2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

医療介入とは 6 <妊婦健診について>

日本で出産が病院・診療所で行われるようになるまで、いくつかの段階があったようです。 私は医療の歴史に関しては素人なのですが、「女性学年報 第32号 2011」(日本女性学研究会 女性学年報編集委員会)の「戦間期における産婆団体の自立と揺らぎ」(木村…

医療介入とは 5 <エコー>

産婦人科でエコー(超音波検査)といえば、経腹エコーと経膣エコーがあります。 もうひとつ、ドップラーや分娩監視装置もエコーの原理を活用したものですが、今回は主に経腹エコーと経膣エコーについて考えてみます。 <妊婦健診と経腹エコー> いつ頃から妊…

医療介入とは 4  <妊娠の診断>

私が看護学生だった30年前はすでに日本は高度経済成長の真っ只中で、日本は先進国の仲間入りをしたと考えられていました。 卒業して勤務した病院も、国内ではかなり先進的な医療を取り入れているところでした。 それでもこの30年間を思い返すと、あの時…

医療介入とは 3 <初産と経産 続き>

前回の記事にコメントをいただいて、もう少し初産と経産について書いてみたくなりました。 私自身の臨床経験からの個人的体験談ですので、根拠はうすい話ですが。 <初産と経産のちがい、あれこれ> 妊娠中の経過でも初産と経産の違いを感じることがあります…

医療介入とは 2  <初産と経産>

医療介入の具体的な内容をひとつひとつ考えていく前に、妊娠・出産そして育児も含めて初産婦と経産婦の違いが大事なポイントではないかと思っています。 というのも、出産における「医療介入」の議論の中では、案外この「初産と経産」の分娩経過の差と医療介…

医療介入とは 1 

産科で働いていると「医療介入」という言葉を聞いただけで、「不要」という声が聞こえるようでぴっと身構えさせられてしまうところがあります。 幅広い視点からみれば健康増進や疾病予防も含めて「医療」ですし、助産師であれ開発途上国の伝統的産婆であれ、…

誰もが新人から成長する

先日の記事で、バレーボールについて書きました。 毎年、新たに彗星のごとく伸び盛りの若い選手が現れて、国際大会で大活躍します。 物怖じせずにのびのびとプレーしている姿に来年の活躍を期待するのですが、案外、翌年以降は平凡なプレーになっていること…

理想と現実のあいだで折り合いをつける

「折り合いをつける」 この言葉を菊池誠先生の「科学と神秘のあいだ」(筑摩書房、2010年)の中で見つけたときに、いい言葉だなぁと思いました。 その中に書かれていた「科学は身も蓋もない」「科学は『生き方』なんておしえてくれない」の科学の部分を医学…

競泳とバレーボール

日本選手権を欠かさずに観に行くほど競泳にはまっているのですが、もうひとつ好きなスポーツがバレーボールです。 アテネオリンピックの前ぐらいから、録画して見るようになりました。 以前はスポーツ観戦には全く関心がなかったのですが、40代に入ってこ…

院内助産とは 30 <院内助産と政治、安心って?>

院内助産を調べていると、すでにこの言葉が政治の世界に深く取り込まれていることを痛感します。 たとえば、共産党が2009年に出している政策の中には以下のように書かれています。 http://www.jcp.or.jp/web_policy/2009/07/post-86.html 2.社会保障 [助産師…

院内助産とは 29 <何を「主導」したいのか>

「1万人の赤ちゃんを取り上げました」など、助産師の「業績」を強調するときに「取り上げる」という表現が使われます。 これも個人的にはあまり好きな表現ではないのですが。 胎児の頭が出ると胎児の体が出てくるところを支えながら母体外に出てくるところ…

院内助産とは 28  <分娩における『主導』権>

助産師側が助産師外来や院内助産を説明する際には、「自立した助産師」とか「助産師が主体的に」のように自立や主体的という表現が好まれて使用されています。 それに対して、「院内助産とは 2 <院内助産の目的と定義>」http://d.hatena.ne.jp/fish-b/201…

院内助産とは 27 <「寄り添う」の違和感>

妊娠・出産の中で「寄り添う」という表現が使われるようになった理由のひとつとして、「産婦さんをひとりぼっちにさせない」ことの表明ではないかということを前回書きました。 別の視点から見ると、助産師の英語訳であるmidwifeを意識しているところもある…

院内助産とは 26 <「寄り添う」とは>

「院内助産」のHPを見ると、「産む力」「生まれる力」「主体的なお産」などとともによく見かけるのが「産婦に寄り添う」という言葉です。 もちろん「院内助産」に限らず、妊娠・出産の中で「寄り添う」という表現を世の中は好んで使うようです。 <「寄り…

院内助産とは 25 <達人助産師>

前回、ベナーによる看護師の5段階について書きましたが、せっかくなので全ての段階についてご紹介しようと思います。 もともとはDreyfusモデルという、哲学者と数学者の兄弟がパイロットやチェスプレイヤーがどのように技能を獲得していくか、そのプロセス…

院内助産とは 24 <院内助産に求められる経験>

「院内助産」という言葉を使わなくても、分娩入院の判断から分娩介助まで助産師に任されている施設は多いのではないかと思います。 少なくとも私が勤務してきた3ヶ所の総合病院ではそうでしたし、現在の勤務場所も分娩はほとんど任されています。 私の経験…

院内助産とは 23 <助産師と高学歴化>

保健師、助産師、看護師を目指す方々であれば、国家試験受験資格を得るまでの課程の複雑さに驚かれたことがあるのではないかと思います。 文部科学省が出している「看護に関する基礎資料」の中の「看護師養成制度」(p.2)を見ると、私が30年前に看護学校に…

院内助産とは 22 <チーム医療と院内助産>

「正常な分娩は助産師だけで介助」したいという助産師主導、医師不介入の分娩の場を確保する動きは、2004年頃の産科医不足を追い風にしてさらに強まりました。 そしてその次に2009年(平成21年)頃からの「チーム医療の推進に関する検討会」の議論で、特定看…

院内助産とは21 <異常を知らなければ正常もわからない>

異常を知らなければ正常もわからない これは私の助産師学校の恩師の言葉です。 当時の「自然なお産」ブームに心を動かされ、「いつかは病院以外のところで働いてみたい」と思っていた私をずっと引き留めてくれた大事な言葉だったと、今あらためて思います。 …

<競泳>北島康介選手、やっぱりすごかった!

本当は連日競泳ブログになる予定だったのに、全然書けません。 北島康介選手の200m平泳ぎ決勝は録画で観ようと撮ってあるのですが、胸が詰まってまだあのレースを観られないままでいます。 書きながら泣けてきました。 悔しいという感情ではなく、10年…

<競泳>松田丈志選手、銅メダル!

ロンドンオリンピック4日目。 男子200mバタフライ決勝レースで見事に松田丈志選手が3位入賞し、北京オリンピックに次いで2大会連続銅メダルを獲得しました! ずっと応援してきた選手なので、本当にその努力が実ってうれしいです。 結果はフェルプス選…