2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

記憶についてのあれこれ 38 <思い出させることが良いのだろうか>

先日、テレビをつけたらNHKの「くらし☆解説」の「認知症 音楽で笑顔を」という番組が放送されていました。 「若い頃のことなんて忘れたわ。90になるのだもの」と話していた90代の認知症の女性に、昔好きだった音楽を聴かせたら表情が明るくなり、子ども…

FINAワールドカップ東京大会がなくなってしまうのが残念

FINAワールドカップは熱戦でした。 昨年の大会と同じく、カテインカ・ホッスー選手の圧倒的な強さが印象的でした。1日に何種目もの決勝に参戦して、世界記録級の泳ぎをみせるあの強さはどこからきているのだろうと思います。 それ以外にも、ロンドンオリン…

行間を読む 29 <犯罪者のように扱われたのか>

西アフリカの医療救援から帰国したアメリカの看護師が、帰国後に隔離されたことを批判するニュースを読みました。 AFPニュースの「西アフリカから帰国の米看護師隔離で「犯罪者扱い」と当局批判」(2014年10月26日)という記事です。 この看護師は「国境なき…

世界はひろいな 19 <アボカド>

今回も野菜と果物の境界はなんだろうという夏休みのやり残した自由研究のような話です。 野菜でもあり果物でありと思い出したココナッツやジャックフルーツのこと、あるいはシシトウは野菜か香辛料かということを書きました。 今回は、アボカドです。 私が初…

競泳と受動喫煙

10月28日、29日と、辰巳の国際プールでFINAスイミングワールドカップが開催されます。 このワールドカップは短水路(25m)の大会ですが、今年は通常2月に開催される日本選手権(25m)も兼ねているようです。 競泳大会を観るようになって10年以上…

接遇のあれこれ 6 <日常生活へ切り込む>

「サービス」、日常的に使われ日本語の一部になっているかのような言葉ですが、wikipediaによれば経済用語のようです。 サービスは経済用語において、売買した後にモノが残らず、効用や満足などを提供する、形のない財のことである。第三次産業が取り扱う商…

助産師の世界と妄想 14 <何言ってるんだろう?>

今朝も朝早くから目が覚めたので昨日のうさぎ林檎さんのtwitterを読んでいたら、「書け」と指令が来たような気がしました。 「大学ジャーナル」というサイトの「自分を太くしよう!しんどい場面から逃げない、自立した看護師を育てたい」という記事です。 医…

記憶についてのあれこれ 37  <「満足のいく」医療とは>

30年あまり医療機関での仕事をしてきて、たくさんの場面が思い浮かびます。 手足も震えるような恐怖感と緊張感の中で救命できたことや、生死をさまよった方が元気に日常生活に戻られた時の喜びや、反対に無念さで思い出すのも辛い場面などあります。 その…

接遇のあれこれ 5 <「サービス・接遇」が医療に取り込まれた時代>

「接遇」という言葉が医療の中でも聞かれるようになって、研修も行われるようになりました。 私も1990年代終わり頃だったと思いますが、勤務していた総合病院での院内研修に参加したことがあります。 講師は元キャビンアテンダントでした。 たしかに客室乗務…

記憶についてのあれこれ 36 <ワクチンとコールドチェーン>

コールドチェーンという言葉をご存知でしょうか? 日本では医療分野よりも、食品分野のほうが使われている言葉かもしれません。 wikipediaのコールドチェーンには以下のように説明されています。 生鮮食品や医薬品などを生産、輸送・消費の過程の間で途切れ…

行間をよむ 30 <「保健指導」という言葉>

1990年代頃から、仕事の中で使う事をためらうようになった言葉があります。 それは「指導」という言葉です。 医療現場、特に看護には「指導」とつく用語がたくさんあります。 「退院指導」はどの科でもありますし、産科でいえば「沐浴指導」「授乳指導」「栄…

接遇のあれこれ 4 <「クレームを招きやすい」状況>

wikipedia の接遇の説明に「クレームを招きやすい事例」として、「『です・ます』体が使えない」「注意するときの言葉遣い」「無作法」の3点があげれられています。 たしかに医療現場でもこちら側の言動が相手の感情を刺激してしまい、相手の振り上げた拳を…

接遇のあれこれ 3 <「接遇」という言葉が聞かれ始めた時代>

ここ数年、両親の受診に付き添う機会が増えたので、あちこちの医療機関に行くようになりました。 その中で、特に30代ぐらいの若い医師や医療スタッフに物腰の柔らかい人が増えたと感じます。 高齢者に対して丁寧に声をかけ、話を聞いています。 仕事柄、「…

記憶についてのあれこれ 35 <予防接種とCDC>

看護学生の頃、なかなか覚えられない疾患が小児感染症でした。 特に予防接種が必要な疾患になると、潜伏期や症状そして感染力がなくなる期間など、何度教科書を読んでもすぐに忘れてしまうので、実は小児科は苦手でした。 大きな声では言えないのですが、今…

接遇のあれこれ 2 <高度な専門技術に会話のスキルも求められる>

「ナニコレ珍百景」という番組で、たまに歯科医院のナニコレがあります。 診療中に歌ったり踊ったり、あ、踊ったりはなかったでしたっけ。 でも治療中の患者さんの苦痛を軽減するための演出を売りにしているところがあるようで、最近の医療はほんと何でもあ…

