2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

思い込みと妄想 10 <ナントカの「力」>

最近、なにかと「力」をつけるとわかったような気持ちにさせられているような気がしています。 たとえばこちらの記事の「免疫力」もそうですし、「産む力、生まれる力」とか、あるいは書店でも「力」を題名に入れた本をよく見かけます。 この流行を作り出し…

世界はひろいな 23 <香辛料はどこから来たか>

自宅で使っている胡椒は、S&Bの「コショー」です。 以前は粒状の胡椒を使ったりしていましたが、最近は、昔ながらのこの粉末になりました。 それにしてもお徳用40gで、200円以下の値段です。 こちらの記事で書いたように、私が小学生の頃の1970年代…

思い込みと妄想  9  <NHKの番組はどうやって作られるのだろう>

先日、NHKの11時台に放送している「ひるまえほっと」という番組を観ていたら、「ベジブロス」という野菜でとったダシを使った料理を紹介していました。 ふだんは捨ててしまう野菜のくずなどを煮込んでだしをとるというものです。 玉ねぎの皮とかしいたけのヘ…

母乳のあれこれ 36 <母乳推進のためにお買い物券進呈>

日常生活というのは、マスメディアからの情報にかなり影響を受けていると思います。 医療現場も時にその影響を受けることがあって、「テレビや雑誌にこう書かれていた」とあわててやり方を変更するきっかけになることもあります。 こちらの記事で紹介した「…

目から鱗 2  <液状乳児用ミルク>   

今も私の勤務先では一日中、粉ミルクを調乳しています。 手を洗い哺乳瓶を準備し、赤ちゃんの口に入るまで時に数人の赤ちゃんの大合唱にせかされています。 あの大震災からもうじき4年になるというのに、また液状ミルクが実現する道は遠のいたのかとがっか…

目から鱗 1 <思い込みから解放される一瞬>

はっと我に返るような出来事、あるのではないかと思います。 たとえば<何のための母乳なのか>に書いた私自身の体験のように。 あるいはその記事に書いた、私の一言で「目から鱗」のように感じられたお母さんのように。 「目から鱗がおちる」の意味について…

世界はひろいな 22  <村に外国人がやってきた>

先日の記事ではテレビ東京の番組について辛口のことを書きましたが、けっこうテレビ東京は好きです。 もやさまとか「アド街ック天国」とか、映し出されているのは平凡な街の風景や住民の姿ですが、たくさんの人の毎日の生活の積み重ねで社会が成り立っている…

母乳のあれこれ 35 <「母乳を与えることは社会階級のはしごを登るチャンス」>

1990年代に医療の中にも「科学的根拠に基づく医療」という言葉が広がりました。 「科学的とはどういうことだろう」とずっと逡巡してきました。 とりわけ、膨大な数の「科学的」「医学的」な装いの論文に圧倒されています。 2009年頃から「ニセ科学」という言…

世界はひろいな 21 <社会階層を意識する社会>

一見、昨日までの母乳関連の話題とは離れていますが、明日の記事につながる内容です。 日本の社会に「一億総中流」意識が広がったのは1970年代のようです。 私が小学時代に過ごした山間部でも、1970年代は貧富の差を同級生に感じることがほとんどないくらい…

母乳のあれこれ 34 <途上国以外のお母さんがターゲットに変わっていった母乳推進>

WHO/UNICEFが途上国の母乳推進を進めた結果は、「完全母乳率の高い国は、乳児死亡率が高い国と重なる」になってしまったのは素人目に見ても明かです。 ところが、その途上国の乳児死亡率を下げることが目的で1979年に出された「唯一の自然な育児方法は母乳に…

母乳のあれこれ 33  <「母乳のメリット」探し>

子牛のように母親の初乳を飲まなければ生きられないのとは違い、人間の場合には母親の母乳が胎外で生きるための絶対条件ではないことが、20世紀に粉ミルクの出現によって証明されたといえるのかもしれません。 さて前回の記事で、1970年代に途上国の乳児死…

世界はひろいな 20 <女性の体は誰のものか>

「母乳のあれこれ」はまだ続くのですが、母乳について書いていると力がはいっちゃうので一休み。 といっても、やはり力が入った記事ですみません。 今日は思いっきりジェンダーっぽいタイトルですが、先日、テレビ東京の「所でナンじゃこりゃ!?」という番組…

母乳のあれこれ 32 <母乳推進の目的は何だったのか。どう変化したのか>

私は研究分野についてはよく知らないのですが、日々、多くの母乳に関する研究が地道に行われているのだろうということは想像できます。 たとえば、<母乳の冷蔵期間>に書いたように、搾った母乳は冷蔵庫で8日間も保存が可能で、その理由は「母乳中の貪食…

母乳のあれこれ 31 <何のための母乳なのか>

私自身、「乳児期に何を飲んで育ったのか」なんて気にせずにいました。 初めて気にしたのは、20代後半,助産師学生の時でした。 休暇で家に帰った時に何気なく母親に「私は母乳で育ったのでしょ?」と尋ねたら、あっさり「混合よ」と言われ、当時はがっかりし…

母乳のあれこれ 30 <「母乳で賢くなったり出世するのか」という研究>

久しぶりの「母乳のあれこれ」です。過去の記事は、いつもまとめてくださるうさぎ林檎さんのこちらをどうぞ。 (私のブログの目次をつくってくださるうさぎ林檎さん、ありがとうございます) 今日は、先日いただいたさとえさんのコメントから、書いてみよ…

