2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

体重の謎あれこれ 1  <泳ぐと太る・・・私>

先日、NHKのクローズアップ現代で「無月経、疲労骨折・・・10代女子選手の危機」を放送していました。 競技種目によっては「脂肪はつけない」ことで競技成績をあげさせるために厳しい体重制限が行われており、疲労骨折を起こすほど生殖機能への負担がある体…

看護基礎教育の大学化 21 <一般教養として学びたいもの>

もし私がもう一度看護学生として学ぶ機会があれば、是非、医療経済と医学史・看護史、そして統計学・疫学を一般教養として学びたいと思います。 医学史・看護史は私の学生時代にもありましたが、こちらやこちらに書いたように、間近の半世紀ほどの歴史、つま…

看護基礎教育の大学化 20 <各大学の特殊性や独自性の前に>

私自身は産科診療所で働いているので、おそらくこのまま産科で働き続けて終わることになると思います。 ところが日本の病院というのは、長い間、看護職にオールマイティを求めてきました。 突然、違う病棟に配属されてもすぐに働くことができるかのように。 …

看護基礎教育の大学化 19 <「看護診断」を受け入れてしまった看護学>

今から十数年前のことですが、厚労省の臨床指導者研修を受けたことがあります。病棟の中堅層を集めて、学生への指導者を育てるために2ヶ月間研修をうけるものです。 臨床実践の場を離れて、学生を教えるための系統的な知識を学ぶ機会は、助産師学校以来の集…

記憶についてのあれこれ 5 <ハナミズキ>

この季節になると、白と薄桃色の花が咲くハナミズキが周囲の若葉を引き立たせながらもその存在感を感じさせます。 このハナミズキを見ると、私はある方のはっきりした記憶とともに、自分の記憶の不確かさという両極端の感覚を思い起こすのです。 <ハナミズ…

滑らかな泳ぎ

競泳日本選手権が終わって一週間以上も過ぎているのですが、録画を見ながらまだ余韻にひたっています。 毎年、競泳の選手権はNHKが放送するので、会場で直接観戦したあとに録画を観ています。 NHKの競泳の放送がとても観やすいことは、こちらの記事に書きま…

看護基礎教育の大学化 18 <なぜ標準的な手順が作られないのか>

前回書いた看護手順がなぜ未だに統一したものができないのでしょうか? 実際に使用するにはそれぞれの施設の状況に合ったものになるように多少変更をする必要がありますが、その根幹となる日本全国の施設が参考にできるような標準化した手順があり、定期的に…

看護基礎教育の大学化 17 <看護業務基準と看護手順>

私たち看護職の業務の核ともなるものがあります。 それが「看護業務基準(2006年度改訂版)」です。 私が学生の時からこの「看護業務基準」という言葉があり、上記リンク先にあるように「看護職の責務を記述したもの」として各施設で作られていました。 ただ、…

看護基礎教育の大学化 16 <看護学をめぐる時代の移り変わり>

1970年代終わりの頃に看護学校に入学しましたが、前回の記事に書いたように看護学校の教員は実践の看護そのものを教えてくれていました。 最近こうしてブログの中で半世紀ほどの医療や看護の歴史を行ったりきたりして考えていて、あらためて私の学生時代とい…

看護基礎教育の大学化 15  <看護を教える人>

30年ほど前、私が入学した看護学校は病院に付属した学校でした。 その病院で働いていた方が教員として2年、3年と学生を教え、そして臨床に戻っていくシステムでした。 まだ看護のかの字も身についていないような学生にとって、教員というのはとてもベテラン…

看護基礎教育の大学化 14 <大学のメリットとは>

少し間があきましたが、このあたりから書いてきた看護基礎教育の大学化についてまたしばらく続きます。 看護大学であれ、看護専門学校であれ、最終的には国家試験に合格することがまず第一の目標ですから、その教育の内容の基本はそれほど変わらないはずです…

記憶についてのあれこれ 4 <忘却の彼方へ>

こうしてブログを書くようになってから、突然、記憶の断片がたくさん蘇ってくるようになりました。 そして回想が始り、ひとつの記事ができあがっていきます。 どこに、こんなに記憶されていたのだろうと不思議な気分になります。 ある日、カチっとスイッチが…

記憶についてのあれこれ 3 <手で記憶する>

記憶そのものは脳で行われているのですが、記憶を取り込む段階でさまざまな感覚器が働いています。 知識を記憶するのには目や耳で情報をとりこんでいますし、「あ、海のにおい」といった鼻で情報を取り込むこともあるでしょう。 日々接している新生児を見て…

行間を読む 12  <看護実践の一回性>

一見「看護の本質」が科学的手法で理論化されているようで、かえって遠ざけてしまっているのではないかということを前回の記事で書きました。 たとえば「フリースタイル分娩」「アクティブバース」が、ある産婦さんの快適性によかったことは事実でしょう。 …