接遇のあれこれ 1 <技術に集中するだけではない仕事>

美容室を選ぶポイント で「ずっとしゃべり続ける」美容師さんは避けたいと書きましたが、これはあくまでも私の好みの問題で、反対に「美容師さんとずっとおしゃべりしていたい」「美容室でのおしゃべりが楽しみ」な人もいるのではないかと思います。 時には…

境界線のあれこれ 53  <野菜と香辛料>

シシトウは天候がうまくいけば野菜になり、高温や乾燥の日が多ければ香辛料のような辛さになってしまう、栽培される方々には賭けのような作物なのですね。 以前、野菜と果物の境界線を考えましたが、野菜と香辛料の間も明確ではないものがたくさんあるのかも…

記憶についてのあれこれ 34  <シシトウはいつから辛くなったのか>

先日、一袋に30個ぐらい入ったシシトウがなんと100円で売られていて、嬉々として買って帰りました。 シシトウのあのさわやかな味が好きで、シシトウが安く出回る時期になると山のように食べていました。 ここ数年ぐらいやたらと辛いシシトウにあたる事…

美容室とマッサージ

美容室の話が続きますが、新しく出会ったお店で最初に伝えた事がありました。 「シャンプー後のマッサージは不要です」と。 もともと肩こりもないしマッサージとも無縁の生活であることと、人に体を触られるのはどちらかというと苦手です。 ただ今まではなん…

記憶についてのあれこれ 33 <美容室の変化>

前回の記事を書いていたら、高校生だった1970年代の「美容室」からの変化がいろいろと思い出されてきました。 一番の変化は、美容室に男性がいることが当たり前になったということかもしれません。 高校生の頃の美容室といえば、美容師さんも女性だけ、…

 記憶についてのあれこれ 32 <美容室難民>

半世紀ちょっと生きて来た中で一番多く会う機会があった専門職というと、もしかしたら美容師さんかもしれません。 小学生までは母親が家で散髪していたので、ちびまる子ちゃんのような髪型でした。 初めて美容室に行ったのは中学生になってからだったように…

新生児のあれこれ 47  <新生児の啼き方を客観的に表現することは難しい>

久しぶりの「新生児のあれこれ」です。 このシリーズはここから始まりました。 毎日、新生児に接して二十数年。 延べ人数にしたら、何万人いや何十万人の新生児になるのでしょうか。 まあ、自分が新生児のことをわかっているつもりで思い込んでいれば、数を…

産後ケアとは何か 27 <激しく泣く赤ちゃんを育てるお母さんへのケア>

出産して2か月になる豆腐メンタルさんから、9月21日と10月17日にコメントをいただきました。 豆腐メンタルさん、ありがとうございます。 そしてご本人の了承なしに本文で紹介することをお許しくださいますように。 豆腐メンタルさんのご相談は次のような赤…

助産師の世界と妄想 13  <野心的研究課題>

こちらの記事で紹介した中に「野心的研究課題」という言葉がありました。 これらは野心的研究課題ではありうる。しかし現時点では根拠は希薄である。筆者らに欠けているのはデーターに対する批判的な視点である。 いやあ、あるある。 助産師の世界ってそれだ…

思い込みと妄想 8 <お産トラウマというNHKの造語>

200年前の医学のレベルではいざ知らず、現代では荒唐無稽な話であると明らかになっても根強く残るホメオパシーも、「社会や人が求めるわかりやすい答え」が巧みに取り込まれているからいつまでも話題として蘇ってくるのでしょうか。 そのホメオパシーの動…

思い込みと妄想 7  <社会が求めているわかりやすい答えとして妄想話ができあがる>

いつも参考にさせていただいている「食品安全情報ブログ」ですが、2014年6月24日の「その他」に「私たちは本当にシャワーカーテンが体重を増やす原因があることを心配しなければいけないのか?」というタイトルがありました。 「シャワーカーテンが体重を増…

行間を読む 28 <「積みすぎた方舟」>

こちらの記事で、上野千鶴子氏の「ケアの社会学」(太田出版、2011年)から引用した部分に、「積みすぎた方舟」という言葉があります。 検索すると、「積みすぎた箱船」と「積みすぎた方舟」のふたつがあって、前者はイギリスの動物学者による西アフリカでの…

境界線のあれこれ 52 <認知することと誤って認知すること>

二交代の夜勤がある仕事なので、天気予報は頻繁に確認しています。 出勤時と帰宅時では、天候も気温も大きく変わる可能性があるからです。 特に気温の変化の激しい時期は、出勤する日は夏のような服装でも帰る翌日には冷え込んだりするので、何を着るか予定…

境界線のあれこれ 51 <煙とにおいの境界線>

たばこのにおいと感情で書いたように、たばこのにおいは客観的な方法でその程度を示すことができないので、議論も感情的な部分での応酬になりやすいのかもしれません。 ここ20年ほどで分煙や禁煙が進み、喫煙される人のマナーも格段によくなり周囲を気遣っ…

たばこのにおいと感情

最近、老化によって体の機能が低下しているテーマが多いブログですが(笑)、嗅覚だけは反対に敏感になっているのではないかと感じるこのごろです。 昨日の記事で、1990年代までは電車に乗るのもたばこの煙とにおいで大変だったことを思い出しました。 電車…