鵺(ぬえ)のような 38 ヒトの社会を分裂させるエネルギーはどこから

お茶の水から本郷台地のへりの高低差を歩いて上野動物園に入りました。

パンダ舎が池の端門側のパンダの森に移ってから待ち時間が少なくなったので行ってみましたが、なんと40分待ちです。1週間ほど前、2025年6月28日にアドベンチャーワールドのパンダも中国へ戻ってしまったことが影響しているのでしょうか。

そしてどこも平日だというのに大混雑です。

 

あきらめて、不忍池のそばでカワウと蓮を眺めて過ごすことにしましょう。

昨年は7月でも蓮がすでに満開で、極楽のようでした。前日の大雨に、折れることもなくなぎ倒されることもなく耐えていることもすごいですね。

 

いつもならここで生ビールですが、700円に値上がりしていたので我慢しました。平日でも混雑するほど来園者が増えているのにインバウンド価格でしょうか。

まあ、不忍池の美しい世界と涼しい風、それだけで十分でした。

 

 

*穏やかな生活の上を吹き荒れる嵐*

 

パンダの話題になると、喧々諤々のコメントが溢れる昨今。

きっと「好き」「嫌い」とか「気に入る」「気に入らない」ってほんと他愛もない感情なのに社会を分裂させるほどのエネルギーになる怖さがあるし、そういう炎上や社会を分裂させて何かを狙っている人たちもいるのだろうなと思えてきますね。

 

あのお米券の件でもそうでしたが、焚き付ける人がいることが見えてきました。

 

世界史そのものがヒトが築いてきた社会を分裂させることの繰り返しでしたからね。

 

そうそう1970年代、「ずる賢い目をしている、中共から来た動物だからな」と父がボソッと言って、子ども心に「それはないよ」とちょっぴり反抗心を持った当時も、こんな「大人」の雰囲気だったのかと重なりましたね。

おそらく自分の子どもだからと、父も気を許してつぶやいたのでしょう。

 

あれから半世紀後、一瞬にして自分の他愛ない感情を正義として社会に向ける手段を得たので、ネットの世界はすぐに荒れますね

日常のリアルな生活場面でそんな発言をしたら、警戒されたり「大人げないなあ」と思われそうなのに、こうして社会の雰囲気は出来上がり、穏やかな社会が一転して荒れる時代になりました。

 

 

*正解はなく、時代の葛藤に忍耐強くなる*

 

10年ほど前からあちこちを散歩するようになって、その中に動物園や植物園そして水族園がありました。

 

2015年、ふと思い立って何十年ぶりかに「そうだパンダを見に上野動物園へ行こう」と出かけたのでした。

ところが、そこには詳細な保護活動の年表や、さまざまに観察されていることが展示されていて、以来、「見に行く」から「会いに行く」に変わりました。

 

すごいですよね、パンダが生まれた後の体重減少率離乳するまでのうんちの変化など、ひとり立ちするまでの成長発達も観察されているとは。

そしてそうした観察や対応方法が世界で共有される、科学の世界ですね。

ヒトの新生児は観察もされていないのに、方法論だけ跋扈するのとは大違いですね。

 

まだわかっていないことがたくさんあることを知ることができるのが、こうした動物園・水族館そして植物園の役割でもありますね。

そして一見、人気がないように見える動植物にも存在感があります。人間の活動によって飛べなくなったオオワシのように。そしてそこに立ち止まって説明を読むヒトの姿も。

 

動物園などに通うようになって、こんな生き物にも詳しい人がいるのかと驚くことも増えました。生活史に関心があるからこそ、「見に行こう」から「会いに行こう」になるのですね。

 

そしてパンダや人気の種の行列はテレビの映像では興奮して騒がしそうに見えますが、120分待ちでも、雨の中でも暑い中でも粛々と並んでいることにも驚きました。

「神はよしとされた」この世の全てのものの中に、ヒトもいるのですからね。

 

「可愛い!」からはまり込む世界だって、捨てたものではないと思います。

ちっぽけな自分の世界から抜け出て、さまざまなことに関心が広がる機会になるのであれば、現代の「政治・経済」の枠組みで経済性やらイデオロギーで「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」になるよりは、よほど広い世界に生きることができるのではないかと思うこの頃です。

 

たぶん「パンダかわいい」とハマっている人は、「中国の政治体制が好きだからパンダが好き」ってわけでもないでしょうし。

まあ、「中華料理は好き」ですけれど、ね。

 

動物園や水族館の歴史を知る機会にもなり、正解はないそれぞれの時代の葛藤に向き合うための忍耐力が必要なことも学んだ次第です。

「神はよしとされた者同士」ですからね。

 

 

 

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