2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

出産の正常と異常について考えたこと 3 <「正常」の変遷>

明治時代に入って助産を担う産婆の教育が始まった時点からどのように妊娠・分娩の「正常」と「異常」が定義されてきたか、そしてどのような変化があったのか、これまで何回か紹介してきた「女性学年報第31号」(日本女性学研修会、2010年)の木村尚子氏の…

出産の正常と異常について考えたこと 2  <思い込みの「正常」>

「終わってみないと正常かどうかわからない」のが出産だという当たり前のことに気づくのに、私自身が20年近くかかりました。 数年前に周産期医療はどうなるのだろうと不安で医師ブログを読むようになって、その中でみつけたこの表現に頭を殴られる感じでし…

出産の正常と異常について考えたこと 1

前回の記事にhaccaさんがコメントをくださいました。ありがとうございます。 どんなことでもあるところまでは正常、それがある時異常に転ずるということでしょうに。 私も日頃「正常分娩」「異常分娩」という表現を使っていますが、haccaさんのコメントを機…

助産師の歴史 3  <女性学年報>

<女性学年報の論文紹介> 女性学年報第32号(日本女性学研究会)の木村尚子氏の論文「戦間期における産婆団体の自立と揺らぎ」の中に、前回の記事で触れた「幻の助産師法案」について書かれています。 木村尚子氏の論文の主旨は、「産院や健康保険法を契…

助産師の歴史 2  <幻の「助産師法案」 1>

幻の「助産師法案」、現在の助産師に関する何か法案があったのでしょうか? いえいえ、昭和12年(1937年)に出された法案のようです。 まずはその「助産師法」第十一条を引用します。 <助産師法> 第十一条 助産師ハ妊婦、産婦、褥婦又ハ胎児、初生児ニ対…

助産師の歴史  1  <記録に残しておきます>

最近タイトルに「助産師」が入っている記事が続いているので、ちょっと食傷気味の方もいらっしゃるかもしれません。 自分自身の仕事が好きだから将来の助産師の行方を心配して記事にしているという部分もありますが、最近では助産師の業界は変だと思うことが…

助産師の「開業権」とは何か 10  <母乳相談の功罪>

助産婦学校を卒業した当時は開業することもいいなと思っていましたが、たくさんの妊産婦さんや新生児と接するうちに独立して開業することはあり得ないと思うようになりました。 心のどこかにはまだ開業への思いは残っていたのだとは思いますが、分娩で開業す…

松田丈志選手  NHK「アスリートの魂」

楽しみにしていた競泳の松田丈志選手の番組を録画で観ました。 先日の日本選手権での泳ぎが軽い印象があったのは、2回目のキックを早めに打つようにフォームを変えたからだったのですね。 試合前に短期間でフォームを変えるのは、とても決断の必要なことだ…

助産師の「開業権」とは何か 9  <更年期相談>

時代の変化、医療の進歩によって看護業務の内容も範疇も格段に増えました。 看護職としてどこまでが業務として許されているのか、法的根拠というのはなかなか明確にできない部分があります。 たとえば、ちょうど10年前の2002年(平成14年)、厚労省医政局…

助産師の「開業権」とは何か 8   <家庭分娩>

開業助産婦というと「昔からの」と枕詞がつくように長い歴史があるような印象がありますが、助産所自体が1950年代にできたものであったり、前回までの記事であげた開業助産の業務の中の「乳房マッサージ」のように案外最近になって始めたことがけっこうあり…

助産師の「開業権」とは何か  7  <乳房マッサージの歴史>

<乳房マッサージはいつから開業助産所で行われているのか> タイトルに「乳房マッサージの歴史」と大仰な表現を入れましたが、正直なところいつからどのように助産師の中で行われているのかは勉強不足でよくわかりません。 1980年代に出版された桶谷式乳房…

助産師の「開業権」とは何か  6   <母乳相談・乳房マッサージ>

<乳房マッサージの法的根拠とは> 最近は街を歩いていてもいたるところに「○○マッサージ」の看板がありますが、ここ数年「代替療法」を調べている中で初めてこのマッサージという表現に法的な規制があることを知りました。(医療従事者としては不見識で恥ず…

