2015-01-01から1年間の記事一覧

記憶についてのあれこれ 87 <銃が身近にある社会>

「相棒」とか刑事物のドラマを見ていると、「じゅうとうほう違反で逮捕」という場面があります。 正確には銃砲刀剣類所持等取締法というのですね。 1958年(昭和33年)に制定されたので、案外新しい法律なのだとちょっとびっくりしました。 「銃刀法違反で逮…

世界はひろいな 34 <野菜炒めは万能!>

1980年代から90年代にかけて通算3年ほど暮らした東南アジアの某国ですが、首都近郊のレストランの食事はあまり口に合いませんでした。 高い割には食指がすすまないというか、高いから気取りすぎているのかもしれません。 どちらかというと、遠く離れた地域の…

世界はひろいな 33 <なんとな〜く伝わる>

葛西水族園でマグロを見ていた時のこと、背後で懐かしい言葉が聞こえてきました。 私が居候させてもらった東南アジアのある地域の言語です。 日本でいえば標準語に対して方言の位置にある言葉です。 1年ほど住んだだけなので、その言葉をしゃべれるほどには…

記憶についてのあれこれ 86 <病院の引っ越し>

数カ所の総合病院で働いたのですが、そのうち2回、病院の引っ越しを経験しました。 1人で2回の引っ越しにあたるのは、確率としては高い方ではないかと思います。 ちょうど1990年代は、60年代とか70年代に建てられた病院の建て替えが多い時代だったのかもし…

気持ちの問題 16 <プライドというやっかいなもの>

世の中の人間関係のやっかいさのキーポイントが「プライド」なのかもしれないと、親子関係や職場の人間関係などをみてもいろいろと考えさせられます。 ところでこの日本語のようになじんでいる「プライド」って何だと検索してみましたが、頼みの綱のWikipedi…

行間を読む 51 <育児書の流れから考える>

書店にはあまたの妊娠・出産・育児書がありますね。 こちらも定点観測するようにしているのですが、あまりの多さと盛りだくさんの内容に目がチカチカしてしまうので、背表紙を読んで終わりのことがほとんどです。 本やネットでたくさん情報を得ようとする方…

赤ちゃんに優しいとは 9 <赤ちゃんのための情報を伝えるには>

周産期看護というのは、他の看護の分野に比べて「説明する」こと、いわゆる保健指導類の比重が大きいことが特徴かもしれません。 助産師学校ではそういうテキスト類を自分で作ることが多く、驚きました。 妊娠中の母親学級や両親学級のテキスト、入院中のお…

助産師の世界と妄想 19 <おひなまきとおとなまき?>

同業者だから時々助産師に対して辛辣なことを書いていますが、「だから助産師は」と言われれば、「いえほとんどの助産師は謙虚に真面目に働いています!」と言い返したい気持ちにもなり、心は千々に乱れます。 ただ、やはりあまりに情報伝達が偏りすぎている…

赤ちゃんに優しいとは 8 <赤ちゃんや子どもの事故の情報を共有するために>

日本ではスリングがまだ知られていなかった1980年代、私が住んでいた東南アジアのその地域でもスリングで赤ちゃんを抱っこしていました。 たった1枚の布で、こんな便利な方法があることに感心しました。 それから10年ぐらいしてからでしょうか。 東南アジア…

小金がまわる 7 <人の足になる>

1980年代、マイカーは当たり前で、さらに日本国内での交通網が発達して新幹線や航空機の移動も日常的になりました。 あるいは都内でも、地下鉄の延長工事や相互乗り入れが広がり、車を持っていなくても移動がしやすくなりました。 それでもバスといえば大型…

10年ひとむかし 6 <近未来の交通手段>

父の面会に通うようになって、その地域に最近、小型のバスが導入されたことに先日気づきました。 こちらの記事に書いたように、通勤通学の時間帯以外は、大きなバスに数人乗るかどうかぐらいですから、採算がとれないのではないかとこちらが心配になるぐらい…

世界はひろいな 32 <おいしいという言葉がない>

今週で「孤独のグルメ」Season5も終わりで、寂しいですねえ。 夜勤明けで食べたい物も思い浮かばないほど疲れている時に、この録画を観ると「おいしく食べたい!」と復活するのでした。ちょっと食べ過ぎてしまうのですが・・・。 前回の記事で、日本ではまだ…

グアバ

撮りだめしていた国分太一のお散歩ジャパンを観ていたら、10日ほど前の放送でグアバが出ていて、ああなつかしいと思いました。 屋久島フルーツガーデンというところだったと思いますが、そこでジャイアントグアバを食べている場面がありました。 ジャイアン…

小金がまわる 6 <花を買わなくなった>

隣の駅前の花屋さんがいつの間にか閉店していました。 買うことはなかったのですが、通勤の車窓から見える華やかな店頭の色をいつも楽しんでいました。 ほとんど毎日のように見ていたはずなのに、たしか先月ぐらいまではあったはずなのに、別のお店に変わっ…

観察する 5 <「5つの泣き声」でわかる?>

生まれてしばらくは「泣く」ことに家族が振り回され、赤ちゃんを泣き止ませる方法をなんとかしたいと思わせる、やっかいな存在と思われているのが赤ちゃんや子どもなのかもしれません。 そういえば10年ほど前にも、イタリアかどこかの会社が「赤ちゃんの泣き…

