2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧
2011年3月12日に起きた福島第一原子力発電所での水素爆発後、南関東にある勤務先ではいくつかのことを考えて対応しなければなりませんでした。 まず、ひとつは福島で出産する予定だった妊産婦さんの中で、この南関東で出産するために転院される方が増えてく…
少し間があきましたが、もう少し分娩施設での防災対応について続きます。 地震や津波を含む水害は、日本に暮らしていればどの地域でも誰もが経験しうることでしょう。 状況や規模の違いはあっても、過去の経験がそれなりに伝わっています。 ところが今回の東…
いよいよ世界水泳の競泳が始まりました。 2001年の福岡で開催された世界水泳で、オーストラリアのイアン・ソープ選手の泳ぎに魅せられて競泳観戦にはまっていったのでした。 当時はテレビを持たず観ない生活だったのですが、どこかでたまたま観たのがきっか…
電車の広告を見ただけで、何日分かのブログを書けるのは思い出すものが多くなった、つまり年をとったということなのだとつくづく思うこの頃です。 さてあのIKEAの広告を見て東南アジアのラタンの家具を思い出したのですが、そこからまだまだ回想は続いて、最…
ブログを書き始めて1年半が過ぎました。 三日坊主どころか、先日も気づいたら90日以上も連続更新していて自分で驚いています。 だいたいは通勤中の電車の中で、ふとテーマが浮かんできます。 あるいは朝目が覚めた時に、書きたいことが浮かんできます。 最初…
医療用物品というのは、安全性、感染予防、そして使いやすさという点でどんどんとよい製品に改良されています。 その中で、30年前に比べてもほとんど変わっていないのが、粉ミルクと哺乳ビン、そして哺乳ビンの消毒方法です。 電子レンジで消毒できるように…
「ペリネイタルケア」2013年3月号(メディカ出版)では、「特集 必ずくる、きっとくる日に備えよう! すぐに役立つ!災害時の助産業務マニュアル」として、宮城県にあるスズキ病院の方の経験がまとめられて参考になりました。 スズキ病院はベッド数103床、全…
「助産雑誌」2012年6月号(医学書院)の「特集 東日本大震災の記録」では、「分娩施設における防災マニュアル作成ガイド」策定までの日本看護協会の取り組みが紹介されています。 その中で、以下のように書かれています。 防災マニュアルの現状分析を目的と…
「産婦人科の実際」2012年1月号(金原出版)の「特集 緊急有事における産婦人科体制づくり」の中に、実際に災害救助に派遣された日本赤十字社医療センター周産期母子センターの中根直子師長の「避難所における妊産婦の保健指導・看護支援」という報告があり…
本棚が倒れそうになるのを押さえ、ようやく揺れが落ち着いたところでつけたテレビに映っていたのは、大津波が人を車を飲み込んでいく様子でした。 今、この瞬間に起きていることを見てしまっているのだという恐怖感と、次々に各地の被害が伝わってくる中でと…
日本看護協会の「分娩施設における災害発生時の対応マニュアル作成ガイド」の「災害に関する助産師への教育」の中には、今までのの記事で紹介した「フリースタイル分娩」「院内助産」以外に「早期の母乳栄養確立に向けた援助」という項があります。 今回はそ…
日本看護協会が出した「分娩施設における災害発生時の対応マニュアル作成ガイド」の「分娩施設」とは、どのような施設のことを指しているのでしょうか? こちらの記事で、「看護管理」2012年12月号(医学書院)で引用された「助産師数別の分娩機関数」のデー…
前回に引き続き、「産婦人科の実際」2012年1月号(金原出版)の「特集 緊急有事における産婦人科体制づくり」の中から、「緊急有事における産婦人科救急への対応 −岩手県で行われたことー」を参考にしたいと思います。 この報告は岩手医科大学医学部産婦人科…
医療の中でも周産期医療というのは、24時間365日いつでも緊急入院があり、いつでも緊急手術や処置に備え、そして場合によっては高次病院への搬送をするためにネットワークを備えているという点が、他科にはない特色だといえます。 もちろんどの科でも緊急対…
昨日も書いたとおり、日本看護協会から出された「分娩施設における災害発生時の対応マニュアル作成ガイド」はあくまでもマニュアル作成のためのガイドなので、最低限の骨組みを示すものでしかありません。 それでも、その骨組み自体が現実に即していない内容…
