2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧
私が「個人的体験談」という言葉にであったのは、50歳を目前にした頃でした。 「半世紀ほど生きてきたのに、こんな言葉を知らなかったのか」と、「目から鱗」どころか、本当に頭をなぐられたように感じました。 「個人」の「体験談」だったら、まあよく使う…
お一人目を助産院で出産された時のご経験を教えてくださったさこさんのコメントから、久しぶりに助産所のHPの定点観測をしてみました。 以前は、「身体観」とか「出産観」といった言葉で、自分の体をコントロールし自分らしいお産をするための、主に身体的な…
琴子ちゃんのお母さんが、ブログでこんさんのコメントを紹介してくださいました。ありがとうございます。 そのタイトルが「たまたま上手くいっただけだろ?」という、まさに本質的な言葉でした。 そう、この「記録のあれこれ」にもつながっていく大事な言葉…
「記録のあれこれ 1」しかまだ書いていないのに「まとめ」を作るのも何ですが、「記録」についてはブログを始めた頃からずっと書いてみたいと思っていました。 それがもう少しはっきりと見えてきたのが、2012年12月30日の「オカルトな世界が広がる助産雑誌」…
アドバンス助産師の制度についてはいろいろと書いてきましたが、唯一、「自分の分娩介助経験を記録する」きっかけを作ったことは良かったのではないかと思います、 こちらの記事の「私にとっての『100例』の意味」にも書きましたが、助産師になって分娩介助…
厚生労働省から平成27年12月に、「早期新生児期における早期母子接触及び栄養管理の状況」についての調査報告が出されています。 先にその全体版を読んだのですが、「集計結果の概要」には「早期の母子接触を実施している施設は、88.2%であった」と書かれて…
父の面会に月に3回ほど行くようになってもうじき2年になります。 一勝九敗に書いたように、平日だけでなく土日も結構混んでいるので、相変わらず座席に座れるのはこの確率です。 それだけでなく、往復した回数(分母)が増えるに従って、アクシデントに遭遇…
カンボジアの話題があったので、そうだまだ書きかけのこの記事があったと思い出しました。 だいぶ前になりますが、NHKのニュース番組の中で、カンボジアのポルポト時代の加害者と被害者の和解プロジェクトを紹介していました。 ニュースを見た印象としては、…
医療サイトのm3com.に「カンボジアに日本式病院 医療の海外展開」というニュースがありました。 日本医療の海外展開の一環として日本政府が設立を支援してきたカンボジアの病院が首都プノンペンに完成し、20日フン・セン首相らが出席して開院式典が行われた…
あらためて産科医療補償制度報告書の「生後5分まで新生児蘇生処置が不要であった事例について」を読みなおしています。 「1. はじめに」にはまず、以下のように書かれています。 出生時に新生児仮死がなく、リスクが低いと判断された新生児であっても、新生…
先日、父の面会に3週間ぶりに行ったら、もう秋の景色になっていました。 ノースリーブでも歩くと汗がでるぐらいの気温なのですが、田んぼには黄金色の稲穂が垂れ香しいほどの香りが漂い、トンボがたくさん飛んでいました。 どの花かわからないのですが秋を思…
以前は「カンガルーケア」とか「母子早期接触」というと、お母さんの胸の上に生まれたばかりの新生児を裸のまま「うつ伏せ」にして密着させるイメージでした。 ところが最近、とある助産院のホームページで、出産直後のお母さんの胸の上に赤ちゃんを上向きに…
競泳の大きな国際大会が終わるたびに、いつも応援している選手が引退表明をするのではないかと少し戦々恐々とした気持ちになります。 そんな中で、「リオ五輪に"滑り込んだ"古賀淳也。「最速スイマー」の称号で東京目指す。」とありました。 そのNumber Web…
ここ数日、私の心にはぽっかりと穴が空いた気分です。 とうとうこの時が来たのだなと。 でも、本当に松田丈志選手はさすがですばらしい集大成でした。 今年の日本選手権でメダルを取り続けて来た200mバタフライで4位になり、バタフライでのオリンピック4回出…
