2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

正しさより正確性を 16 災害史が教育の基本になれば

あちこちを散歩するようになり、日本のひろさを痛感するようになりました。 その時に、案外と小学校から高校までで学んだ退屈に感じていた知識やものの見方が役に立っていると思うこの頃です。 ただ最近は、私が子どもの頃にあった学問のイメージが変化して…

事実とは何か 62 オランダのハンス少年の物語

八郎潟がオランダと関係が深いことを初めて知りましたが、オランダ、干拓地というと思い出すのがあのハンス少年の話です。 海抜が低く堤防に囲まれたオランダで、堤防から水漏れを発見したハンスがその土手の穴に手を突っ込んで水漏れを防いだという話です。…

記憶についてのあれこれ 141  八郎潟の豪雨

広大な八郎潟をどうやって見て回れるだろうかと調べていたら、八郎潟駅から八郎潟の中心部まで大潟村のコミュニティバスがあることがわかりました。 タクシーしかないかなと諦めていたのですが、タクシーだと5000円ぐらいかかる距離が100円でした。 数年前ま…

世界はひろいな  50 日本の地理はひろいな

今日のタイトル、日本の地理は「ひろいな」というのか、それとも「幅がひろいな」のほうが正解なのでしょうか。 5月に東北の一部を回って車窓から見たり、少し歩いただけですが、感じたのが今日のタイトルでした。 関東平野を抜けると、小学生の頃に学んだよ…

散歩をする 137 信濃川と関屋分水

今回の旅の目的の最後のひとつが、関屋分水でした。 二十数年前に村井吉敬さんたちと三面川を見たあとに向かったのが関屋分水で、当時はなぜ村井さんがここを見ようと思ったのか理由を聞いたのかもしれないのですが、全く記憶に残っていません。 また、今の…

記録のあれこれ 34 Wikipediaの「奥三面ダム」

2015年に書いた奥三面ダムに沈んだ村を書いた当時は、「奥三面ダムについては、頼みの綱のWikipediaにはまとめられたものが無い」状況でした。 4年しか経っていないのでまだ無いだろうと思っていたら、なんと奥三面ダムがありました。 今年1月に書かれたよう…

散歩をする  136 村上と三面川

東北の川と海をひたすら見る旅の2日目は酒田から羽越本線特急のいなほに乗りました。鳥海山に背中を見守られるように、広い庄内平野の内陸部へと列車が入って行きます。 小学生の頃に学んだ米どころ、「庄内平野」が目の前に広がっています。倉敷の祖父の水…

散歩をする 135 酒田と最上川

酒田市を選んだ理由は、10代の頃からなんとなく記憶にある地名だったからでした。 最初は「酒田大火」だったかもしれません。わたし自身が隣で火事を経験した数年後のようですから、恐怖とともに印象に残っていたのでしょうか。 酒田大火によると、「1976年…

境界線のあれこれ 88 秋田新幹線

東北新幹線は宇都宮まで利用したことがあって、たしか1時間ぐらい乗っていた記憶があります。 都内から宇都宮までと秋田までの距離を地図で眺めると、秋田までは新幹線を使っても数時間ぐらいかかるのだろうと思っていました。 計画が現実味をおびてきて時刻…

米のあれこれ 9  水田の風景

4月下旬に母の面会に行った時に、その地域では水田に水が張られ田植えが行われている田んぼもありました。 水田に小さな苗がきれいに並んでいる、春の風景です。 5月中旬であれば、東北は関東近辺とは1ヶ月遅れぐらいの田植えの時期なのかなと想像していまし…

散歩をする 134 ひたすら川と海を見に〜東北編〜

40年ほど前に、北海道へ旅行したときに東北を通過しました。 早朝に青森に着き、青函連絡船で北海道へ渡りました。夜行列車で真っ暗な中、文字通り通過しただけで、途中の東北の風景は見ることができませんでした。 那須あたりが私が行った本州の北限だった…

記録のあれこれ  33 八郎潟と戦後賠償

戦後賠償という言葉を間近に感じたのは1980年代で、当時、働いていた東南アジアのある国に「日本との友好道路」という別名があるハイウエイがありました。 「あなたのお父さんやおじいさんはあの太平洋戦争の時代に何をしていたのか」と私に尋ねてきたその国…

米のあれこれ  8 八郎潟

八郎潟の干拓について、小学生の頃に社会科で習った記憶が強く残っています。 そのころは、祖父の田んぼが干拓によって作られた地域だったとは全く考えたこともなく、日本で初めての干拓地が八郎潟であるかのような理解をしていました。 それぐらい、当時は…

気持ちの問題 58 郷土愛

なかなか撮り溜めしたビデオを観る時間がなくて、先日ようやくブラタモリの熊野の後編を観ました。 その中で、熊野本宮大社旧社地「大斎原(おおゆのはら)」の説明がありました。 1899年(明治22年)の大洪水で河原に近い場所にあった本殿が流されたために…

