行間を読む 213 近江鉄道日野駅と日野商人

近江日野商人の街並みが残る場所までバスを利用することにしました。 バスの時間まで少しあります。 駅舎のそばに日野駅鉄道資料展示室があるのに気づき、立ち寄ってみました。 日野駅 鉄道ミュージアム 日本最古級の現役木造駅舎 100年の歴史を未来につなげ…

散歩をする 516 日野商人街道へ

いよいよ今回の散歩も最終日で、また漆黒の夜空が少しずつ明るくなっていく様子を眺めていました。うっすらと明るくなるとものの1~2分で山の形が見え始め、15分ぐらいで家がだいたい見える明るさになりましたが、この刻々と変わる空の色を言葉で表現できない…

水のあれこれ 369 川なのか水路なのか、白鳥川

岩倉コミュニティ水防センターの歴史はわからなかったのですが、ここにも隅に東屋がありました。 座ると、先ほど歩いてきた下羽田地区の田んぼがずっと広がっているのが見えます。 ああ、なんと美しく落ち着いた風景でしょう。一日中いや一年中でもここに座…

散歩をする 515 近江八日市から岩倉コミュニティ水防センターへ

五個荘地区を訪ねたあとのニッチな散歩の計画は、近江八日市の近江清水地区の水路沿いを歩いたあと、近江鉄道市辺駅まで電車に乗り、そこから山に挟まれたところに水路が複雑に描かれている岩倉コミュニティ水防センターのあたりまで歩く予定でしたが、お腹…

水のあれこれ 368 「享保の川奉行の掟」のある清水川

五個荘の街並みと田んぼと水路はもっと時間をかけてみたかったと、後ろ髪をひかれながら国道石塚バス停から近江八日市駅に向かいました。 県道209号線沿いに走り、東海道新幹線の高架橋を過ぎるとじきに左手は広い水田地帯、右は小高い山が迫ってくる場所に…

記録のあれこれ 180 五個荘から水路をまわるニッチな散歩の計画

今回の散歩でもっとも悩んだのが、五個荘を訪ねたあとどこへ向かうかという2日目午後の計画でした。まあ楽しい悩みでしたけれど。 ひとつの案は、琵琶湖沿岸の干拓地を歩こうかというものでした。 愛知(えち)川をたどると、河口付近の右岸に水路でぐるりと…

生活のあれこれ 52 「三日天気が続けば、はねつるべ」

愛知(えち)川流域の田んぼに水を行き渡らせるようになった1972(昭和47)年の永源寺ダムについて、「水土の礎」にこんな話がありました。 9. 永源寺ダムとほ場整備に感謝 愛知川右岸愛荘町東円堂地区には明治時代、東円堂では「三日天気が続けば、はねつ…

米のあれこれ 89 段丘の上の五個荘の田んぼ

とびとびになりましたが、また3月中旬の散歩の記録です。 新幹線で広々とした入江干拓地を通過したあと、小高い場所に挟まれた場所を抜けるとまたしばらく広大な水田地帯が車窓から見えます。そしてまた小高い山が近づくあたりで美しい日本家屋の五個荘の集…

鵺(ぬえ)のような 29 「先進国」とか「新しいこと」への焦り

これだけマイナンバーカードについての問題が明確になってきても、いまだに「新しいことに適応できない人がデジタル化を遅らせる」という意見が書き込まれると、あ〜あという感じ。 「デジタル敗戦」とか「デジタル後進国」といった言葉で「遅れていく」とい…

記録のあれこれ 179 マイナンバーカードの「法的なリスク」

6月22日まで行われた厚労省の「健康保険証の交付義務を削除する省令改正案のパブコメには5万件をこえる意見が寄せられたとあったので、きっとさすがに現行の健康保険証の廃止は見直されるだろうと思っていました。 ところが、さらに「紙の介護保険証廃止を検…

落ち着いた街 54 五個荘の田んぼと商人の街並み

「地域用水」の案内図を見ることができて、地図から見つけた散歩コースはなかなかいい線かもしれないとうれしくなりながら、南西へと向きを変えて歩き始めました。 ずっと平地が続いていますが、車窓から見た時の「琵琶湖沿岸の平地」の印象よりは、実際に歩…

水のあれこれ 367 「地域用水」

私の20代ごろからの「伊藤忠」のイメージとは違った歴史を知り、豊郷駅から再び近江鉄道に乗りました。 並走する新幹線の線路は盛り土の区間が続いていましたが愛知川(えちがわ)の手前から高架橋になり、そのあたりから近江鉄道は南西へ曲がって新幹線から…

行間を読む 212 「近江商人」

新幹線の車窓から「近江商人発祥の地」を見たのはどのあたりだろうと地図を眺めていると、近江鉄道五箇荘駅の近くに「近江商人博物館」があるようなのでこの辺りだったのだろうと見当をつけました。 安土城の近くの繖(きぬがさ)山の東側が五個荘で、航空写…

記録のあれこれ 178 豊郷病院と伊藤長兵衛

いよいよ2018年以来の宿題である近江商人の街へ向かいます。 旧中山道沿いの落ち着いた街並みと田んぼを眺めながら近江鉄道高宮駅に到着しました。 ここから前日乗った多賀線が分かれ、その向こうに東海道新幹線の高架橋が近づいて、犬上川を渡るとしばらく…

生活のあれこれ 51 「普通に暮らしている人」がいきなり住めなくなる

「人々が普通に暮らしていけるような政治」の記事の中に、「原点は『庶民の住宅』」という箇所があります。 新しい首相が「少年時代を過ごした」のは「一軒家を左右対象(原文のママ)に中央で区切った、典型的な『庶民の住宅』でした」とキャプションのつい…

