2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

イメージのあれこれ  24 身土不二

「身土不二」 この言葉を知ったのは、助産師の中に広がる自然療法に疑問を感じていろいろ考え始めた10数年ほど前のことでした。 こちらの記事に書いたように、doramaoさんのブログのおかげでこの言葉の出どころを知りました。 「自然を破るもの、即ち身土不…

散歩をする 107 香取海を見る

暮れも押し詰まった頃に利根川河口を見に行きましたが、案外、銚子まで近いとわかりました。 そして、1月半ば、再び日の出前に家を出て電車に乗ったのでした。 今回の目的地は香取海です。 以前から地図を眺めては、霞ヶ浦あたりの湖がたくさんある場所にい…

存在する 16 会話に「私」が入り始めた

最近、ちょっと気になっています。 「自分は」と、話し言葉や文章に使う人がちらほらといることに。 違和感を少し感じる反面、悪くはないかなと思っています。 私にとっては、「自分は」と自身のことを表現する人というのは、警察や自衛官など集団の訓練の中…

 10年ひとむかし  45 摩天楼

上野動物園での楽しみは、不忍池を眺めて定点観測をするという口実でビールを楽しむことです。 先日も本郷台地を歩く前に、風がやんで陽だまりは暖かかったのでしばしの休憩をしました。 午後2時ごろです。 何度かこの時期のこの時間にも来ているのですが、…

散歩をする 106 本郷台地を歩く

1月に入って晴天だけれどちょっと寒い日、そうだひとり立ちしたシャンシャンに会いに行こうと思い立ちました。待ち時間をチェックすると「約20分」です。さすがに、風が冷たい日には並ぶ人が少ないようです。 あんなに転げ回っていたのに、どっしりと座って…

イメージのあれこれ  23 村八分

現代の村八分というと昨日の記事のように、「田舎と移住者」のような新旧の価値観の相違からくるかのようなイメージがありますが、案外、そうでもないと両親の経験から考えています。 両親が40年ほど前に家を建てたのは水田を宅地にした新興住宅地で、10戸ぐ…

事実とは何か  57 「村八分訴訟」

先日、移住先の村で村八分にされたと損害賠償を起こした方のニュースがありました。最初の頃のニュースは、「田舎と移住者」という視点が多かったのですが、西日本新聞はもう少し詳細が伝えられていました。 「村八分訴訟」衝突の原因はどこに?【大分県】 …

運動のあれこれ 26 「平成の助産師会革命」

なんで革命なんて言葉について書き始めたかというと、昨年、偶然目にした日本助産師会出版の出版物に「平成の助産師会革命」を見つけ、それ以来「革命」とは何か行きつ戻りつ考えていたのでした。 私自身は日本助産師会とはほぼ無縁できたのですが、2004年の…

記憶についてのあれこれ 137 革命の前後

「革命」の意味で引用した日本大百科全書(ニッポニカ)の「革命の歴史」を読んで、そこには書かれていないけれど、1980年代前後の東南アジアや中南米も激動の時代だったなあと思い返しています。 1980年代半ばに私が暮らしていた国も、革命のような時期があ…

運動のあれこれ 25 「革命」の意味

「あ〜」とか「う〜」っといった喃語から、私が初めてしゃべった言葉は何か聞いたことがないのですが、数十年生きていると本当に数多くの言葉を覚えたり聞いて過ごしてきたとふりかえっています。 青年期のように新しい言葉を吸収していくだけでなく、同じ言…

10年ひとむかし 44 その言葉が使われ始めた時代

犬養道子さんの「お嬢さん放浪記」は、私が初めて手にした1980年代は中央公論社から出版されていました。 40年ぶりぐらいに購入したものは、角川文庫から昨年2018年7月に出版されたものです。そういえば最近、中央公論社という名前を目にしないと思っていた…

散歩をする 105 芝公園から新橋へ

母へお土産を買おうと思った岡山のアンテナショップは新橋駅の近くにあります。 電車で新橋へ行けば便利ではあるのですが、せっかくなのでどこからか歩いて新橋へ向かおうと地図を眺めました。 青山上水があった場所から芝給水所まで歩いたり、日本経緯度原…

10年ひとむかし 43 言葉の半世紀

昨日紹介した犬養道子さんの「お嬢さん放浪記」で、もう一つ「こんな言葉に出会っていたのか」と読み返した場所がありました。 1940年代終わりの頃、犬養さんがロサンゼルスから東部に住む友人を訪ねようと列車に乗ったのですが、大統領演説のために大勢の人…

行間を読む 75 誰と出会うか、どんな言葉と出会うか

昨年11月に犬養木堂記念館を訪ねてから、犬養道子さんの本に出会った頃に読んだ本をもう一度読みたくなって買い求めました。 犬養さんの本で最初に読んだのは、「幸福のリアリズム」でした。 いつ頃からか、「自分が生きていることが現実なのか幻なのか変な…

イメージのあれこれ  22 地味に花が咲き実になる

晩秋というより冬に入った頃、散歩をしているとどこからともなく甘い香りが漂ってくることがあります。 ただ、においそのものを言葉で表現するのも難しいので、「あの香り」が何からくるのかたどり着くのは結構時間がかかりました。 なんと、びわの花だとよ…