気持ちの問題 15 <悩むでも考えるでもなく・・・>

泳ぎに行っている公共のプールでは、時間帯によっては、小学生とか中高年とか、ある対象の人たち向けの水泳教室が開かれています。 更衣室でその参加者の方々と一緒になることがあるのですが、全く見知らない方に話しかけられることもあります。 先日も、「…

記憶についてのあれこれ 85  <記憶に救われる>

十年ちょっと前、これからも病院で働き続けるかどうか悩んでいた時に、かかってきた1本の電話で私の働き方が大きく変わりました。 ずっとご無沙汰していたある方からの電話で、なぜか私を思い出してくださり、「○○で働いてみませんか?」と声をかけてくださ…

世界はひろいな 31 <こんなあいさつもある>

前回の「おまえの村に水はあるのか?」というあいさつをする国があることに、地球の多様な暮らし方があることを感じますね。 日本だったら、「お元気ですか」「お変わりありませんか」とか健康を意識したあいさつや、暑い寒いといった気候のあいさつが多いか…

水のあれこれ 28 <「おまえの村に水はあるか?」>

「サライコム・アラーム」というイスラム教の挨拶について書くために検索していたら、オマーンクラブのコラムの「アラビア語の挨拶」(2013年7月5日)におもしろい話を見つけました。 これが、オマーン人同志の挨拶であれば、引き続いて、「おまえの村に水は…

観察する 4 <「赤ちゃんを一瞬で泣き止ませる方法」>

先日、「赤ちゃんを一瞬で泣き止ます」テクニックをテレビで見かけました。 検索してみたら、「キャリア30年の小児科医が伝授する『赤ちゃんを一瞬で泣きやませる方法』がすごい」が情報の元のようです。 優しく赤ちゃんに声をかけている小児科の先生で、そ…

気持ちの問題 14 <なぜ代替療法が良くみえるのか>

紫雲膏のことをつらつらと考えていたら、ちょうど「カンボジアを癒す伝統医療、再び注目を集める」(朝日新聞デジタル、apital、2015年12月3日)という記事が目に入りました。 祈りや薬草で病気を癒す伝統医療師。内戦が続いたカンボジアでは。ポル・ポト派の…

赤ちゃんに優しいとは 7 <どこまで検証されているかを整理する>

前回の記事で、自宅分娩を介助した助産師の臍の対応方法が書かれた部分を紹介しました。 その部分を再掲します。 臍帯の処置は、清潔保持と乾燥のみで、それ以外は何も行わなかった。日齢7の7時42分に脱落した。助産師の助言で、紫雲膏(漢方系の軟膏)を1…

赤ちゃんに優しいとは 6 <普遍的なものと助産師の思い込みのはざまで>

前回に続き、 「新生児ベーシックケア」(横尾京子氏、医学書院、2011年)の「自宅出産で生まれた新生児:Mさんの体験から」について考えてみようと思います。 今回は出生後から1ヶ月までの部分です。 計測後、産着が着せられた。その産着は夫がかつて着た産…

赤ちゃんに優しいとは 5 <「自宅出産で生まれた新生児:Mさんの体験から」>

「新生児ベーシックケア」(横尾京子氏、医学書院、2011年)の「出生後24時間以降、新生児早期のケア」では、「高ビリルビン血症(黄疸)のスクリーニング」「排泄の適応とアセスメント」「母乳育児支援」「皮膚のケア」「新生児マススクリーニングと聴力スク…

赤ちゃんに優しいとは 4 <「家族中心」とは「自宅のような」の同義語なのか>

「新生児ベーシックケア」(横尾京子氏、医学書院、2011年)の内容について続きます。 なぜこの本をこうして記事について書いているかというと、「『医療を使わない助産』のようなものの幻想と幻滅」の記事の最後に書いたように、1980年代終わりごろに私が助…

赤ちゃんに優しいとは 3 <「新生児を1人の人間として尊重する」とは>

前回紹介した「新生児ベーシックケア」(横尾京子氏、医学書院、2011年)の中に、「新生児ケアの視点」(p.20~)として「新生児を1人の人間として尊重する」「家族中心の新生児ケア」「生理的に逸脱しないよう予防的ケアを行う」の3つの考え方が書かれていま…

赤ちゃんに優しいとは 2 <「家族中心のケア」って何だろう?>

今回からしばらくは、「新生児ベーシックケア」(横尾京子氏、医学書院、2011年)を参考にしてみたいと思います。 私が1980年代終わりに助産学生だった頃、都内にもまだNICUは数えるほどしかなく、そのうちのひとつの産院でNICU実習をさせてもらった記憶があ…

観察する 3 <子どもを観察する>

平日の葛西臨海水族園でしたが、小さい子どもを連れた家族や、保育園の遠足など子どもたちがたくさんいました。 3歳ぐらいなのに、「フンボルトペンギン」の名前を知っていたり、子どもたちなりの視点で展示されている生き物を見ていろいろな感想が飛び出し…

観察する 2 <ペンギンの泳ぎを観察する>

マグロの悠々とした泳ぎを見た後は、人間臭く感じるペンギンです。 ぶつかり合って、もみくちゃになりながら水槽の中を行ったり来たりしている様子は、スクランブル交差点の人間のようです。 葛西水族園の「ペンギンの生態」の水槽では、ペンギンの水中での…

観察する 1 <水族園・・・観察する機会>

葛西臨海公園の海辺でぼーっとした後は、やはり水族園です。 前回の記事で紹介した東京建設業協会のサイトで、なぜ「水族園」になったかの理由を知りました。 葛西臨海水族園は、水族館ではなく「水族園」である。それは建物としての水族館という既存の概念…