カラスの巣作り

通勤の車窓から見える大きな木に、カラスが巣を作っていました。 カラフルな針金のハンガーで作った、モダン建築の新居です。 近くの木々には少し新緑の葉が出始めているのですが、なぜかまだその巣がある木だけは葉がないので、新居が丸見えです。 お母さん…

助産師の「開業権」とは何か  5  <助産所業務と料金>

<助産師業務料金> 開業するからには、事業を継続するだけの収益をあげていく必要があります。 助産所にはどのような業務内容に対して、どのような料金設定がされているのでしょうか。 日本看護協会の「助産師業務要覧」に2008年までの「助産師業務料金の例…

助産師の「開業権」とは何か 4 <助産所数の推移と分娩以外の業務><追記あり>

<助産所数の推移> 前回の記事で実際に分娩を取り扱っている助産所数を把握するのが難しいと書きましたが、分娩を取り扱っていない開業者数は「国民衛生の動向」で調べられるようです。 手元に国民衛生の動向を持っていないのですが、看護協会の「助産師業…

助産師の「開業権」とは何か 3  <全国の助産所数と分娩件数>

<全国にどれくらいの助産所があるのか> 数年前に琴子ちゃんのお母さんのブログ「助産院は安全?」に出会ってから、自分自身が助産師でも助産所がどのくらいあるのか実際にどのような業務を行っているのかよく知らないことが多かったので、助産所について調…

競泳日本選手権  第六日目、第七日目

競泳日本選手権が終わってしまった・・・。 7日間競泳のことばかりを考えていたので、明日から日常の生活に戻れるでしょうか。 昨日は、800m自由型で藤野舞子選手が自己ベストを出したけれども、約6秒派遣標準記録に届きませんでした。 中盤のペースは100m…

助産師の「開業権」とは何か 2  <開業権と開業届け>

<開業権=助産所開設なのか> 看護職の中で唯一独立開業できるということですが、開業権とはどのような定義か、開業とはどのような定義で具体的にどのような業務内容か、どのような法的根拠あるいは法的規制があるか、開業の業務内容を具体的に誰がどのよう…

助産師の「開業権」とは何か 1

<助産師は看護職の中で唯一独立開業し、助産業務を自立して実践できる> 私が助産婦学校(当時は助産婦)で印象に残っているのは、「助産婦は開業権がある」「正常なお産は助産婦だけで介助できる」ということでした。 深く考えることなく自分の職業の誇り…

競泳日本選手権  第4日目、第5日目

昨日は100m背泳ぎでは酒井志穂選手が2位でしたが、わずか0.02秒派遣標準記録に届かず代表入りを逃しました。 ゴール直後にタイムを確認した酒井選手が激しく水面を叩く姿、そしてプールサイドで泣いている姿、今まで負けてもあまり感情をだすところを見た記…

競泳日本選手権  第二日目、第三日目

昨日は嵐の中、北島選手が代表決定。 4回目のオリンピック出場は気が遠くなるような決意と努力だと思います。 日本の平泳ぎの選手層は厚いので、その中できっちりオリンピックイヤーで結果を出せるところが北島選手の強さでもあり魅力でもあるのでしょう。 …

言葉の意味を問い直す

私が助産師になった二十数年前に比べて、周産期医療あるいは出産育児の話題の中で使われる用語がとても多くなりました。 医療の進歩に伴ってあるいは社会の変化に伴って、概念が変わったり新たな表現を必要とする場合もあると思います。 あるいは状態や処置…

競泳日本選手権始まる 第一日目

今日から競泳日本選手権、ロンドンオリンピック代表決定戦が始まりました。 初日から400m個人メドレー男子で日本記録と標準派遣記録突破で高校生の萩野選手と、昨年の世界選手権3位の堀畑選手のデッドヒートでのオリンピック出場内定に会場は盛り上がって…

新生児の哺乳行動とは 11 <赤ちゃんの眠りと行動4 置くと泣くのはなぜか>

生後2〜3日ぐらいから新生児でもぐびぐびとおっぱいを沸きあがらせて飲むことが多くなります。 でもまだ「片方飲んで眠ってしまう」「眠ったと思ったのに置くと泣く」、というお母さんの新たな悩みも出てくるころです。 経産婦さんの場合には、たとえ一人…