2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

客観的のあれこれ 2 <9割がイメージでできているのではないか>

「9割がイメージでできているのではないか」 これは、ただふと思いついただけで、9割というのもいい加減な数字です。 日常生活で常に目にする広告媒体を見て思いつきました。 あるいは、ニュースでさえ現実感を感じさせない写真が使われたりします。 アニ…

客観的のあれこれ 1 <客観的とはどういうことなのか>

こちらの記事の最後の方で、「あ、観客って客観の反対ですね」とうまいことを言ったと喜んだのですが、「客観」あるいは「客観的」とはどういうことか、私自身あまり深く考えずにわかったつもりで使っている言葉のひとつだと、ずっと気になっていたのでした…

記憶についてのあれこれ 119 <「在日」という言葉>

なぜ在日韓人資料館を訪ねようと思ったかと言えば、私自身の中の「在日」と言う言葉を整理する機会をずっと待っていたことがある、とも言えそうです。 なぜ「在日」という言葉が生まれたのか。 それはなんどとなく、歴史の本やニュースで見聞きしているので…

散歩をする 32 <青山上水の続きを歩く>

青山上水の半分を歩いて数日後に、また乃木坂駅から今度は六本木、飯倉、芝方面へと、残りの半分を歩きました。 乃木坂駅からすぐのところに東京ミッドタウンがあり、その中に檜町公園があります。 以前ここが防衛庁だった頃、このあたりを歩いたことがある…

事実とは何か 39 <産科診療所での無痛分娩>

今年になり無痛分娩のニュースが増えたのは産科麻酔の実態把握のための一歩だととらえていたのですが、「麻酔科医がいないところでは危険」「診療所では危険」という雰囲気のニュースが目につくようになりました。 このまま、無痛分娩が産科施設の集約化のた…

観察する 38 <「ただひたすら観察するという原始的な方法」>

今日のタイトルに引用させていただいたのは、「水草を科学する」の中に書かれていたものです。 「第3章 水草はどのように子孫を残すのか」の最後のほうに以下のように書かれていました。 じつは、クロモの受粉方法の詳細は10年ほど前までよくわかっていませ…

存在する 5 <オオワシのいる島>

不忍池の蓮を見に上野動物園へ通ったこの夏ですが、工事中だった弁天門口が7月に完成しました。 不忍池の中の通路を蓮をかき分けながら歩いているような、極楽、極楽の気分でそのまま出口に向かうことができます。 その弁天門口の近くの小さな島に、オオワシ…

気持ちの問題 47 <ヒトのグルーミング>

職場は20代から70代と幅広い年齢層のスタッフがいます。 普段は相手のことを理解しているつもりになっているのですが、ふとしたことで、言葉の持つニュアンスの相違や経験して来た時代の感覚の差のようなものを感じます。 数年ぐらい前だったでしょうか、退…

気持ちの問題 46 <「上から目線」の10年ひとむかし>

「上から目線」という言葉をなんとなく耳にするようになったのは2009年ごろでした。 なぜ2009年だという記憶があるかというと、kikulogで「『上から目線』とは何か」という記事を菊池誠先生が書かれていたからです。 なんとなくその頃から耳にしていたけれど…

運動のあれこれ 3 <「挑ませる」ものには注意>

私が勤務先の産院で出会う女性は、ひと頃の「自然に生みたい」「母乳だけで育てたい」という熱が過ぎて、「無事に生まれればそれで十分です」「必要があれば医療処置を早めにしてください」「必要があればミルクも足します」という方がほとんどです。 思い返…

思い込みと妄想 38 <蓮の幻想>

6月下旬の蓮の花が咲き始めた頃から、今年の夏は不忍池の池に4回ほど通い、そろそろ花もおわりに近づいてきました。 6月はまだ、蓮の葉の丈も数十センチから1メートルぐらいだったものが、どんどんと花を開かせながら、行くたびに背丈が伸びて私の身長をこえ…

医療介入とは 99 <医療と植物園>

久しぶりの「医療介入とは」です。 最近、植物園や温室を巡る機会が増えたのですが、どちらといえば植物の多様生に改めて気づくことが増えて、世界はひろいなと感じることがきっかけでした。 植物園をまわると、どの植物園でもだいたい「薬草」の展示があり…

境界線のあれこれ 77 <薬と毒とファンタジー>

今年の夏の課題図書である「水草を科学する」(田中法生氏著、2012年、ベル出版)を読み、その「水草展」にも出かけ、池や川辺で水草を眺める日が続いています。 水の中で生きる植物の不思議な世界が目の前にいつもあったのに、何も気にしないできたことを悔…

水のあれこれ 67 <水の制御と水草>

水草の本を読み始めてじきに、もう一度神代植物園に行ったら、国立科学博物館筑波実験植物園で「水草展」が行われるというチラシを見つけました。 しかも、その水草の本の著者によるものです。 なんという偶然でしょうか。 今まで行ったことがなかった筑波へ…