10年ひとむかし 42 寒さに強くなったのか

10年ぐらい前に初めて気がついた皇帝ダリアですが、最近はあちこちで見かけるようになりました。 11月に訪れた岡山でも、庭や畑のすみ、あるいは公園でたくさん目にしました。 ダリアが好きだった祖父が生きていた1990年代には、もう植えられていたのでしょ…

気持ちの問題  55 自分が生まれ育った土地への思い

分娩施設で働いていると、時々、「〇〇ちゃんはここで生まれたんだよ」という会話に遭遇します。 もちろん、その子は全く記憶がないのですが。 幸いにして、私が生まれた病院もまだ都内にあります。いつか、その前まで行ってみようと思いながらなかなか機会…

競泳ワールドカップ2018

テレビ朝日が、昨年末に中国で開催された競泳ワールドカップ2018年のまとめを「GEt SPORTS」で放送してくれました。 25mの短水路での試合が各地で開催され、最後にこの世界大会になるのですが、こちらの記事に書いたように2011年から東京大会も開かれていて…

ケアとは何か  28 相手を褒め称える

「褒める(ほめる)」は日常的な言葉ですが、「称える」になるとあまり使わないので読めないかもしれませんね。 今日のタイトルは「ほめたたえる」です。 唐突ですが、散歩をしている時には、地形とか風景や道ばたの植物だけでなく、人の言動も観察していま…

水のあれこれ 93  水が地形を作る

房総半島は、1990年代に私が行き来した東南アジアのある地域に似ています。 入り組んだ海岸沿いを車で走ると突然集落が現れ、川を中心にして人が生活をしていました。 きれいな水が山の方から流れてくるので、私も川で沐浴をしていましたし、川の周辺の集落…

散歩をする 104 房総半島を回る

房総半島を横断した後、まだ一度も行ったことがない外房を見たいと思い立ちました。 数日もしないうちに、また朝早く家を出て千葉に向かう電車に乗りました。 天気は快晴、年末の人の少ない時期なのか電車はがらがら。絶好のお散歩日和です。 千葉駅から外房…

散歩をする 103 漁港を歩く

20代半ばに東南アジアのある国に住んで以来、海が身近になり、日本で生活しているときには近づくこともなかった漁村や漁港に毎日のように出かけていました。 最初の頃は、魚を買いに行ったり離れた場所へ行くのに漁船を借りるためで、漁村は生活に欠かせない…

食べるということ  33 「戦地で食べたビーフン」

撮り溜めていた「相葉マナブ」を観ていたら、「戦地で食べたビーフン」が富士宮焼そばの誕生につながったという話がありました。 たしかに、Wikipeidaの富士宮焼そばの「起源」が書かれていました。 戦後の食糧難の時代に創業者の望月晟敏が戦地で食したビー…

水のあれこれ 92 <浮上する>

最近、散歩や小旅行に比重が移ってしまい、水族園や動物園あるいは植物園で定点観察する時間が減っていました。 そうだ久しぶりに、といっても2ヶ月ぶりくらいでしょうか、葛西臨海水族園へ行こうと思い立ったのが年末最後の開園日でした。 案外、ふだんの…

記憶についてのあれこれ 136 <らい病とハンセン病>

予防接種とCDCに書いたように、1980年代半ば、ベトナム難民キャンプでハンセン病の治療プログラムも私の担当でした。 「チックグウ(予防接種)の部屋」として子どもから恐れられていた私のオフィスでしたが、大人もあまり好んでいなかったかもしれません。 …

事実とは何か 56 <「事実という言葉は悲しいかな"非事実"ということを保ち持つ」>

優生保護法に関する記事を最初に読んだ時に感じた違和感が、少しずつ見えてきました。 記事の前半の、「優生保護法は『新兵器』のようなものだった」「結核患者も子どもを産むなと言われた時代」から、記事は一転して「気づいたら産まなくなっていた」「『産…

記録のあれこれ 26  <優生保護法に関する記事>

ネット上の記事というのは、大手出版社でも忽然と削除されることがあるので、自分の忘備録のために記録に残しておこうと思いました。 現代ビジネス(講談社)、2018年12月28日の記事です。 「私はこの世にいなかったかも・・・不妊手術を強制した旧優生保護…

記録のあれこれ 25 <事実を書き留める仕事>

「私はこの世にいなかったかも・・・不妊手術を強制した旧保護法の恐怖 現在の少子化につながる国策の失敗」(河合蘭氏、現代ビジネス、2018年12月28日) 偶然、目にした記事でした。 私が助産師になった1980年代終わり頃にはまだ「優生保護法」だった法律が…

小金がまわる 13 <高齢者のおこずかい制度>

年末にふとつけたテレビで、高齢者施設で高齢者が働いて賃金を得るという方法を模索しているニュースを観ました。たしかテレビ朝日だったと思います。 ある施設では高齢者が野菜を栽培して近くのお店へ売るという方法で、こずかい程度のお金がその高齢者へ支…

世界はひろいな 48 <房総の地名は何の記録なのか>

電車に乗って今までに行ったことがない街を歩くと、似ているような風景でもその背景はまったく異なるのだということが少し見えてきました。 たとえば最近は、どこでも同じような商業施設ができて街の風景も似ています。あるいは車窓からみる郊外の田園風景も…