観察する 60 風景を観察する

風景は「楽しむ」という言葉が似合いそうですが、私は小さい頃からどちらかというと「風景を観察」していたように思えてきました。 あちこちに遊びに行く時だけでなく、ふだんの通学など見慣れた風景まで、いつも目を凝らして見ているようなところがあったか…

境界線のあれこれ 87 権限と標準化

川沿いに散歩をするようになって、自治体の境界線を超えるとガラリと風景が変わる状況があることを知りました。 先日の 霞川でも、途中までは両側にゆったりと歩道が整備され、散歩を楽しむ人とけっこうすれ違ったのには驚きました。 川の中も水草が植えられ…

散歩をする  133 青梅から金子へ

先日、荒川の上流近くを歩きましたが、入間川がその支流であることが頭の中でつながりました。 帰宅して入間川の源流はどこか眺めていると、その一つが青梅の近くにあることがわかりました。 青梅と言えば多摩川をまず思い浮かべるのですが、荒川の支流であ…

発達する 24 環境に配慮するという意識

あちこちを散歩していると、「環境」という言葉がヒトの意識に定着したのもたかだか半世紀ほどなのだろうなと思います。 半世紀前、1960年代から70年代ごろ、私が幼児から小学生だった頃に「環境」と言っても、おそらく何を言っているのかわからなかった人も…

10年ひとむかし  50 イデオロギーから世界観へ

父から言われたイデオロギーに入り込むなということが、半世紀ほど生きてようやく漠然としながらも自分の中でまとまり始めていた頃、「〇〇に入り込むな」の「〇〇」に置き換えられそうだと思う言葉が増えました。 そのひとつが「〇〇観」という表現でした。…

下水道についてのあれこれ 7 糞尿輸送

今日はタイトルだけで「そっと閉じ」の方もいらっしゃるかもしれません。 でも生きている限り、排泄と無縁ではいられないので大事な部分ですね。 ただ、下水道が完備された時代以降に生まれた世代には、意味がわからないタイトルかもしれません。 1960年前後…

運動のあれこれ 28 武甲山資料館

西武秩父駅に降りると高い建物が少ないので、どこからも武甲山が見えました。「山懐(ふところ)に抱かれて」という言葉を思い出しました。 西武秩父駅にはたくさんの観光客が降りて、私と同じ方へ向かっています。 ちょうど羊山公園の芝桜まつり開催中のた…

散歩をする 132 武甲山

昨年古代蓮を見てから見沼代用水と武蔵水路を見に行った時に、初めて秩父鉄道に乗りました。 行田駅から武州荒木駅までは利根川沿いの平地をのんびりと走る路線でしたが、路線図をみると「三峰口」が終点で、荒川上流に向かって秩父鉄道が通っているようです…

水のあれこれ  102 高層ビルのプールから「水がひっくり返る」

4月23日のフィリピンでの地震のニュースの映像は、虚を突かれるものでした。 一瞬、何が起きているのか、映像とアナウンサーの説明が一致するまでに時間が必要でした。 地震で揺れる高層ビルの屋上からプールの水がひっくり返る まるでタライをひっくり返し…

数字のあれこれ 50 水深3m

私が利用している3ヶ所の区民プールは、だいたい水深が1.1m〜1.3mほどです。 背泳ぎでスタートする時に、少し角度を間違えるとプールの底で背中をこすってしまいそうになるのでもう少し深い方が泳ぎやすく感じます。 90年代に自転車で通っていた、都内でも…

事実とは何か  61 富士川はいかにできたか

ちょっとブラタモリのパクリのような、今日のタイトルです。 甲府盆地はハート形に近い三角形のような形をしています。 どうしてそういう形なのか考えたこともなかった、というよりも「三方を山に囲まれているから」と原因と結果を混同していたことを、ブラ…

水のあれこれ 101 山梨の水との闘い

竜王駅に置いてあった信玄堤ガイドブックの「治水の構想」に5つのポイントが書かれていました。 1. 釜無川を氾濫させないための堅固な堤防を造る。 2. 大洪水でも堤防が決壊しないようにするために堤防に懸る水の勢いを減らす。 3. 釜無川の左岸に御勅使川…

散歩をする 131 竜王

先日、撮り溜めしていたブラタモリを観て、「あ〜先を越された」と思いました。 「甲府」の回で信玄堤を紹介していました。 行こうと思っていたのに。まあ、先を競っているわけではないですし、甲府盆地がどうやってできたのかなど予習になりました。 ただ、…

散歩をする   130 青山霊園

ちょっと初夏の香りがした爽やかな4月中旬の午後、2時間ぐらい時間があったのでどこかを歩こうと地図を眺めました。 そうだ、以前青山上水を訪ね歩いた時に青山霊園の高低差に驚いたことがそのままになっていました。 青山霊園は外苑東通りと西通りに挟まれ…