シュールな光景 38 「積み木で家を建てる」か「積んだ積み木を崩す」か

7月7日は自宅から遠く離れたとある地域の湧水と田んぼを眺めて満足したあと、ホテルに戻ってテレビをつけました。 遠出をする時にはそれぞれの地域のテレビ番組やニュースを見るのが楽しみなのですが、この地域はどのチャンネルも東京という「地方局」からの…

水のあれこれ 366 1603年に付け替えられた芹川

夕闇が迫ってとうとう琵琶湖と対岸の比叡山が見えなくなると、眼下の川と室内灯が明るく美しい夜の新幹線を眺めていました。 2日目の朝はまた始発の新幹線を見るまで、眼下の川の水面を眺めていました。 水量が多い川です。私が眠っている間に、どれだけの水…

落ち着いた街 53 「芹川や犬上川の流れが運んだ土や砂が堆積してできた平野」

新幹線の車窓から見ていた春は麦畑が広がり夏は稲穂が一面に広がる場所は犬上川の水の長い歴史があるらしいことを知ることができた1日目でした。 尼子駅から近江鉄道に乗って、今夜の宿泊先に向いました。 駅を降りると近くに川が流れています。橋の上からの…

水のあれこれ 365 犬上川の水争いと犬上川ダム

地図で偶然見つけた「三川分水公園」で訪ねた犬上川流域ですが、滋賀県の「地域水利への誇り‥‥犬上川流域」の「水争いの歴史」という資料がありました。 右岸側で見つけた「ニノ井堰」の歴史と、左岸側で見つけた「一ノ堰幹線水路」の歴史がわかるものでした…

米のあれこれ 88 犬上川両岸の田んぼ

地図で見つけた大門池から犬上川を渡って三川分水公園まで歩きましたが、途中で見つけた用水路の歴史が書かれた石碑からあれこれ検索していたら右岸と左岸の水田地帯のそれぞれの歴史が見えてきました。 新幹線で通過する時にはあっという間に小さな犬上川を…

記録のあれこれ 177 犬上川そばの石碑

新幹線の車窓から見える米原の美しい水田地帯は戦後の干拓によるものだと知りましたが、彦根のあたりから安土城のあたりの広大な田園風景は、山からの豊富な水による昔からの田園風景なのだろうと思っていました。 犬上川右岸で見つけた石碑の碑文を帰宅して…

散歩をする 514 多賀神社から三川分水公園へ

散歩の記録が、シュールな政治の世界の話題でまたまた遅れてしまいました。 なぜシュールに感じるかというと、国民それぞれの時代の葛藤を乗り越えながら築いている生活をあえて無視しているのか、それとも本当に知らなさすぎて政治家の皆さんが鈍感だからで…

シュールな光景 37 災害に「創造的復興」とか「復興の隘路」とか

6月30日に突如として「創造的復興」という単語が使われました。 なりわいと同じく、なんだか冷たくて嫌な表現だなあと思いながら聞き流していました。 翌日に「あの日から半年」に合わせた能登半島訪問がありました。 岸田首相、能登半島被災地視察 復興支援…

水のあれこれ 364 断水の続く「早期復旧困難地区」

5月19日に放送された「運転席からの風景 のと鉄道の桜」(NHK)を録画したのですが、あの幻想的な能登半島の風景の理不尽すぎる現実をみることができずに、そのままになっていました。 先日、ようやく観ることができました。 懐かしい沿線の桜と春の美しい風…

生活のあれこれ 50 日本でテレビを観ることができないということ

人生とはこんなにも理不尽なことが起こり続けるのか、と思う今年の始まりでした。 その2週間後に大和川を歩くために泊まったホテルで、BS放送が石川県向けになっていることに気づきました。 通信インフラが断絶してテレビもまだ復旧していないのだろうと思い…

シュールな光景 36 「こうすれば健康になる」の商売

某「機能性表示食品」の健康被害について、先日、厚生労働大臣がお怒りだというニュースが流れました。 「○○」死者調査の報告3月以降なし、武見厚労相「もう任せておけない」…○○製薬「確認を重視」と釈明 〇〇製薬の「〇〇」成分入りサプリメントを巡る健康…

落ち着いた街 52 入江地区から梅ヶ原地区へ

私の散歩は水路や川などの地図の水色の場所そしてそばにある神社などを目印に繋げていくので大雑把な計画ですが、実際に歩くことで頭の中の地図にその歴史が書き込まれていく感じです。 期せずして入江干拓の歴史を知ることになり大満足で鎮守の森をあとにし…

行間を読む 211 まいばらしまいはら

呪文のようなタイトルです。 以前から「米原」の地名の由来が気になったままでした。 字面からは水田が広がった場所をイメージしていたのですが、かつては現在の駅近くまで琵琶湖で入江干拓地が美田になったのは戦後ですから、水田の広がりよりは地名の「米…

米のあれこれ 87 入江干拓と入植五十周年記念碑

湯谷神社から次の目的地まで、山裾沿いの細い道を歩いてみました。苔むすような石段や石垣があり灰色の屋根に渋めの朱色の壁や柱がはっとするような古い住宅地が現れ、その屋根の向こうに新幹線が通過していくのが見えました。 ゆるやかに蛇行しながら続く細…

水の神様を訪ねる 100 米原の湯谷神社

3月中旬、5時過ぎに自宅を出た時には気温5度でしたが、体が慣れたのでちっとも寒くありません。それでも息が白くなる中、5時台の山手線は出勤の人で混んでいました。皆さん、どんなお仕事に向かうのでしょう。 品川駅6時28分発のひかり631号が入線してきまし…