記録のあれこれ 6 <仮説が思いつきであったことも記録する>

マンボウを観たあとは、ペンギンのところでまた小一時間を過ごします。
葛西水族園の年間パスポートを購入したので、今年に入ってもう数回目。


夏の間は、オウサマペンギンとイワトビペンギンはバックヤードの冷房室に入ってしまうので、しばらくのあいだはフンボルトペンギンだけが悠々と泳いでいました。


先日は、オウサマペンギンとイワトビペンギンが復活していました。


しばらく見ていて、イワトビペンギンの背中から気泡が出ていることに気づきました。
昨年は、フンボルトペンギンとイワトビペンギンの違いをこう観察して書いたのですが。

フンボルトペンギンは水中でその羽毛の間から気泡が出ているのに対して、イワトビペンギンの体からは気泡が見られないことでした。


どうしてだろうとペンギンについて調べてみたのですが、それらしい答えは見つからなくて、自分なりの「仮説」をこう書きました。

暑さに弱いので夏は公開されていなかったイワトビペンギンが一気に空気を吐き出すことと、暑さには比較的強いフンボルトペンギンの体から気泡がでるのも、もしかしたらこの「冷却」のためではないかと。
いえ、思いつきのレベルなのですけれど。


「思いつきのレベル」と書きながらも、結構いい線をいっているのではないかとなんだかすごいことを発見したような気持ちになっていました。



ところが、観察を重ねていくうちに、イワトビペンギンの背中からも同じように気泡が出ていることがあって、私の観察と「仮説」そのものが間違っていたことがわかりました。



そう、ちょっと何かに気づいたけれど実際には違っていた、ピンと来たけれど勘違いのレベルですね。



<再び分娩記録ノートより>



「何人も同じような状況を観察して、それが私の分娩記録ノートに表現され始めたのが、分娩介助経験数がおよそ300例を過ぎた頃でした」と、こちらの記事に書きました。


いろいろなお産の進み方や産婦さんの痛みの訴え方などから、「もしかしたらこれが関係しているのではないか」とあれこれと自分の中で仮説がでてきたのでした。


そのあたりからおよそ1000例近くまで、分娩経過を分類してみたノートもあります。
項目は、「弛緩出血」とか「臍帯巻絡」、あるいは「持続性徐脈」などです。


そのあたりまでいくと、「それが関係している場合もたしかにあるけれど、関係がない場合もある」というあたりも見えてきます。


「すごい発見!」と自分の仮説に心を震わせていたのに、「そうとも言えない場合もある」事実に向き合い始めたのがこのあたりだったようです。



「そうとも言えない場合もある」こともきちんと記録しておいて良かったと、当時の分娩記録を読み返しています。




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