衣類のビッグデータ

前回に引き続き、しょうもないデータの話です。 「11月前半はまだ暖かいと思う」という私の実感についてどうなのか、調べてみました。 気象庁の「東京 平均値」をみると、案外、私の体感温度は実測データに合っているのではないかと思います。 まあ11月は「…

体感温度のビッグデータ

先日、renyankoさんが「医療のビッグデータ」の番組の紹介とコメントをくださいました。renyankoさん、ありがとうございます。 ちょうど別のことですが「全体のデータを知りたい」と思って記事にしようかなと思っていたので、グッドタイミングでした。 とい…

夜勤の労働環境についてのあれこれ 3 <夜中の通勤の怖さ>

子どもだった頃は、夜というのは魑魅魍魎が出てとても怖い時間でした。 年とともに、世の中に怖いものが減って来たのは、おばさんになった証拠だと思っています。 それでも夜中の通勤はしたくないし、未だに怖いと感じるものの一つです。 日勤・準夜・深夜の…

夜勤の労働環境についてのあれこれ 2 <電話が怖い>

1960年代、私がまだ幼児だった頃は、電話といえば電電公社(NTT)の固定式黒電話しかありませんでした。しかも電話は「近所に借りにいくもの」であり、自宅の電話を持つようになったのは1970年代に入ってからでした。 幼稚園の頃は、あれはなんという電話機…

夜勤の労働環境についてのあれこれ 1 <夜起きているのがつらい>

「夜勤をしたくない」と思う理由にはいろいろあるのではないかと思います。 「夜起きているのがつらい」これは自然なことでしょう。 1970年代終わり頃、私が看護学生だった時には夜勤実習がありました。 「夜中に働く」ことがどういう状況なのか想像もつか…

看護職の夜勤について思うこと

私はどちらかというと夜勤が好きです。 昨日書いたように3交代勤務は体に合わないのですが、2交代なら日勤をするよりは体が楽です。 翌日が日勤だと思うと、反対に「朝きちんと起きなければ」と緊張して夜中すぎまで眠れなくなるのです。 子どもの頃から目…

看護職の夜勤、二交代か三交代か

「『看護師2交代制』3割に 夜勤含む労働、16時間声も 労組が病棟調査」(朝日新聞、2014年11月7日)という記事がありました。 看護師らの長時間勤務につながる「2交代制」を採用している病棟が3割に達したと、日本医療労働組合(医労連)が6日発表し…

10年ひとむかし 3 <「カラーでよみがえる東京」>

東京オリンピックから50年ということで、NHKが当時の懐かしい映像を編集した番組を数多く放送していました。 全ては観られれなかったのですが、幼児の頃の記憶と映像をつなげながら「こんな時代だったのか」とあらためて思うことがたくさんありました。 そう…

カンガルーケアを考える 12 <責任ってなんだろう? カンガルーケア裁判について思うこと>

11月4日のニュースに「病院の責任、二審も認めず カンガルーケア訴訟」(共同通信)という記事がありました。 新生児を親が胸で抱くカンガルーケア中に呼吸が止まり後遺症を負ったのは、安全対策の不備が原因だとして、大阪府内の女児(3)と両親が同府富田…

武勇伝(根拠のない自信)

朝日デジタルの10月31日の記事に、「出産体験などを語り、命の大切さへの思いを分かち合う『バースカフェ』」の話題がありました。 「母と子が『命をかけてチャレンジした』出産について体験を話す」らしく、11月は「医師の手を借りずに5人の子どもを自宅出…

なにがなんだかわからない

エボラ出血熱の感染国で活動してきた医療従事者への対応については、「犯罪者のように扱われたのか」や「潜伏期から発症のグレーゾン」で書いたように、潜伏期間と考えられる日数を過ぎてからの帰国が感染症対策としては合理的ではないかという疑問を書きま…

10年ひとむかし 2 <辰巳に通って10年>

こちらの記事に書いたように、辰巳の国際プールで競泳大会を観戦するようになって10年が過ぎました。 毎年、同じような道を通って辰巳の会場に行くのですが、やはり10年ひとむかしだと、いろいろな変化を思い返しています。 プールの入り口に向かって歩…

境界線のあれこれ 54 <潜伏期から発症のグレーゾーン>

こちらの記事で書いた西アフリカでのエボラ出血熱の医療救援から帰国した看護師への対応について、その後もなんだか本質ではない話が多くてもやもやしています。 「国境なき医師団など感染地域で活動したスタッフは、現地で21日間留まり、発症のおそれがな…

本質に近づくためのものの見方

何だか小難しいタイトルですが、今日も競泳の話です。 ホッスー選手について検索していたら、以前、NHKの競泳日本選手権で解説者をされていた野口智博氏のブログを見つけました。 初めてNHKの競泳をみるようになったのが、2003年頃でした。 野口氏の解説は注…

体重の謎あれこれ 3 <筋力とバイタリティ>

テレビの映像は実物よりも少しふくよかに見えるのではないかと思います。 タレントさんも実際には、かなりやせていないとテレビ映えしないのかもしれません。 競泳の選手、特に女子選手もテレビでみるとそれなりにふっくらして見えるのですが、会場でみると…