先日、蛇にかまれた夢を見て飛び起きました。
なぜこの夢を見たか、理由はわかっています。
たまたま見た「イッテQ」の番組の中で、イモトさんが捕まえた蛇に近づいて悲鳴を上げているシーンがきっかけだと思っています。
私も蛇は大嫌いです。
正確に言えば、見るのは好きです。
怖いもの見たさというところですね。
でも自分の生活圏には存在して欲しくないという一方的な想いです。
山間部に住んでいた小学生の頃は裏山に行って遊んでいましたから、蛇と遭遇することはしょっちゅうでした。ヘビ塚というのですか、へびがたくさん固まっている場所にも怖いもの見たさで近づいていったこともあります。
そんなに嫌いではなかったのかもしれません。
中学生頃からでしょうか、ヘビやミミズのように足のないウネウネした動物がいるだけで体が固まったような恐怖を感じるようになりました。
通学途中の道でまだ子どものようなヘビに出会ったことがあります。
あちらもおそらく人間に出会った恐怖で固まっていたのだと思いますが、私もそんな小さなヘビでも怖くて一歩も歩けなくなりました。
しばしにらみあいが続いたあと、どうやってその場が収まったのかは記憶にありません。
写真や最近のyou tubeのようなものであれば、きゃーと心の中で叫びながらも見てしまいます。
<難民になったヘビ>
そのテレビ番組のヘビがカンボジアのものだったことから、また回想の世界に突入したのでした。
1980年代半ば、インドシナ難民キャンプで働いていた時のことです。
その難民キャンプは、ベトナム、ラオスそしてカンボジアの三国から難民になり、第三国への定住を待っている人たちがいました。
ある日、カンボジアの通訳ボランティアから「おもしろいものがある家に行きましょう」と誘われたので、ついて行きました。
家の中に入らせてもらいました。
特にこれといったものは置いてありません。
ボランティアもその家の住人も、なんとなくワクワクした表情で私の反応を待っているかのようです。
薄暗い部屋の中で、何かが動く気配がありました。
そこにはひと抱えほどの太さの5mぐらいの大蛇がいました。
「ぎゃーーーー」と出したつもりの声も出ないほど、驚きました。
でも、ある程度の大きさを越えると気持ち悪さを感じなくなるのは不思議です。
私もそのヘビの体をいつのまにか撫でていました。
ボランティアの通訳を介した話では、そのヘビは家族の一員としてカンボジアからつれてきたそうです。
1ヶ月後には、その家族はアメリカへの定住が決まっていました。
「ヘビはどうするの?」と尋ねると、「ちゃんと難民認定されている」とIDカードを見せてくれました。
たしかに。
国連高等難民弁務官のマークと難民の登録番号の入ったIDカードに、そのへびの写真が貼ってあります。
ただしアメリカでは一緒に暮らすことはできなくなり、どこかの動物園などに行くことになるらしいということでした。
通常、カンボジアからタイ国境を越えて脱出した人たちは、一時的にタイ国内の難民キャンプに収容されます。
そこでこのへびを「家族の一員」として認めたのも驚きですが、東南アジアの別の国の難民キャンプへも家族として移送し、さらに一緒に欧米の第三国定住を認める。
なんて、いきな計らいなのだろうと思ったのでした。