第10回アジア水泳選手権

11月に「競泳アジア大会」が東京で開催されることを知った時には、古賀淳也選手の50m背泳ぎ4連覇を見ることができるのかとちょっと興奮しました。
2006年、2010年、2014年とアジア大会で優勝していたからです。



ところが、そちらは「アジア競技大会」で、別の大会でした。



それでも、今年まさかの自由形でオリンピック出場で、今回の大会でも100m自由形とリレーで活躍する姿を見ることができました。
スタートやターン後のストリームラインも無駄がなく、すーっと浮かび上がった時には先頭近くに追いついていました。


やはりクロールが抵抗無く泳げる選手は、他の泳法でも生かされていくのかなと、今後ますます背泳ぎでの活躍が楽しみです。


クロールといえば、今回はなんとパク・テファン選手が出場していました。
10年ほどまえ、まだ彼が高校生だった頃に短水路のジャパンオープンに出場して、その美しく無駄のない泳ぎに魅きこまれました。
ほどなく、北京オリンピックでアジアの選手としては初めて400m自由形で金メダルを獲得したのでした。


昨年、ドーピング問題で数年間の出場停止というニュースには驚きました。
その経緯は素人にはよくわからないのですが、今回のリオオリンピックでは200m、400mは予選敗退、1500mは棄権だったようで、活躍する姿をみることができませんでした。



パク・テファン選手といえば自由形の中長距離のイメージだったのですが、今回この100m自由形では48.57秒というタイムで優勝しました。
その100m自由形の表彰式が終わると、急いで会場を出て行く姿を見たのですが、1時間後には1500m自由形で出場してこれも優勝しました。記録は15.07.86ですから、納得できてはいないとは思いますが、最初から最後まで空を飛ぶような軽い泳ぎ方で、最後のタッチは流していたので余裕があるように見えました。


もしかしたら、しばらく続いたスランプから気持ちを切り替えるために挑戦したのかもしれません。


人生のどん底のような気持ちだったこの2年間だったかもしれませんが、ストリームラインがしっかりしている彼だからこそ、きっとまた浮上してくると思えたのでした。


会場からもパク・テファン選手の健闘に温かい拍手が送られていました。
10年間に高校生だったパク・テファン選手と観客席ですれ違った時の、彼の表情が思い出されました。