「助産師の世界と妄想」まとめ

看護職というのは、看護師・保健師助産師の3つの資格があります。


保健師助産師になるには看護師の資格も必要ですが、上記の3つの資格を持っている人もいます。
看護師の中にも国家資格の正看護師と都道府県知事資格の准看護師があったり、看護教育の大学化によって資格をとるまでの過程がますます複雑になってきました。


養成過程の複雑さもそうですが、その3つの職種にはそれぞれの風土のようなものがあることに、自分が助産師になって結構驚かされました。



その中でももっとも「助産師の世界」といってもよいほど根強いものが、「『正常なお産』は助産師の手で大丈夫(医師の立ち会いは不要)」というプライドでした。


「終わってみないとそのお産が正常だったかどうかはわからない」という当たり前のことに気づくまで、私自身が20年ほどかかったくらい、この助産師の中でのこだわりのような強さがあります。


もうひとつは、言葉の意味を問い直すに書いたように、妊娠・出産・育児の周辺でどんどんと新しい言葉がつくりだされて分娩施設で広がっていくことです。


それはどういうことなのか定義も明確でなく、それをした場合としなかった場合の冷静な比較もあまりされず、強い価値観が広がっていくことは看護の他の職種にはない風土だと思います。


そんな助産師の世界に感じる違和感を「妄想」という言葉で考えたものです。


1. 自分の経験に対する思い込み
2. 看護協会の助産師クリニカルラダー
3. 虚像の助産師が好まれる
4. 分娩経験数の持つ意味あれこれ
5. 妄想を生み出すシステム
6. 全体像が見えない新生児訪問
7. 新生児訪問はいつ頃から始まったか
8. 誰が新生児訪問をしてきたのか
9. 新生児訪問は何をするのか
10. 新生児訪問後に代替療法へ引き込む機会
11. 新生児訪問のリスクマネージメント
12. 妄想の世界にはリスクマネージメントという言葉は生まれない
13. 野心的研究課題
14. 何言ってるんだろう?
15. わからないことはわからないとする態度
16. アドバンス助産師って何?
17. 「お産を家族に返すため」に手術立ち会い?
18. 出生直後の「インプリンテイング」?
19. おひなまきとおとなまき
20. 胎内記憶とかバーストラウマとかからもっと危ない世界へ
21. ヒプノセラピーとかヒプノ赤ちゃん
22. どのような医療を想定しているのか
23. 助産師の「歴史」話
24. GHQに対する気持ち
25. お産に対するファンタジーとムーブメントの終焉へ
26. 産前産後ケアへの広がりと出版物の影響
27. こうして研修会でひろがっていく
28. 舌小帯に原因を求める
29. 助産師会の「ホメオパシー問題」
30. 助産師会の情報戦
31. 「憑物が落ちる」ようなものは教育から除く
32. 「正常」へのこだわりがあちこちからハシゴをはずす
33. 「助産政策」と「エビデンス」