地図で見つけた水路が福山上水だったことから2022年3月中旬に福山市内を歩いたのですが、芦田川が河口までまっすぐ干拓地と埋立地を貫く下流部分を歩いてみたいと思っていたことが今回の散歩で叶いました。
芦田川や芦田川河口堰の歴史をもっと知りたいと検索すると、悲しいかな、「中国地方で最も汚い芦田川」ばかりが出てきます。
頼みの綱のWikipediaにも2015年現在、中国地方一級河川13水系の内「水質ワースト1位」で、吉井川と首位を争っているようなことが書かれています。あの新幹線の車窓から見える美しい吉井川と競っているとは。
やはり、河口堰がその理由なのだろうか。
*支流の高屋川の水質改善*
ちょっと絶望的な気持ちで検索していると、「芦田川はすでに『中国地方で最も汚い河川ではなくなった!」(2024年3月4日)という先人の記録がありました。「備後散歩」という郷土愛を感じるサイト名ですね。
芦田川の洪水の歴史が書かれ、次の「『中国地方で最も汚い河川』の歴史」ではこう書かれていました。
その原因の一つは、芦田川の支流である高屋川の水がとても汚れていたからです。
高屋川の周辺は昭和から平成にかけて、人々がどんどん増えてきました。人が増えると、生活排水や工業排水など、水を汚すものも増えます。これが水質を悪くする一因です。また、芦田川は他の川と比べて、水が少ない川です。水が少ないと、少しの汚れでもすぐに水全体が汚れてしまいます。だから芦田川は水質が悪くなりやすいのです。
そこで、人々は高屋川河川浄化施設という、高屋川の水をきれいにするための施設を作ったり、下水道の改善をしました。この取り組みのおかげで、芦田川の水はどんどんきれいになってきました。
広島との県境の少し手前で山から流れ出てきた高屋川が山あいを抜けて、井原線沿線の広々とした田園地帯を流れている風景ですが、たしかに住宅地も広がっています。人口が急増した上に誰もが家を持ちたいという時代ですからね。
そして 1619年頃に福山城下の洪水を防ぐために小田川の瀬がえをしたことで、高屋川に流れる水も減ったこともまた遠因なのでしょうか。
いずれにしても「芦田川汚い」イコール「河口堰建設」と想像してしまったのは違ったようです。
地図で確認すると、井原線湯野駅の南側の高屋川とその支流深水川の合流部に高屋川河川浄化施設があるようです。
*「芦田川水環境改善緊急行動(清流ルネッサンス21)」*
検索していたら2003(平成15)年頃の国土交通省の芦田川の資料がありました。
水質については、芦田川本川にある府中大橋上流のB0D75%値は環境基準値を満足しており良好な状態を維持しているものの、支川高屋川合流後では比較的高い値を示している。また、BOD75%値で見ると、中国地方の一級河川の中では最も値の高い河川となっている。支川高屋川にある横尾地点においては、平成14年度のBOD75%値でみると、おおむね5.9mg/l程度(B類型)であり、水質汚濁が顕著なことから、近年では浄化用水導入事業及び河川の浄化事業が実施されている。これにより水質の改善がみられるものの、現在においても環境基準値を満足していない状況にある。
このような状況下の中で、芦田川水系においては、平成7年度に「芦田川水環境改善緊急行動計画(清流ルネッサンス21)が策定された。これに基づき、地元市町と河川管理者、下水道管理者及び関係機関が一体となって、下水道整備、河川浄化施設の設置、浄化用水導入事業に加え、合併浄化槽の設置、普通河川・水路の浄化、家庭雑排水負荷の削減などの流域対策等を実施してきた。しかし、目標水質には達せず、まだ水質改善が必要であるため、平成15年度には、新たに「第二期水環境改善緊急行動計画(清流ルネッサンスⅡ)」を策定し、さらなる水質改善に取り組んでいる。
(強調は引用者による)
またひとつ川がきれいになり始めた頃からの歴史を知ることができました。
「下水道についてのあれこれ」まとめはこちら。