2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧
2004年ごろというのは、私がちょうどこれからはずっと産科診療所で働こうと心機一転していた時期でした。 それと時を同じくして、産科医療崩壊を加速させるようなことが次々と報道されました。 助産師として周産期医療の実態を知りたくても、耳に入ってくる…
前回紹介したAllAboutの記事は、「産科医が去ったセンター病院」(2007年2月最終更新)の記事に続いています。 ■「忙しすぎる」と産科医三名が相次いで退職 少し前まで、舞鶴には市内はもとより周辺の市からもハイリスク出産を引き受けていた病院がありました…
AllAboutの「分娩件数が増えてもいいお産を」(2007年3月最終更新)という記事を読んで、「辻褄が合わないなあ」と思いました。 先日紹介した、この夏に開かれる基調講演で「母乳権」という言葉が使われているシンポジウムについて検索していたときに、その…
また、新しいタイトルを思いつきました。 日常的に耳にする言葉ですが、ひらがなで書くと呪文のようですね。 語源由来辞典には、「辻褄」の語源が以下のように書かれています。 「辻」と「褄」から構成される語。 「辻」は裁縫で縫い目が十字に合う部分をさ…
私自身の生き方を振り返ってみると、もしかしたら「良い人になりたい。正しい生き方をしたい」という思いが強かったのではないかと思います。 それ自体は悪いことではないのかもしれませんが、「良い」にも「正しい」にも絶対にひとつの答えはないということ…
電車や人混みの中というのは、人間観察の場でもあり、精神修行の場でもありという感じです。 定員乗車率250%以上の圧死しそうな状況でも、四方八方からくる人をよけながら歩かなければいけない雑踏でも、概ね、周囲を見ていないようでちゃんと見ているクー…
世の中の変化も10年ぐらいを区切りにしてみると、いろいろとその変化の意味までみえてくるような気がして「10年ひとむかし」を書いていますが、もう少し小さな変化の波は2〜3年で起きるような印象があります。 あくまでも印象の話ですが。 最近、「この…
ふだん当たり前のようにしている行動が、やはり記憶があるからこそできていることが、父をみているとわかるようになりました。 知人と会って別れる時に、「じゃあ」とか「さようなら」と一歩を踏み出します。 名残惜しいと、何度も振り返ってみては手を振っ…
「絆」という日本語が、あちこちから聞かれるようになったのはいつ頃からだったのだろうと思い返していますが、記憶があいまいです。 災害がおこると、その後しばらくは「家族の絆が深まった」「家族の絆が大切だと思った」というインタビューが放送されるこ…
半世紀ぐらい生きてみると、自分が当時どのような社会のモードに影響されていたのかが、少し見えるようになってきました。 1990年代初頭、助産師になりたての私は「正常なお産は助産師だけで」と「母乳で育てられるように」という雰囲気に相当影響されていま…
先日の記事で、「現代社会の親達の特徴」を紹介しました。再掲します。 世の中は大きく変わろうとしています。人間性を無視し、経済を優先し、効率主義、競争社会で育てられた子どもたちが、母親、父親となっています。母と子、人と人の関係の大切さを無視し…
「母乳育児」で検索していくうちに、BeanStalk社の「『母乳栄養』から『母乳育児』へという記事がありました。 こちらの記事で引用した「もっと知りたい母乳育児ーその原点と最新のトピック」(2000年、メデイカ出版)の監修をされた橋本武夫氏のインタビュ…
前回に引き続き、「もっと知りたい母乳育児ーその原点と最新のトピック」(橋本武夫氏監修、2000年、メデイカ出版)から、「母乳権」の背景にある考え方を見てみようと思います。 本のタイトルや内容からは日本母乳の会が関係していることは見えにくいのです…
「母乳権」は日本でうまれた言葉のようですが、海外には同じような言葉があるのでしょうか。 あったとしても、おそらく大半の人が飢餓や食糧難に悩むことがない地域だろうと思います。 母乳権と聞いて私がまっさきに考えたのが、その日に使う塩さえ買い置き…
