10年ひとむかし

先日、たまたまつけたテレビで昭和から平成にかけてのさまざまな商品の進歩についての番組を放送していました。
最後の方を少し見ただけだったのですが、最初から見たかったと残念です。


1960年代はまだ油が高価で日本の食生活の中での摂取量自体が少なく、とりわけサラダオイルは高級品でお歳暮として人気があった、というあたりから見始めました。
たしかに、揚げ物の日はご馳走の日という感覚でした。
1970年代になると、揚げ物も日常的になったような記憶があります。あるいは野菜サラダにかける市販のドレッシングが日常的に使われるようになったのも、1970年代以降ではないかと思います。


インスタントラーメンの開発の歴史の話題は時々目にしますが、その番組の中で「1968年にみそラーメン発売」「1971年に塩ラーメン発売」と説明していて、一気に小学生の頃の回想モードになったのでした。


1960年代終わりから70年代初め、当時の学校は土曜日はお昼まででした。
我が家での土曜日の昼食は麺類、インスタントラーメンが定番でした。
当時は、まだインスタントラーメンはご馳走でしたが、みそ味と塩味が出たときは本当に「おいしい!」としばらくはまっていた記憶があります。
あれがそれぞれ1968年、71年だったのですね。


そして番組でもあったように1970年代は、レトルト食品や冷凍食品が次々と発売されて、家庭の食事が大きく変化した時代だったと思います。


今ではどの家庭にもある冷凍庫と電子レンジが、初めて発売されて普及したのもこの1970年代後半でした。
加工食品が広がり始めたことで、必要になったのでした。



<10年ひと昔>


10年をひと区切りとすることを5回ほど経験したあたりから、「10年ひと昔」という言葉がなんだか実感をもって感じられるようになりました。


現在50代以上の世代であれば、1960年代、70年代そして80年代は日本が10年ごとに豊かになっていったという記憶があるのではないかと思います。


たとえば、今は当たり前のように毎日入れるお風呂についても1960年ごろからの内風呂の増加と変化シャワーの普及を思い返してみれば、わずか30から40年ほどのことです。


あるいはこちらの記事に書いたように、テレックスやファックス、そしてインターネットと情報通信網が急激に変化したのは1980年代と、わずか20〜30年のことにすぎません。



この1960年代、70年代、80年代の変化を体験したり記憶にある世代と、生まれた時には「すでに当たり前のようにそこにあった」世代では、近い過去の歴史を同じように受け止めてはいないことでしょう。



それと同じように、これから周産期医療で働こうと考えている学生が現場に出た時に、周産期医療ネットワークシステムは「当たり前のように」感じるのではないかと思います。



案外、ひと昔、「最近の10年」の変化というのはこまめに事実をまとめて伝え続ける必要があるのではないかと、ふとこの番組をみて感じたのでした。





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