2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧
前回、前々回の記事にコメントをいただいて、もう少しこの話題を考えてみようと思いました。ありがとうございます。 ただし、ちょっととりとめのない内容になると思いますが。 <感動する、感動を与える> 「感動」。 この言葉はそれこそ手垢がつくぐらい使…
前回の記事で、病院で生まれた赤ちゃんの写真が皆顔をゆがめて泣き叫ぶ表情が写し出されていたと書かれていたことを紹介しました。 写真。「真を写す」と書きますが、写真って何なのでしょうか。 <写真は何を写しているのか> お手軽にウィキペディアからの…
1990年代に「自然なお産」「いいお産」などの言葉とともに出産の環境が問い直されていました。 私自身もそういう流れに一部は共感を持って自分なりの分娩介助のスタイルを模索していました。 でも病院での出産を鼻から不満足なものとして表現されてしまう数…
新生児にとって身の危険を感じることは、激しく泣いたり、顔の表現でそれを伝えようとしているのではないかということを前回書きました。 危険な状況か、危険を感じていない状況かの間に、緊張とリラックスという段階もあって、それを表現しようとしているの…
前回書いたように、産声というのは肺呼吸を始めるための第一啼泣(ていきゅう)という意味があります。 その後、新生児は何をどのように伝えようと表現しているのでしょうか。 <声のトーン> 胎児は水の中ではもちろん声を出すこともなく成長しています。 そ…
啼泣。 新生児がなくことを、ていきゅうといいます。 正確にはどれくらいの月齢の赤ちゃんにこの言葉が適応されるのかはよくわかりません。 「泣く」という漢字が含まれていますが、悲しいとかくやしいとかの感情表現とも違います。 この啼泣には、「つぎつ…
前回の記事で「生後2日ぐらいまでの新生児」と書いたのには、訳があります。 生後2日を境に、表情がぐっと変るのです。 一言で表現してみると、「もう卒業しました」という感じです。 何から「卒業」したのかというと、「新生児にとって哺乳行動とは何か5 …
「顔が変わった!」 わが子をずっとみているお母さんでも、面会に来られたお父さんやご家族の方からもよく聞かれる言葉です。 本当に新生児の顔はどんどんと変化していきます。 何がどのように変化しているのでしょうか。 新生児の表情の特徴ってなんでしょ…
以前もどこかで書きましたが、最初の2〜3ヵ月ぐらい泣きながら育っているのかと思うほど大きな声でよく泣く赤ちゃんがいます。 目が覚めると激しく泣いておっぱいもダメ、あやして落ち着くのを待ってから授乳。そして少し飲むとまた激しく泣く・・・その繰…
WHO/UNICEFが「生後6ヵ月間は母乳だけで育てること、その後栄養的に十分で安全な補完食を与えながら2年かそれ以上母乳育児を続けること」を「最適の乳幼児栄養」(Optimal infant and young child feeding)と位置づけていることは以前に記事でも書きました…
「監視行動」というのもとてもものものしいのですが、なぜ東日本大震災の時に突然「紙コップの授乳方法」が良いものとして広められたかというのも、前回までの記事で書いたような「母乳代用品、哺乳びん、人工乳首の寄付ははたとえ善意であっても、誤った援…
前回と今回のタイトルに「戦略」という表現があることに、戸惑うかたもいらっしゃるかもしれません。 母乳に関して「戦略」なんてものものしい表現ですよね。 でも前回の記事の中で紹介したように、WHO/UNICEFの「乳幼児の栄養に関する世界的な運動戦略」の…
昨年の東日本大震災の初期に、「災害時でも母乳で」「哺乳ビンでなく紙コップで」「母乳だけで授乳しているお母さんにはミルクを配布しないで」というメッセージをよく見聞きしました。 未曾有の非常時にそのメッセージからくる唐突感と違和感は何なのかと思…
災害発生時から24時間までをフェーズ0(ゼロ)と区分していることを2012-06-09 - ふぃっしゅ in the waterで紹介しました。 災害発生直後に避難してきた方を受けいれる状況はどのようなものでしょうか。 私自身は直接その受けいれ支援の経験はありませんが…
昨年の東日本大震災の直後わずか2〜3日だったように記憶していますが、ネット上には「災害時こそ母乳を」「出なくなることはない」「母乳は完全な栄養がある」「母乳は災害時の感染症を予防する」といったメッセージがたくさん出始めました。 それと同時に…
救援物資を必要とする災害とはどのような状況でしょうか。 豪雨や台風での一時避難から、昨年のような巨大地震、津波そして原発事故と複雑で広範囲な地域の長期化した避難までさまざまです。 そのような中で、家を失い避難所生活が長期化する方もいれば、自…
昨年の東日本大震災の直後から、ネットやtwitterで「母乳は吸わせれば出るからやめないで」「粉ミルクや哺乳瓶の配布は必要な人だけにして」といったメッセージが広がりました。 きっと多くの人は、粉ミルクを足すことがいけないと考えたのではなく「母乳を…
東京医学社から出版されている「周産期医学」2012年3月号は、「東日本大震災と周産期」という特集号でした。 昨年の3月11日の東日本大震災と翌日の福島第一原子力発電所の事故は、被災地域の規模、地震と津波そして原子力事故という被災状況の複雑かつ深刻さ…
今の日本の社会で、赤ちゃんを育てていらっしゃるお母さんたちの多くに必要なもの、それは「人の手」ではないでしょうか。 いぇ、本当に猫の手も借りたいというほどに。 母乳であれミルクであれ、授乳というのは時間がかなりかかるものです。 一人で家事も育…
母乳については「素晴らしい」という言葉では表現しきれないほどの巧妙さ、複雑さがわかってきましたし、反対に母乳のデメリットになり得る点もわかってきました。 それまでは個人的な感覚で「よい」と思っていたことがきちんとあきらかにされていくという、…
何度か記事を引用させてもらっている「小児内科」2010年10月号(東京医学社)の「特集 母乳育児のすべて」の中の、小児科医の先生が書かれた文を読んで感じたことを書いてみようと思います。 「母乳育児支援のポイント」の「はじめに」より、長くなりますが…
世の中には、人工栄養で子どもを育てることを選択されるかたがいらっしゃいます。 <母乳が感染経路となる疾患> 1980年代半ばにAIDSというウィルス感染による疾患が明らかになってきました。 感染した時点では症状もなく何年か経て免疫不全の状態に陥るとい…
本の題名は忘れてしまったのですが、昔から多くの国で出生直後から数日ぐらいの新生児のぐずりをなんとかしようとしていたことを読んだ記憶があります。 砂糖水を布に染み込ませてしゃぶらせたり、ある国では胎便を早く出させることがよいものとして下剤の効…
授乳時の乳頭痛もまた、お母さんたちが授乳がつらいと思う理由のひとつだと思います。 「深く吸いつかせる」というテクニックで改善することもあります。 ところがそういう考え方は、赤ちゃん側が浅く吸いたいことには対応してくれません。 乳頭痛で授乳をや…