福井平野を歩く散歩の初日は、鳴鹿(なるか)大堰から九頭竜川右岸の用水路を歩き、途中の丸岡城を訪ねる計画でした。
地図で見ると、鳴鹿大堰から扇状に分かれた用水路が、かつては湖だった福井平野の北部の水田地帯を潤しています。
「丸岡」という地名から、もしかすると4世紀ごろは湖畔だったのかもしれません。
ぜひ歩いてみたいと思っていました。
今回は鳴鹿大堰までは勝山永平寺線ではなく、バスで行く予定です。
福井駅、前回はまだ新幹線が開業する前でした。駅前の懐かしい恐竜たちが出迎えてくれて、最初はシュールに感じたのに、今は「帰ってきた」とうれしくなる存在感ですね。
福井駅に到着した時にはポツポツぐらいの雨でしたが、西の海側の方から黙々と黒い雲が迫り、福井大学病院を通るバスに乗る直前に急に雨足が強くなりました。これでは、雨宿りするような場所がない用水路沿いを歩くのは無理そうです。
急遽、今日の予定を変更し、鳴鹿大堰ではなく丸岡城へ向かうことにしました。お城なら雨が降ってもなんとかなりそうですからね。
福井平野は路面電車や電車、そしてバス路線が縦横無尽、そして本数も多いので便利ですね。
*福井城下をぐるりとまわって九頭竜川へ*
10時10分発の大和田丸岡線に乗りました。あっという間に席が埋まり発車しました。皆さん、どこへ向かうのでしょう。
ビルの合間に、福井城の美しい石垣が見えます。路面電車の通る道路沿いは街がゆったりとして、街中なのに蔵や町家のような家が残っています。美しい通りです。
お城の周囲を回るようにバスが進みますが、足羽(あすわ)川と百間堀が合流した位置に建てられた福井城のそばはどこまでも平地です。
なぜこんな平な場所にお城があるのでしょう。低湿地に建てられた筒井城が重なりました。
空をさえぎるものも少なく、日が照ったり、雨雲が流れてきたりダイナミックに変わる様子がよくわかります。
鉄道の高架橋を越え、鉄道の車窓からひときわ目立つ要塞のような県立病院へと向かい、数人がそこで下車しました。
芝原上水を越えるとかつては水田だっただろうと思われる市街地の風景が続きます。「開発(かいほつ)」という地名も気になりますね。この辺りで本降りになりました。計画を変更して正解でした。
ショッピングモールがあるあたりが「大和田」で、水田地帯が広がっています。名前の通りだと思う風景で、その先に九頭竜川の堤防が見えてきました。
出かける前に確認していたクマ情報で、この少し先の中新田町に出没したニュースがありました。実際に通ってみると市街地なのに、クマとヒトの距離感が変わってしまった昨今ですね。
新幹線の高架橋と並走するので期待したのですが、残念ながら新幹線は通過せず、東側の山並みが近くなってきました。
*九頭竜川右岸、丸岡町へ*
九頭竜川を渡ると、河合春近用水路を越えました。最初の計画では鳴鹿大堰からこのあたりを歩く予定でした。いったん、雨は止んでいますが、まだまだ雨雲がこちらに向かっていますから、計画を変更して正解でした。
ここから北東へと曲がり、ただただまっすぐバスは進みます。
いつの間にか乗客は私一人になりました。
左岸側に比べると多少微高地があるようにも見えますが、水田と集落が広がっています。
鳴鹿大堰からの水路が車窓から見えないか、マップと見比べていたのですが、よくわかりません。
ところどころコスモスが美しい、秋の風景です。
そしてどのあたりがかつての湖と陸地の境界線だったのだろうと思っているうちに、市街地に入りぐるぐるっと回って、丸岡バスターミナルに停車しました。
木造のおしゃれなロータリーです。
出発すると、あちこちに水路が見える街並みを通り、天守閣が見えてきました。木壁の美しい小学校の先で、終点の丸岡城に11時6分到着しました。
約1時間のバスの散歩を楽しめたというのに、運賃670円でした。交通費の地域差というのは利用客数というよりもその会社の方針が大きいのでしょうか。
*丸岡城の天守閣へ*
目の前に美しい石垣があり、その名も「丸岡」で小高い場所に天守閣がありました。
ちょうど雨も止みました。今回もまたお天気の神様に守られているようです。
せっかくなので、天守閣まで行って福井平野を眺めることにしましょう。
坂道を上り、入場券を購入して天守閣へと向かいました。
小高い場所に、さらに石垣がありその上に天守閣があります。急な石段で、後ろを振り返るとちょっと足がすくみそうです。
天守閣も最も高い場所まで行けるようになっているのですが、見上げるような板張りの階段に、降りて来れなくなりそうな恐怖を感じたのでやめました。
あと20歳くらい若ければと思う勾配です。
天守閣の下からでも、三国港の方まで見えたのでよしとしましょう。
どこかに、かつてその風景が湖だった時代の記録がないか探してみたのですが、見つけられませんでした。
「落ち着いた街」まとめはこちら。
「城と水」のまとめはこちら。