ブログのご紹介 「ブラーヴォ! 赤ちゃん!!」

昨日、思わぬ方からのコメントをいただきました。
現在は三重県の産科診療所で小児科医としてたくさんの赤ちゃんと接していらっしゃる澤田啓司先生です。


以前、新生児のしぐさなどについて検索していた時に、偶然、お名前とブログを拝見して心に残っていた方でしたので驚きました。


今回は澤田啓司先生のブログ、「ブラーヴォ! 赤ちゃん!!」をご紹介したいと思います。


私が生まれた昭和30年代ごろからの、日本の小児科医療を築いてこられた世代の先生のお一人です。
まだまだ新生児死亡や乳児死亡率が高かった当時から、どのような思いをもってこの時代の変化を受け止めてこられたのだろうと、いろいろと関心がつきません。


そして私自身が子どもだった頃の、時代に関しての曖昧な記憶を解きほぐすようなピソードがあって、「こういう事実が知りたかったのだ」と思うこともしばしばです。


たとえば、2014年2月13日の記事「赤ちゃんの体重増加」にこんなことが書かれています。

昭和6年生まれの私は、町内の原田産婆さんに取り上げてもらった家庭分娩児です。出生時体重の記録も、幼児期の体重の記録もありません。

「はっ」としました。
たとえ薄くても私の母子手帳があって、出生時、1か月健診、3ヶ月健診といった記録があります。
昭和6年というと私の母と同世代なのですが、両親は体重測定とは無縁の時代だったのだなあと、改めて知りました。


2014年4月23日のオムツとオムツカバーの記事では、昭和40年代の「先天性股関節脱臼予防に関する研究班」の話があります。オムツとオムツカバーを改良し、股関節に負担をかけないようにする働きかけで、それまで3%だった発症率が0.1%〜0.2%にも下げられたということが書かれています。



そして、澤田先生のブログの最初の「もっと知ろうよ、赤ちゃんのこと」に書かれている以下の文章に、私が「新生児はまだまだ観察されていないし、わかっていないことも多い」とこのブログを始めた気持ちと重なるような気がしました。

 私が小児科医になって55年以上経ちました。始めの50年は普通の小児科医として過ごしました。健康な赤ちゃんと付き合う機会は少なくて、産まれて間もない赤ちゃんのことは、私自身の経験よりも、本や論文に書かれた知識が大部分でした。

 最近5年ほどは、ヤナセクリニックで生まれたての赤ちゃんと、その赤ちゃんの1ヶ月健診と、同じ赤ちゃんを2回診察する機会に恵まれて、1年間に500人以上の赤ちゃんとママにめぐりあっています。そして知ったことは、赤ちゃんへのおとなの視線、常識は、どうも赤ちゃんの実像とは違うということです。


新生児や授乳、あるいは育児に関して理論化をあせるよりは、目の前の新生児をもっと観察したい。
そんな感じでしょうか。