発達する 29 「幼鳥は水に入らない」

換羽の時期に葛西水族園のペンギンのプールに行くと、水槽の端に驚くような量の羽が溜まっています。掃除をしても、してもしても追いつかないほど、溜まって行くのかもしれません。

 

ロワの泳ぎについて考えていたら、ロワの換羽の写真が葛西水族園のつぶやきにありました。

5月下旬には、すでに肩のあたりから顔にかけてあの茶色の羽が残っているだけで、体幹はすっかりオウサマペンギンに変身しています。

まるで手品を見ているようですね。

 

そしてあの一羽の幼鳥から、どれくらいの茶色い羽が抜けるのでしょうね。

 

以前、オウサマペンギンの幼鳥の写真を初めて見たときに、成鳥よりも大きく見えたことも驚きでした。

今、換羽の写真を見ると「中身」は同じくらいの体格なので、あの茶色い羽は着ぐるみのように体を大きく見せて、他の種をビビらせることも役目なのかもしれないと想像したのですが、事実はどうなのでしょう。

 

*「幼鳥は水に入らない」*

 

換羽の写真から、またまた小学生のように疑問や想像がふつふつと湧いてきました。

 

昨日の記事で、ロワの泳ぎ方を「バタ足を推進力にするヒトの子どものよう」だと感じたことを書いたのですが、それは決してローリングが未熟だからではないのではないかとふと思いつきました。

 

あのモフモフの茶色い羽自体が、泳ぐときにはものすごい抵抗になりそうです。

換羽の途中から見える成鳥の羽と体は、ヒトで言ったら高速水着のような性能なのではないかと思いつきました。

 

あの茶色い羽の下で水に入る日のために着々と準備が進められ、平均時速8.4km、水深220mまで潜るようになるのですから、ほんとうに不思議な世界です。

 

そう考えると、ロワはあえて抵抗のある羽のまま、まだ泳ぐ段階の前から泳げるのですから、これもまたすごい能力と言えるのかもしれませんね。

自然下では「幼鳥は水に入らない」という発達段階が環境によっても変化するなんて、どんな体のしくみなのか、興味が尽きないですね。

 

 

 

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