2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「産科診療所から」まとめ

思えば遠くへきたものだ。 ブログを書いて、あれこれと回想しているとそんな思いになります。 進学校だった高校時代は「女は大学に行かなくてもよい」と言われ、やりたいことかどうかもわからないまま看護学校に進学しました。 でも入学してからは「自分に合…

産科診療所から 16 <分娩施設はどうなるのだろう>

久しぶりの「産科診療所から」ですが、産科診療所、病床数が19床以下の分娩施設で働くようになって10年以上になりました。 ある程度経験を摘んだ助産師の働き場所としては、なかなか良いのではないかという思いが強まる反面、このまま産科診療所もなくなって…

観察する 14 <「植物の持つ特性を変えない」>

子どもの頃は、手先が器用で絵が上手だった父に似て、絵を描くのが得意でした。 いつ頃からか、私の「才能」は凡才となり、絵を描くこともなくなりました。 ボタニカルアートの展示会を観に行った動機のひとつに、もしかしたら私にも描けるかもしれないとい…

観察する 13 <ボタニカルアート>

11月24日、都心での雪は54年ぶりという日に日比谷公園に行きました。 前日はお天気だったので本当に降るのかなといぶかっていましたが、朝起きたら雪に変わっていたのでびっくりしました。 何を好き好んでこんな雪の日に公園に散歩をしにいったかというと、…

「小金がまわる」まとめ

私が小学生になった1960年代半ば、ラーメン一杯がまだ100円の時代でした。 子ども向けの駄菓子になると5円とかだったと思います。 それも父親の給料に比べれば決して安いわけではありませんでしたが。 小学生から高校生まではお小遣いとお年玉をもらい、貯金…

小金がまわる 9 <終の住処にかかる費用>

父のように終の住処、そこで看取られる場所に落ち着けたことをみると、ちょっとうらやましく感じます。 私自身は、どのように死ぬのかまったく不確実だからです。 自力で生活ができているうちは介護施設には入れないでしょうし、高齢者になるにつれて生活を…

ケアとは何か 18 <終の住処に必要なことは何か>

父がお世話になっている介護病棟は、いつ行っても清潔なリネンに交換されています。 髭もきれいに剃ってもらい、パリッとしたシーツの上で穏やかな顔をして眠っている父をみると、それだけで父にはよい終の住処に出会ったのではないかと思えて来ます。 その…

記憶についてのあれこれ 105 <同じ認知症の人が集まる場>

先日、たしかNHKだったと思うのですが、若年性認知症になった女性が中学校で自分の体験を伝えているニュースを見ました。 50歳になった頃から認知症になったその女性は、目の前にある服をどう着たらよいか分からなくなる様子を、実際に中学生の目の前で見せ…

第10回アジア水泳選手権

11月に「競泳アジア大会」が東京で開催されることを知った時には、古賀淳也選手の50m背泳ぎ4連覇を見ることができるのかとちょっと興奮しました。 2006年、2010年、2014年とアジア大会で優勝していたからです。 ところが、そちらは「アジア競技大会」で、別…

数字のあれこれ 14 <時間と人生>

今日まで辰巳国際プールで「第10回アジア水泳選手権」が開かれています。 競泳を観戦し始めて12年ほどたちますが、この大会の名前は初めて知りました。Wikipediaによれば、1980年に初めて開催されて、およそ4年に1回開かれていたようです。日本での開催は199…

思い込みと妄想 36 <思いこみから目が覚めて常識に戻るまで30年>

医療ニュースサイトのm3.comに、米国産婦人科学会の「水中分娩に関する勧告改訂」のニュースがありました。 2014年に同学会が「新生児の水中分娩は、適切にデザインされた臨床研究の中でのみ行われるべき実験的な手法と考えられるべきで、つまり結論は『Don'…

世界はひろいな 36 <自分のことは自分でする>

液状乳児用ミルクと「男性の暮らし方・意識の改革に関する専門調査会」という唐突な組み合わせに驚いて、検索してみました。 そのちょっと気恥ずかしくなるような専門委員会の名前を。 2016年10月28日に第一回目の会議が開かれていて、議事録が公開されてい…

乳児用ミルクのあれこれ 37 <なぜ「男性の暮らし方」になるのだろう?>

液状乳児用ミルクが実現しそうというニュースは何か気になるなあと書いたのですが、さらに気になるニュースがありました。 液体ミルク、製品化に数年=政府調査会で乳業協会 政府は14日、「男性の暮らし方・意識の改革に関する専門調査会」の第2回会合を内閣…

散歩をする 5 <夢の島熱帯植物館>

夢の島公園には、もうひとつ行きたかった場所があります。それが夢の島熱帯植物館です。 新木場を通過する時に見える大きな温室に、行ってみたいという思いと、行ったら東南アジアでの生活がよみがえって日本から脱出したくなるのではと南洋幻想へ傾く気持ち…

