気持ちの問題 2 <日の丸と君が代>

昨日は仕事が休みだったので、喜々として辰巳へ向かいました。
競泳日本選手権の初日なのですが、会場は平日の17時ということもあってやや寂しい人の入りでした。
あとで観たNHKの放送録画では、アナウンサーの方が「今日もたくさんのファンの方が入っています」と伝えていましたが。


周囲に座っていた人が「チケット代も高いしね」と話しているのが聞こえましたが、6日間の日程でそれぞれ2時間程度で、安い席でも3,500円はなかなか手が出ないかもしれませんね。
しかもNHKBSの実況中継に合わせているのか、その2時間も次の試合の待ち時間が長くて、ちょっともったいなあという感じ。
もう少し安いチケットで日程も短くしたら、競泳に関心のある人も来やすいのではないかと思いますけれど。


観客が多く、皆の期待が会場に感じられる時というのは、選手の皆さんも泳ぎやすそうですから。


さて、昨日の開会式は私が10年以上通っていた中で、少し違う雰囲気でした。


例年、開会式では音楽家声楽家の方が呼ばれて、国歌斉唱が組み入れられています。
昨日は、海上自衛隊東京音楽隊でした。
プールエンドに制服を着た音楽隊の方々が立っている雰囲気は、今までにない緊張感が少し感じられました。


でも、開会式の前に3曲演奏が始まると、会場はその音色に引き込まれていきました。
そして、国歌斉唱は音楽隊の中の女性自衛官の独唱がありました。


初めて「君が代」を聴いて鳥肌が立ちました、その声の迫力に。
あ、この人が以前テレビで紹介されていた海上自衛隊音楽隊の歌姫だとわかりました。


<国旗と国歌への思い>


祝日になると日の丸を玄関に掲げる家に育ちました。
それが「愛国心」であるという親の姿勢を見てきましたが、20代で東南アジアで生活する頃から、私の日の丸と君が代への思いは大きく揺れました。


日の丸や君が代に憎悪をもつ人たちを作り出す歴史があったことに、「新しい国旗や国歌にした方が良いのでは」「新しいものにすることで、その負の歴史まで伝わらなくなるのでは」など、自分の中でも答えがでませんでした。


90年代頃からでしょうか。
国旗掲揚、国歌斉唱の際に起立しなかったり、演奏をしないことを選択した教員が糾弾されるようになりました。


日の丸や君が代は、個人の信条さえ時に抑えなければいけない国旗と国歌の象徴になってしまいました。
「もう歌うのはやめよう」「強制されてまで立つのはやめよう」と思いました。


昨日は、自然と起立しました。
あの大震災のあと、海上自衛隊東京音楽隊の方々が被災地の人たちを音楽で支えようとしてこられたことをその番組で知って、自然と尊敬の念が沸いたからです。


そして三宅由佳莉さんの歌声が、日の丸と君が代に対する私の反動から反動へと硬くなった気持ちを緩めてくれたのでした。






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