、独立した中央銀行を持っていることが重要な背景となっていると思われる。独立した中央銀行を持つ日英米についてみると、リーマン・ショック以降、低インフレの下で長期不況が続いているため、それぞれの中央銀行は景気刺激のために短期市場金利をゼロ金利付近に維持している。この結果、政府が発行する短期国債金利もほぼゼロに維持されている。さらに、当面低インフレと不況が続くと予想されているため、これらの中央銀行は少なくともここ数年間は短期国債金利をほぼゼロに維持すると予想されている。

 ゼロ金利で短期国債を発行できる国の財務省は、強い立場にある。一方長期金利が上昇しても、短期国債中心にシフトすれば、無理に高金利で借換債を発行する必要はない中央銀行が景気刺激のための量的緩和をすることになれば、中央銀行国債買い入れを増加するため、長期金利を押し下げる効果を持つことになる。

(以下、略)

2012年というと、冒頭の動画で財務大臣が熱弁していた頃の記事ですね。

 

財務省の「国債金利情報」を見てみました。1974年(昭和49)からの毎月の利率です。

当初は6%とか8%という数字でしたが、1994年(平成6)あたりから3%を切るようになり、2003年(平成15)では0.009%なんて利率もあり、スズメの涙どころかノミの涙でしょうか。

 

こんな低金利でも国債を買い続けてくれていた国民がいたということですね。

 

利率が上がりそうもないのに、投機的な金融商品ではなく国債を買い支えていたのは慎重な国民性もあるでしょうか。それとも「赤字国債」とか言われながらも、公共のために国債を買い続けていたのでしょうか。

その恩恵に預かっていたのが住宅ローンをはじめとする「景気刺激策」ですね。

 

そして、政府はその間、利払いに対する予算を減らすことができたのですから、「国債孫子の借金」なんて政府がいうことの方がおかしいですね。

孫子に借金」どころか、国民に低利子でお金を出資させるあこぎな方法ではないですか

 

「片手で援助、片手で搾取」ならぬ、「片手で片方にだけ援助(住宅ローンなどの金融政策)、片手で無利子のような国債(低利子という国民の財産の搾取)」のように思えてきました

 

ゼロ金利のなかで国債を購入していた人たちは国への篤志家ともいえるのに、「赤字国債」とか「孫子の借金」と批判をしていたのは誰なのだろう。

 

金利国債を支えていた方々は、今いずこ。

何を思うのでしょう。

 

 

 

*おまけ*

そうそう「片手で戦争終結、片手で搾取と人の人生を意のままに変える(奴隷化)」もありましたね。

新らしい資本主義とか、「株主経済」に操られている社会ですね。

現代の「政治・経済」、成金同士の融通ですからね。

 

 

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