世界はひろいな 41 <陸海空、自由自在の存在>

今日のタイトル、防衛の話ではなく、鳥の話です。 子どもの頃から、空を飛ぶ夢をしばしば見ました。空から自由自在に地上を眺めることができる鳥をうらやましく思いつつ、それ以上、あまり鳥については関心を持つこと無く来てしまいました。 カラスはおもし…

思い込みと妄想 37 <水族館にいる人の言動>

葛西臨海水族園では、あまり人だかりがなく、ひっそりと生きている魚類をじっと観るのが好きなのですが、ペンギンだけは水の中での抵抗のない泳ぎを観るために、人が多くても張りついています。 1年を通して観ることができるのが、フンボルトペンギンとフェ…

気持ちの問題 45 <時々、「奇跡」が起きる>

電車で週刊誌の中吊り広告に、こんなものを発見。 急に元気になったり、穏やかになるのはなぜか? 「終末期覚醒」「お迎え体験」の謎に迫るー 「死の瞬間」に奇跡が起きる まあ、真夏ですからね。 ゾクゾクさせる記事をひとつは入れたい、といったところかも…

運動のあれこれ 2 <後で思い返すとヒヤリとする>

市民運動の末端にいた頃の自分を思い出すと、今もヒヤリとすることがあります。 先日も、パイナップルの記事を書いていて、冷や汗がでそうでした。 え?なんだか訳がわからないですよね。 その記事の中で、パイナップルプランテーションで働く人たちが「ヘリ…

運動のあれこれ 1 

運動といっても日本語の意味は幅が広いのですが、その中でも市民活動、英語ならmovementになるのでしょうか、そのあたりの話です。 唐突なタイトルですが、1980年代前半、こちらの記事に書いたように、NGO(非政府組織)やNPO(非営利団体)という言葉を日本…

観察する 37 <パイナップルの生活史>

昨年、「ペンパイナッポーアポッーペン」が何故、日本だけでなく海外にも人気がでたのかとても不思議な気持ちでみていたのですが、「パイナッポーアッポー」で私は30年ほど前から気になっていた「パイナップルとアップルの関係」を思い出したのでした。 東南…

パイナップル

最初にパイナップルを食べたのはいつだったのか記憶にないのですが、幼児の頃だと思います。 当時は、生のパイナップルは高級品だったことでしょうから、きっと甘いシロップに漬けた缶詰が、最初のパイナップルとの出会いだったことでしょう。 それから四半…

観察する 36 <季節を観察する>

昨日の夕方、道ばたで鈴虫の声が聞こえました。 今年、初めて聞いた鈴虫です。 「ああ、もう秋がくるのだな」とふと感じて帰宅したら、ニュースで「今日は立秋」と告げていました。 「立秋」とは、「初めて秋の気配が現れてくる頃とされる」という意味が本当…

存在する 4 <存在そのものが奇跡>

父は、今年の始めの頃にかかった感染症のために残されていた体力が奪われ、ADL(日常生活動作)が著しく低下しました。 麻痺が無かった方の手も、腕を上げたり物をつかむ力が失われていきました。 笑顔どころか表情もほとんどなく、そして声も失いました。 …

完全母乳という言葉を問い直す 39 <医師が処方をしなければミルクを手に入れられない>

うさぎ林檎さんのTwilogで、国境なき医師団(MSF)の「イラク:『食べ物の入手が問題ではないーー乳幼児の栄養失調、なぜ多い?」という記事を知りました。 久しぶりの「完全母乳という言葉を問い直す」ですが、2012年にこの記事を書き始めたのは、日本国内…

事実とは何か 38 <「キレる高齢者」は本当に増えたのか?>

NHK NEWS WEBに「キレる高齢者増えた?その訳は・・・」(2017年7月28日)という記事がありました。 「病院の会計でキレる」「自動販売機でキレる」「子どもに注意されてキレる」「荷物を当てられてキレる」などの「目撃談」から、ひとっ飛びに「カッとなっ…

世界はひろいな 40 <ドナウ川>

こちらの記事でブタペスト市内をゆったりと流れる川と美しい街並を書きましたが、これがドナウ川だということに、あとで気づくほど本当に東欧の地理関係に疎い私です。 ヨーロッパを流れる大きな河川にはライン川がありますが、犬養道子氏の「ラインの川辺ー…

記憶についてのあれこれ 118 <ハンガリーと東ヨーロッパ>

世界水泳を観るようになってから、ハンガリーという国名に親しみを感じるようになりました。 選手名までは覚えられないのですが、準決勝・決勝ではよく聞く国名で、競泳の強豪国だという印象でした。 特に、カテインカ・ホッスー選手やラースロー・シェー選…

事実とは何か 37 <違う意味の「危機感」ではないのか?>

世界水泳ブタペスト大会の全競技が終了して数時間もしないうちに、「スポーツナビ」に「金メダルゼロに平井監督『危機感ある』萩野らの伸び悩み、海外勢の勢い実感」というインタビュー記事がありました。 その中で、海外選手との違いについて、「ああ、やっ…