事実とは何か 19 <「タンパク質が足りないよ」>

一昨日の第五福竜丸展示館で、もうひとつ印象に残った展示がありました。 第五福竜丸はマグロはえ縄船として、遠洋漁業に従事していました。 その航海記録が地図で展示されていましたが、水爆実験の被害にあった太平洋マーシャル諸島だけでなく、インドネシ…

事実とは何か 18 <第五福竜丸展示館>

いつか行こうと思っていた公園に、夢の島公園がありました。 辰巳国際プールや葛西臨海公園に行く途中でいつも見ていましたし、子どもの頃から「夢の島」と言えばゴミの最終処分地だったので、緑地公園になっている風景にいつか歩いてみようと思っていました…

産後ケアとは何か 32 <助産師が『助言』『指導』?>

「産後ママに訪問型ケア 助産師が助言 松戸市」というニュースがありました。 松戸市は今月から、生後4ヶ月未満の赤ちゃんを抱えながら家族などの援助を受けられない母親のため、助産師が自宅に出向いて育児や生活を支援する訪問型産後ケア事業を始めた。 県…

散歩をする 4 <公園で過ごす>

最近の公園は、本当によく整備されていると感じます。 泳いだ後にフラッと立ち寄る公園がいくつかあるのですが、まず驚くのが清掃が行き届いていることです。 午前中に歩くと、きれいに地面が掃き清められているのがわかります。 さっとほうきで掃いた後がま…

散歩をする 3 <公園>

散歩をするようになってから、あちこちの公園に目が止まるようになりました。 歩きながら公園のそばを通過すると、遊んでいたり、ベンチに腰掛けて本を読んだり食事をしている人、ただぼーっと座っている人など、けっこうたくさんの人が利用しています。 た…

水のあれこれ 51 <ストリームライン>

今年もまた、プールではニモたちの季節がやってきました。 小学生だった頃、夏の短期間しか泳げない地域なのにクロールで速く泳ぐ友人がいました。 今のようなスイミングスクールがない時代だったので、どうやって彼女はあんなに上手に泳げるようになったか…

境界線のあれこれ 71 <妄想の見分け方>

人口密度が高いと電車や人混みの中にもいろいろな人がいて、ちょっと緊張することもあります。 携帯電話がスマホに変わり始めた頃だったのでしょうか、スマホの操作をしながら一人でしゃべっている人を見かけるようになりました。病的な独語なのかと、ちょっ…

思い込みと妄想 35 <呼吸についての妄想>

ブログへの検索ワードに「呼吸の始まり」がありました。 「呼吸の始まりと啼泣(ていきゅう)」という記事を書いたので、それを読んでくださったのかもしれません。 その言葉から逆に検索してみて、「ああ・・・」とうなだれました。 新生児の第一呼吸でさえ…

事実とは何か 17 <観察と思いつき、そして思い込みへ>

「仮説」というと学術的で日常生活とは無縁のように感じる言葉ですが、でも普段の生活の中にも思いつきのレベルの仮説がどの人の心の中にもあるのではないかと思います。 人間というのは、常に相手や周囲の状況を観察して行動しているので、小さな行動ひとつ…

10年ひとむかし 17 <小分け調味料>

スーパーの食品売り場を見て歩くのは楽しいですね。 いつも使っている店とは違うスーパーに入ってみると、「なんと!こんな商品があったのか」と驚くことがあって、それもまた楽しみのひとつです。 半年ほど前に、「なんでこれを思いつかなかったのだろう」…

10年ひとむかし 16 <大舞台でも集中する>

今年のFINA競泳ワールドカップを観戦して、「ああ、10年ひとむかしだなあ」と感慨深いものがありました。 12年ぐらい前から競泳大会を観戦し始めたのですが、初めて競泳の国際大会を観戦したのが、2007年に千葉国際総合水泳場で開催されたインターナショナ…

「助産師の開業権とは何か」まとめ

「助産師は開業権がある」 そう教わった助産師が実際にどれくらいいるのかわかりませんが、もしかしたらほとんどの助産師かもしれません。 私が助産師学生だった約30年ほど前、看護師といえばまだ病院・診療所の中で働くことが一般的でした。 そんな時代に、…

助産師の開業権とは何か 11 <「開業」にこだわりすぎたために見失っているのでは>

久しぶりのタイトルですが、2012年のこちらの記事から始まりました。明日にでもまとめを作ろうと思います。 「産後うつ予防、健診2回分助成」のニュースを読んで、詳細はよくわからないのですが感じたことをこちらの記事とこちらの記事に書きました。 正直な…

「産後ケアとは何か」まとめ

「産後ケア」という言葉を耳にしたのはいつ頃だったか記憶にないのですが、周産期看護では認められたかのようなこの言葉も、案外、歴史は短くて定義もされていない言葉だと私は認識しています。 未だに、助産師向けの本にも「産後ケア」の定義も書かれていな…