黒部漁港の東側にその名も「名水公園」があります。水揚げのあとでもう人の姿がない漁港をぐるりと回ると、広々と公園があり生地鼻の公園と同じように掃除をしている方々がいらっしゃいました。
中に湧水がある東屋があります。
漁港で食べるのも楽しみですが近くのお店は開店前ですし、節約のためにここで漁港と湧水を眺めながらお昼ご飯にしましょう。といっても最近とても贅沢品になったおにぎりです。
静かな水の音に癒されながら食べていると、東屋の屋根の上をトンビが静かに旋回しています。あぶない、あぶない、バッグに手を入れただけでどこからか飛んでくるトンビのことをすっかり忘れていました。
公園内はきれいに手入れされていて、東側は広大な水田地帯なので立山連峰が見えます。
なんと美しい漁港と公園でしょう。
ここにも大きな案内板がありました。
あとで読もうと思って撮った写真を見直すと、黒部川扇状地の湧水地帯でも同じ内容ではなくそれぞれの地域の説明があり、またそれを確認しに訪ねたいという気持ちになっています。
*「くろべの水の秘密」*
散歩の復習はほんと楽しいし、勉強になりますね。「扇状地の湧水」、そういうことかとわかる説明板を写真に撮ってありました。
くろべの水の秘密
扇状地で湧き出す地下水は、図のように扇状地や中央部から地下に浸透し、かつて流れていた旧河川に沿うように地下を流れています。黒部川に近いほど河川起源の水が多く、離れるほど扇状地に降る雨を起源とした水が多くなります。浅い地下水は流れる速度が速く、130m以深の地下水は流れる速度が遅く、年間で約45mしか流れないため地下水は30年程度で湧き出してきます。
(強調は引用者による)
「かつて流れていた旧河川に沿うように地下を流れ」とか「130m以深の地下水は流れる速度が遅く、年間で約45mしか流れない」とか「地下水は30年程度で湧き出してきます」とか、どうやって観察し、その事実にたどり着いたのでしょう。
そして「黒部川扇状地を流れる水の量」も計算されているようです。
降水量 260.9 蒸発散量 63.0 揚水量 30.25
河川流量 1117.6 用水等流量 1272.9 地下浸透量 367.9 (単位:百万㎥/年)
黒部川扇状地において、山から流れてきた河川流量は年間24億㎥にもなり、その一部は用水を通して水田にもたらされます。地下に沈み込む量は、水道や工業用などで組み上げる量を上回り、健全な地下水循環が保たれています。
水文観測を担っている方のおかげで水も食料も滞りなく手に入れられ、そして安全な生活が守られている。
この数行だけで圧倒されますね。
*「地下水のしくみ」*
水が豊富な地域なので湧水があるのは想像がつくのですが、なぜ「扇状地の端に湧水群があるのだろう」という疑問は、「清水(しょうず)の里『生地』について」で答えを見つけました。
「黒部川の膨大な伏流水が海岸付近で海水圧と拮抗するため、生地の全域で自噴する」とのことでしたが、この案内板にはその状況が説明されていました。
地下水のしくみ
黒部で見られる多くの名水は、ポンプなどを使わなくても地表まで湧き出す自噴水と呼ばれるものです。黒部川や田園などから浸透した水は、水を通しにくい粘土層や基盤などで押し込まれるため、風船に穴を空けるように、井戸を掘ると自然に水が噴き出してきます。浅いところを流れる地下水は扇状地の末端の谷で水が湧き出してきます。
(強調は引用者による)
小学生の頃住んでいたところは裏庭や裏山にこんこんと湧き出る湧水があったのですが、あの地域だとどういう状態で湧水になるのだろう。
いずれにしても地下水が湧き出す、なんと神秘的なことでしょう。
それにしてもこんなに海のそばだというのに、塩水が混じらないというのもすごいことですね。
「伏流水が海岸付近で海水と拮抗する」とさらりと書いてあることに、わかったような気になったのですが、ぜんぜんわかっていないのでした。
*おまけ*
漁港のそばの湧水というと小浜の雲城の水や、伊予西条のうちぬきの一つである海岸沿いの弘法水を思い出しました。
海水が混じらない湧水、ほんと奇跡のようですね。
「水のあれこれ」まとめはこちら。
魚や漁師や漁港のまとめはこちら。
おにぎりのまとめはこちら。