花に思うことあれこれ

庭や野に咲く花には、流行があって徐々にそれが広がっていくようですね。



「あれ?昨年まではこんな花みたことがなかったのに」と思うものが一気に広がり始めるような印象があります。
いつも実家に帰るときに使う電車の車窓からも、その花が同じように広がっていくのを感じます。


たとえば数年以上前からだと思いますが、皇帝ダリアがあちこちで見られるようになりました。


背が高く、木ではなさそうな茎に牡丹のような華やかな花が咲いていた庭を発見しました。
「とても珍しい花をみた」と母に伝えたら、いとも簡単に「あれは皇帝ダリア。ここは標高が高いから少し難しいのよ」と答えが返ってきました。
花好きの人たちの間で伝わり、それが一気に広がって沿線で見られるようになるのに時間はかからないようです。


もう少し身近な花で、4月から5月頃にかけて空き地にケシの花が咲きますが、あの花が広がり始めたのもそう遠くない昔の記憶があります。
ナガミヒナゲシというのですね。


リンク先では1960年代には日本に入ったと説明にありますが、私自身が都内で始めて見たのは1990年代後半でした。
最初は限られたところにしか咲いていなかったのですが、鮮やかなポピーがしかも野生で生えていることに驚いた記憶があります。
そしてその年あたりを境に、あっという間に珍しくない野の花になった覚えがあるのです。


ナガミヒナゲシは最初4月から5月の、春というより初夏に近い気候の頃に咲いていた印象があるのですが、だんだんと寒さに強くなったのか、昨年は3月から4月頃には咲き始めていました。


皇帝ダリアも寒さに弱い夏の花だったようですが、昨年はなんと11月になっても咲いている庭を見つけました。


これは植物自体がその土地の気候に適応した結果なのでしょうか。
それとも、日没時間の変化は一定しているのに季節の変動はその年によってだいぶ差がありますから、そうした年毎の天候や気候の変化によるものなのでしょうか。


今年は、というより昨年末ですが、12月には沈丁花のつぼみが出始めていて驚きました。
いつもなら早くて2月の終わりぐらいに咲くのに、今年はもうじき咲きそうなほどになっています。


同じ花でも開花の時期は、その年によって1〜2ヶ月の差がありますね。
花ならば「まだ咲かないか」と待ち遠しい思いだけで済むのですが、野菜の場合は大変なことでしょう。


こうしたその年の気候や天候に合わせて、どうやって私たちの食糧としての野菜を育ててくれているのでしょうか。
安定して供給するためには、気が遠くなるような試行錯誤があるのでしょう。
いつになく早い沈丁花のつぼみを見て、今年はそんなことがとても気になりました。