2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧
「母乳育児」という表現がここ十数年ぐらいで広がったのとともに、より正確な医学的知識が確立された部分もあります。 そのひとつが、「母乳と薬」に関してです。 以前は、授乳中のお母さんが他科を受診して内服薬などが処方されると、その間は「おっぱいを…
20歳前後までけっこうむし歯になることが多く、1年に一回は歯科に通っていた記憶があります。 早期に受診するので、表面だけ削って金属を充填する治療でした。 友人の中にはほとんどむし歯のない人もいたのに、毎食後きちんと歯を磨いていてもむし歯になる…
先日の記事にべべごんさんからいただいたコメントにこんなことが書かれていました。(べべごんさんありがとうございます) 昔は小学生ぐらいまで飲んでた子もいたのよ〜なんて聞いた事もあったり、歯医者さんには寝るとき飲むと虫歯になるから早く止めた方が…
1ヶ月前後ぐらいまでの新生児期で、ミルクをあげている場合の悩みが「飲み終わったのにぐずっている」「まだ3時間たっていないのに欲しがる」といったあたりかもしれません。 ミルクをあげすぎてもいけないからと、このあたりでお母さん達はいつのまにかつ…
当然過ぎるのですが、断乳も卒乳も母乳栄養に対して使うことが前提にある言葉です。 母乳授乳に関して必要から生まれた言葉なのですが、乳離れと同義語ぐらいの認識でした。 「母乳育児支援スタンダード」(NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会、…
経産婦さんに「上のお子さんが母乳をやめた時期はいつ頃で、どんな感じでしたか?」とよく質問するのですが、驚くのは大半の方が「記憶にない」という答えが返ってくることです。 せめて「何ヶ月頃までは吸わせていた」ぐらいは覚えているかと期待するのです…
自分自身の思考を形作ってきたのは、どのような言葉やきっかけがあったのだろうと思い返す作業を「記憶についてのあれこれ」や「行間を読む」などに書いているのですが、自分が「考えていた」と思っていたのはむしろ感情で取捨選択していたに過ぎなかったと…
前回の記事の最後の部分で「失敗に学ばない」という言葉を使いました。 日頃、なんとなく「失敗に学ぶ」とか「失敗に学ばない」という表現を使っています。 ところが、本当にその失敗について学問があり学会があることを知ったのは、2011年3月の福島原子力発…
うさぎ林檎さんの12月22日22:47のtweetから「書け」と指令がきたような気がして、「芸能人にも多い『自宅出産』は危険?母になる前に知っておきたい命のリスク」という記事を読んでみました。イギリスで自宅分娩を試みたけれども病院に搬送され、児は重症新…
もし跳び箱があの3分の1ぐらいの長さだったら、あるいは別の種目との選択制だったら、私も体育を不得手だと思わなくてすんだかもしれません。 ところで跳び箱って誰が考えていつ頃から使われたのだろうと、いつものWikipediaからです。 19世紀初頭、空間で…
ここ数日の寒波で各地の大雪のニュースが流れています。この大雪の風景を見ると、いつも蘇ってくる場面があります。 1980年代初めの20代の頃、日本でもスキーが流行しました。 私もスキーをしてみたくなり、何年も前から関東の有名なゲレンデを制覇するくら…
私の体格は同世代、50代の日本女性の中では後ろから3分の1ぐらいです。 さらに身長が伸びた若い世代に比べると小さくなりましたが、まあ日本の中では中肉中背より少し大きいという感覚でした。 ところが1980年代から東南アジアで暮らした時には、私は現地…
水仙の花というと1月から2月頃の寒さが最も厳しい時期に咲いて、寒い中にも春が近づいて来た希望を感じさせます。 水仙も昔ながらの清楚なニホンズイセンだけでなく、すこし華やかな西洋スイセンなど種類も増えて楽しませてくれます。 フワッと漂う香りもま…
父が入院したので最近、実家の近くへ頻繁に往復しています。 通常は朝早めに出て午後早いうちに戻るようにしているのですが、先日は少し遅い時間の面会になってしまいました。 病院を出たのは夕方五時半だったのですが、冬ですからもうあたりは真っ暗でした…