「母乳権」という言葉を初めて聞いたのは、桃さんのコメントでした。 「母乳権」とはまたなんと穏やかではない表現かと驚いたのですが、コメントをいただいてすぐに検索してみたところ、母乳権を掲げている産科施設もあってびっくりしました。 この「母乳権…
昨日、駅売店で売られていた夕刊の見出しに「茶番劇」とあって、このところ連日の報道に嫌気がさしていた気分にはその言葉がぴったりだと思いました。 ところが帰宅してみたNHKのニュースでは、街頭インタビューは「都知事は辞めるべき」という発言だけが流…
「善意と正義感」という言葉を聞いたのはニセ科学の議論の中で、まさに自分の生き方だったと赤面したのでした。 その後もつらつらとこの表現を考え続けているのですが、決して「善意と正義感」が悪いわけでもなく、そこには何層もの、あるいは何種類もの「善…
先日、胎児心拍のデーターをスマホに送信するという記事がありました。 産科に行かなくても胎児の状態把握・・・心電図データーをスマホに送る腹帯開発進む 2016年6月10日、産経・WEST 妊婦が自宅で電極の付いた腹帯を巻き、胎児の心電図データをスマートフ…
またあらたなタイトルを思いつきました。 「鶏が先か卵が先か」 実は私自身はずっと「卵が先か鶏が先か」と覚えていたのですが、検索してみると「鶏が先か卵が先か」なのですね。 英語でも「Chicken or the egg」で鶏がのようです。 たぶん私の中に、「卵が…
新生児を見ていると、「計算通りにはいかない」がたくさんあります。 排泄量(out)のほうが摂取量(in)より絶対に多かったはずなのに、思ったほど体重が減っていない場合があることを前回の記事で書きました。 生後2〜3日を過ぎると、これだけ飲んだはずな…
きいろい月さんのコメントからしばらく、初乳や生理的体重減少について書いてみました。 新生児の生理的体重減少期や、それ以降、しだいに体重が増加し始める時期を見ていて感じるのが、「計算通りにはいかないのはなぜだろう」ということです。 いえ、単に…
気温と湿度が急にあがってくるこの時期に、購入量が増えるのが青じそです。 刻んで薬味にしたり、サラダに入れたり、あの香りを楽しんでいます。 鮭を焼いてほぐしたものと、刻んだ青ジソを鮨飯に混ぜ込むと、夏向きの混ぜ寿司のできあがり。 でも、この青じ…
私の中には、「人間は死ぬ時はひとり」という諦観に近いものがずっとあります。 ですからもし私が自宅で誰にも気づかれずに死んでいたとしても、「孤独死」と表現されるのは嫌だなと思っています。 「一人で大往生」でいいのではないかと。 まあ、できれば、…
毎日チェックしている医療関係ニュースの中では、やはり訴訟についての記事に一番先に目がいきます。 「こんなことが起こるのか」というリスクマネージメントの視点での情報を得ることと、「明日は我が身」という気持ちが入り乱れながら読んでいます。 先日…
5月に入って初夏の香りが漂い始めると、父の住む病院までの道はマーガレットで埋め尽くされます。 田植えが終わったばかりの水田の周囲や、そのあぜ道、そして民家の垣根のまわりなど、青々とした草と花びらの白さが対照的になって、浮き上がるような光景に…
今は、当たり前のように家庭にも体重計があります。 私が小学生だった1970年代には、すでに家に体重計がありました。 アナログのタイプのものです。 1960年代前半の幼児の頃は、通っていた銭湯の大きな体重計で測っていたのではないかと思うのですが、このあ…
出生後2〜3日は、新生児の体重は通常、減少する。 これを「生理的体重減少」として、1970年代終わりの看護学生の頃にも、そして80年代終わりに助産婦学生だった時にも習いました。 たとえば、「最新産科学 ー正常編ー 改訂第19版」(真柄正直氏著、室岡一氏…
出生後の赤ちゃんというのは、生後2〜3日目にかけて体重が減っていきます。 出生当日からミルクを補足している施設で生まれた赤ちゃんも、ミルクを飲んですぐに体重が増えるわけではなく、必ずこの体重減少期があります。 中にはほとんど減らない赤ちゃんも…