行間を読む 11 <「看護論は科学でなければならない」>

少し偉そうにですが、看護にとって広い視野とは何かをこちらとこちらに書きました。 実は、薄井担子(ひろこ)氏の「科学的看護論」(医学書院)には、医療の一回性に通じる看護実践の一回性について書かれていました。 私が購入したのは2011年版ですが、197…

次の世代へ引き継ぐ

最近、あとどれくらい自分は働くのだろうと考えることが多くなる年代になりました。 20代の頃は海外医療救援に参加したり、途上国の母子保健に関心が出て助産師になって、自分の未来は洋々としているような自信に満ちた時期でした。 30代は助産師として…

境界線のあれこれ 44 <ユニークとユーモア>

生命の一回性という意味でのユニークとさまぁ〜ずを思い出してしまうユーモア、なんの脈絡もなさそうなテーマですね。 「唯一の、かけがえのない私(あるいはあなた)」というユニークと、「ちっぽけな自分を笑い飛ばす」ユーモア、その間のどのあたりに気持…

第90回日本競泳選手権大会始る

昨日から第90回日本競泳選手権大会が、辰巳国際水泳場で始りました。 初日は平日の午後4時からの開催なので、例年入場者も少なめなのですが、昨日はけっこう席がうまっていました。 また初日というのは観客席からの拍手も少なくて、会場の雰囲気が硬く感…

ユーモア

唐突な告白ですが、さまぁ〜ずが好きです。 夜中のトーク番組「さまぁ〜ず×さまぁ〜ず」と「もやさま」は必ず録画しています。 もやさまで、隣近所にいそうなおじさんおばさんのなにげない行動や言葉にうふっと笑わせてしまうところがすごいと関心しています…

行間を読む 10 <「広い視野」とは何か・・・全体をとらえる>

看護基礎教育の大学化の流れのなかで、よく目にする「広い視野」で学ぶという言葉についてもう少し考えてみようと思います。 たとえば、大学化の流れが一気に進み出した1991年に開かれたシンポジウムの記録の「なぜ四年制大学が必要なのか」の最初のページに…

行間を読む 9 <「広い視野」とは何か・・・一回性>

「産科崩壊」を機に医療系のブログを読むようになりました。 そのひとつが「日々是よろずER診療」でした。 福島県立大野病院の産科医逮捕、そして大淀病院や墨東病院の「たらいまわし」報道などからこのブログに出会ったのでした。 救急専門医であった医師が…

記憶についてのあれこれ 2 <「ひとつとはなにか」>

月に一回、グループホームに暮らす父に会いに行きます。 父が住みなれた地域のホームなので特急で2時間ほど離れていますが、ひと月ごとに車窓の風景が変わるのを楽しみながらの小旅行です。 先月は残雪があったのに、先日は桜と菜の花、桃やこぶしが続く春の…

看護基礎教育の大学化 13 <「質の高い看護」とケアの独善性>

いつ頃からでしょうか、看護の世界で「看護観」という言葉が広がったのは。 「あなたの看護観は何?」と問われて、どれくらいの看護学生や新人看護師が追い詰められて涙していることでしょうか。 臨床で30年以上働いてきた私だって言葉にならないようなもの…

看護基礎教育の大学化 12 <看護職にとって「高い人間性」「広い視野」とは>

日本の看護教育の大学化の必要性についてすっきりと理由が見えてこないのは、「大学化」が目的になってしまい、社会や医療の変化に合わせた看護の方向性を大学化の理由にむりやりこじつけているように見えてしまうのです。 また、臨床実践、研究そして教育の…

境界線のあれこれ 43 <足のないものと足が多いもの>

春になると一斉に草花が芽吹くように、小さな虫が活動を始めますね。 先日、お風呂場に生まれたばかり(かどうかわかりませんが)のごま粒ほどの小さなクモがいました。 お風呂場に残っていた水滴に向って歩いています。 そのまま水滴に触れたら溺死してしま…

看護基礎教育の大学化 11 <「なぜ4年制大学化が必要なのか」の矛盾>

2008年10月21日開催の日本看護協会プレスセミナーでの「なぜ4年制大学化が必要なのか 今こそ看護基礎教育改革を」という資料を、国民医療研究所(現日本医療総合研究所)のHPで読むことができます。 このあたりの記事から書いた「助産師教育ニュースレター」…

看護基礎教育の大学化 10 <3年から4年教育へのからくり>

1980年代から1990年代というのは、医療がますます高度化する時代でした。 たとえば産婦人科医が子宮を、小児科医にとっては胎児がブラックボックスであったのが1970年代まで続いていたことはこちらの記事で書きました。 1980年代初頭にICU(集中治療室)や人…

看護基礎教育の大学化 9 <「スキルミクス」と「看護資格一本化」の矛盾>

こちらの記事で、看護師、看護助手などを組み合わせる「スキルミクス」について少し書きました。 実は私自身、こういう言葉がすでに十数年前から日本の看護の方向性を決める人たちの間で使われていることを最近まで気づいていませんでした。 スキルミクスに…