東日本大震災の時に、どこからともなくネット上で「哺乳瓶は使わないで」「新生児でも紙コップでの授乳が可能」といった情報が伝わってきて驚いたことはこちらの記事で書きました。 たしかに「哺乳瓶を使わなくてもミルクを飲ませることができる」というの…
「離乳食(補完食)」という記述を目にするようになって、「離乳食=補完食」で呼び方が変わっただけなのかと最初は受け取っていました。 ところが2007年に厚生労働省から出された「授乳・離乳の支援ガイド」にも「補完食」という言葉は使われていません。 …
少し間があきましたが、「母乳育児という言葉を問い直す」の続きです。 「母乳育児」という言葉の広がりとともに、新たに耳にする言葉が増えました。 そのひとつに「補完食」があります。 「離乳食(補完食)」とした記述もあれば、「離乳食と補完食は別であ…
最近、刑事物のドラマにはまっています。 なんといっても再放送を何度も録画してみる「相棒」ですが、「科捜研の女」もおもしろいと思います。 前者はどちらかというと推察のおもしろさですが、後者は事実をどうとらえるかという点で考えさせられることがあ…
ここ10年ほどで、一気に両親との関係が「介護する側」と「介護される側」の関係になりました。 子どもが親を見守る側に逆転したという感じです。 日常生活の様々なこと、たとえば食事や室内の温度、衣服や清潔など、それまでは自分でできていたことがだん…
「助産師の『開業権』とは何か1」に書いたように、私が助産師になった二十数年前、「正常なお産は医師がいなくても助産師だけで介助できる」ということを助産師の誇りであるかのように教わりました。 1980年代から90年代に私が働いた総合病院では、経過に…
「育児」とか「子育て」という言葉になにかしっくりしない感覚があります。 かといって他に日本語では表現しようがなくて、日常ではこのどちらかを使っています。 たとえば周産期ケアの中でも、産後の看護目標の中で「育児技術の習得ができる」といった使い…
周産期医学や周産期ケアの中で「母乳育児」という言葉が使われ始めたのですが、その明確な定義は無いようです。 「小児内科 特集 母乳育児のすべて」(東京医学社、2010年)には、冒頭の記事に「母乳育児とは」が書かれています。 その冒頭はこんな文章から…
「あまり理論化を急がないほうがよい」で鶴見良行氏の言葉を紹介しました。 もう一回こまかな事実をきちんと出していくことが重要なので、あわてて理論とか構造とかを立てる必要はないと思うのです。 理論化や方法論化を急ぐと、新たな言葉がたくさん生み出…
数年前にkikulogというニセ科学のサイトに出会い、目の前が開けるような感覚がありました。 と書くと、なんだか新興宗教との出会いかなにかのようで危ないのですが。 現在はコメント欄が閉じられてしまっているのですが、そのコメント欄のやり取りを読みなが…
犬養道子さんの本に書かれていたもうひとつの言葉、「どうぞ」もけっこう使える言葉だと思っています。 でも簡単そうなこの一言ですが、この「どうぞ」の一言を言えるようになるのにはその場の状況を判断できるからこその一言なのではないかと思います。 <…
今日もまだ道徳のようなタイトルですみません。 最近、両親の心身の不調があいついで、お世話になっている施設の方々に「お手数をかけてすみません」と頭を下げっぱなしです。 あるいは自分の勤務先にも、突然の勤務変更をお願いすることになるかもしれない…
なんだか道徳っぽいタイトルですが、30年ほどまえに犬養道子さんの本の中で出会った言葉です。 「どうぞとありがとう。この二つの言葉があれば世界中のどこでも生きていくことができる」 そんな内容だったと思います。 私の両親は、外出してもお店の人や周囲…
「香辛料はどこからきたか」で紹介した「道のアジア史 モノ・ヒト・文化の交流」(同文舘、1991年)は、1987年に上智大学のコミュニティカレッジで行われた講義内容をまとめた本のようです。 その中の鶴見良行氏の「マカッサル海道」で、そうそうこれが周産…
最近、小田急線を使うことが多いのですが、多摩川を超えて神奈川県に入ると皇帝ダリアがあちこちで咲いている風景に出会います。 数年前に初めてこの花を知った頃に「寒さに弱い」と聞いていたことと、ダリアという名前から、なんとなく夏から秋ぐらいに咲い…