今年(2013年、平成25年)1月31日付けで、日本看護協会から「分娩施設における災害発生時の対応マニュアル作成ガイド」が発行されました。 あくまでも対応マニュアルの作成ガイドですから、詳細な部分は少なく、マニュアルをつくるための頭の整理的な内容に…
「写真でわかる助産技術」 (監修 平澤恵美子、村上睦子、インターメディカ、2012年3月) サブタイトルが「・・・妊産婦の主体性を大切にしたケア、安全で母子に優しい助産のわざ・・・」とあります。 「医療介入とは」の記事を書くために書店で見つけたもの…
「完全母乳」という言葉についてあれこれと考えたことを書いたものが、「完全母乳という言葉を問い直す」でした。 初めてのお母さんたちのスタートというのはおおよそ3パターンになることを昨日の記事で書きました。 さらに厳密に言えば、さまざまな理由から…
母乳育児相談に関しても、初産と経産では、相談頻度も内容も全く異なります。 こちらの記事に書いたように、経産婦さんの場合、母乳分泌も退院の頃には「初産の2〜3ヶ月目からのスタート」という感じで出始めますし、新生児の世話も経験があるので赤ちゃんも…
初めて出産される初産の方とお二人目以降の経産の方では、お産も母乳分泌の状況もそして赤ちゃんへの接し方も天と地ほどの差があることは初産と経産と初産と経産つづきで書きました。 初産では出産も医療介入が必要なことが多くなるし、授乳や赤ちゃんの世話…
こちらの記事で、自分なりに考えた「達人」のレベルに近い働き方ができるようになってきたことを書きましたが、それは経験量が増えたこともありますが、比較的ローリスク対象のクリニックで10年ほど継続して働いてきたこともあると思います。 今、私が周産期…
日頃からベナーの看護師の五段階を意識して働いているためか、他職種でもついつい「この人はどのレベルなのだろう」と見てしまいます。 日常的に接するスーパーのレジ係の方たちがとても参考になるかもしれません。 新入職のスタッフにはしばらく誰かがつい…
今日のタイトルはこちらの記事で紹介したブログの一記事から(勝手に)拝借しました。 妊娠・出産・育児関係の話題について考えていると、私もまさに同じように感じていたことが多々ありました。 「その本質的な部分が理解できれば、問題はこんなに複雑な方…
混雑している人混みや電車の中で、お互いに迷惑にならないようにするために日頃マナーやルールという言葉を意識します。 ただ、案外このマナーやルールというものは「自分はそれは許せない」「自分はそうされるのは嫌」という感情の部分から生み出されている…
周囲の状況を見ながら行動できるのは、クールだと感じます。 「空気を読む」とも違った、「行間を読む」動きといったニュアンスです、私には。 「周囲の状況を見ながら行動する」ためには、多様な動きや多様な状況があるということを理解してこそできる行動…
都会のしかも混雑な状況というと、「人に無関心」とか「冷たい」という印象で語られることが多いのですが、冷たいというよりもクールだなと私は思うことが多いです。 この「クール」という英単語を私が会話の中で初めて聞いたのは、1980年代半ばのことでした…
スクランブル交差点。 信号が変わると、何百人もの人がそれこそ四方八方から交差点を渡ろうとして歩きます。 その交差点が見える場所はちょっとした観光スポットらしく、海外からの観光客の人たちが立ち止まってスマホやビデオを片手に構えています。 2〜3…
胎児から新生児になった瞬間から劇的に腸内が変化していくのに、なぜ母乳を飲ませるテクニックのような話ばかりになるのだろう。 赤ちゃんが眠らなかったりぐずったり、あるいは吸いつかないなど、すべて母乳やおっぱいのせいにされてしまうのだろう。 なぜ…
前回の記事で紹介した西インド諸島のセント・キッツ島でも、政府により母乳哺育がすすめられていきました。 おそらく文脈から1980年代のことだと思いますが、ダナ・ラファエル氏は「母親の英知 母乳哺育の医療人類学」の中で以下のように書いています。 世界…
1970年代、高度経済成長期の日本は少しでも豊かな生活を、と目指していた時代でした。 そのためには現金収入が必要になります。 こちらの記事で「若妻達は競うように誘致工場に終了しているため(生活が貧困なためではない)」「所得倍増、経済優先の志向が…