これまでも、<こんさんの話を聞いてください>や<再び、こんさんのコメントより>で、こんさんのコメントをご紹介しました。 初めてコメントをいただいたとき、こんさんはおそらく起こった状況を受け止めるだけでいっぱいで、病院と話し合いをすることさえ…
時々、池田晶子氏の本を読み返しています。 「事実とは何か」まとめに書いた「生きている実感がない」についても、池田晶子氏の本に「あ、この感じ」と表現された箇所があります。 私を考え、私を突き抜け、普遍に至る。これが形而上学(メタフィジカ)。も…
私自身は化粧をするのは冠婚葬祭の時ぐらいで、その機会さえ数年に一度あるかないかぐらいの頻度です。 必要な時に慌てて購入して、1回使ったら結局そのまま二度と使われずに廃棄を繰り返しています。 もったいないので、最近はリフィル(詰め替え用)のもの…
1980年代初頭に私が看護師になった頃は、都内で医学関係の書籍を扱う大型書店でも、まだまだ看護関係の出版物は少ない時代でした。 その後1990年代以降、看護関係の出版社や出版物も劇的に増えました。 定期的にそういう大型書店の看護関係の書棚を眺めに行…
「つじつまがあわない」 あまり私の人生の中では考えることも使うこともなかった言葉が、最近、とても現実味をおびて、しょっちゅう私の頭の中に登場します。 「辻褄とは、合うべき道理。一貫すべき物ごとの道理」 「自然なお産」とか院内助産やアドバンス助…
無介助分娩やプライベート出産のように、自らが選択したわけではないけれど、結果的に自力で出産することになってしまうことが、この現代の日本でもあります。 正確な統計はないので、あくまでも私個人の感覚ですが、数年に一人ぐらい病院に間に合わなくて自…
「自然なお産運動」の人たちは本当にいろいろな言葉を思いつくものなのだなあというのが、「産み育てと助産の歴史」(医学書院、2016年)を読んでの感想です。 その中で使われていた「自力出産」はどのようなことを指しているのだろうと、気になっています。…
「自然なお産運動」では、助産師とくに開業助産師は産む人の味方であるかのように持ち上げられてきました。 そのキーワードが医療介入という言葉であるような印象です。 「無意味な医療介入」や「産む人の意思を無視した医療介入」のように。 ところがこの産…
前回の記事で、「産み育てと助産の歴史」(医学書院、2016年)の「第2章 自宅で産んでいた人〜農山漁村の体験者の語りから」では、産婆・助産婦が医療介入のないお産をする人として描かれていたり、反対にお産に不自然さをもたらした人としても描かれていま…
「自然なお産運動」では、産婆や助産婦・助産師の立ち位置がその時の文脈によって、医療側の人にされたり、女性側の人にされたりします。 「産み育てと助産の歴史」の第2章「自宅で産んでいた人々〜農産漁村の体験者の語りから」も、それが顕著に描かれてい…
m3.comの「医療ニュース」に「出産直後の抱っこに注意 脳性まひ予防呼び掛け」というニュースがありました。 生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこするときは顔を横に向けてあげて、お母さんは体を起こすー。出産直後のベッドで母親が子どもを抱く「早期母子接…
m3.comという医療ニュースのまとめサイトで、「『もう女じゃなくなったのね』と言い放った看護師」という記事を見つけました。 読売新聞2016年8月24日の、「わたしの医見」に寄せられた投稿のようです。 東京都大田区 主婦 71 子宮筋腫が見落とされていた…
いつ頃からかわからないのですが、「目から鱗」という言葉への感じ方が大きく変化しました。 20代とか30代の頃まででしょうか。 「目から鱗」は、「すごい」という感嘆のニュアンスでした。 ところが最近では、どちらかというと「ああ、そういうことだったの…
産婦人科に勤務していると、生殖と性欲と性犯罪の境界線を毎日意識している仕事だと改めて思うこのごろです。 大半が生殖に関係することなのですが、望んでいない妊娠の相談や、ごくごくたまに性犯罪についての診療もあります。 婦人警官に連れられて、被害…