気持ちの問題 40 <マナーやルールはどのように変化し広がるか>

なんだかまるで世の中がわかったかのような偉そうなタイトルですが、今日も、あくまでも私の身の回りの小さな世界での変化の話です。



午前中にプールに行くと、最近は中高年以上の女性が大半を占めていて、けっこう混んでいる傾向があります。
私が利用しているいくつかのプールでだいたい同じなので、おそらくある年代層の女性には一番、生活の中で泳ぎに行きやすい時間帯なのかもしれません。


その後、だいたい11時から13時頃はプールがガラガラになり、14時頃からまた人が増え始める印象です。
そして午後から夜にかけては、若い世代やけっこう速く泳ぐ人たちが多くなります。


私は比較的どの時間帯でも融通が利く生活なので、できるだけ混んでいなさそうな時間帯を狙って泳ぎに行っています。


混んでいることは仕方がないのですが、それよりも、最近のこの午前中の時間帯は不思議なルールが自然発生していくので、ちょっとストレスになるのです。



<マイルール>


初心者の中高年スイマーの方々が激増して、少し泳ぎにくくなったことについては「プールの中の境界線」の「さらに境界線が増えていく」に書きました。


「初心者なので自分のことでいっぱいいっぱいで周りが見えない」
自分が泳ぎ始めた頃を思い出して、そう解釈していました。


ところが、それだけではなさそうです。


私は背泳ぎとクロールで泳ぎますが、コース内の状況に応じて、クロールだけにする時もあります。
また、「自由遊泳エリア」のように、誰もが自由にどの方向に泳いでもよいエリアでは背泳ぎをすることはほとんどありません。


たいがいのプールでは注意書きに、「混雑時には背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライは遠慮してください」「周囲に十分注意して泳いでください」とあります。
通常、1コースを2列で泳ぐようになっているので、クロール以外の泳法は速度的にも遅いことが多い上に幅をとってしまうので、他の人が追い越しにくくコース内での自然渋滞が発生しやすくなります。


ある日、70代ぐらいの女性が自由遊泳エリアで背泳ぎの練習をしていました。
きっと、中高年向けの水泳教室に参加して、泳ぐことが上達する楽しさを知った方なのでしょう。
反対側から、クロールで泳いで来た同年代の女性と接触してしまいました。


今までのルールから考えると、自由遊泳コースで背泳ぎをしている人に「非」があると考えるのが一般的だったのではないかと思います。
背泳ぎは前が見えないので、周囲に気遣ってもらっているわけですから、「あ、ごめんなさい。泳いでいる人が多い時間帯に、背泳ぎをしていたので」と感じるのではないかと思います。


ところがその女性は、クロールをしていた女性にこう言いました。
「あなたが前を見ていなきゃ。私は背泳ぎで見えないのだから、クロールしている人が気をつけてくれないと危ないでしょ」と。


わあ、その発想はなかったですね。
こう思い込んだ人に、「それは違うと思う」と言っても耳を傾けてもらえるかどうか。
その人にはそれが「正しい」のでしょうから。


人数が増えても、ゆっくりな泳ぎと速い泳ぎの人が混在しても、整然とした流れが生まれて最大人数の人が泳ぐことができる状況が、たまにあります。
自分の泳ぎやすさと他の人の泳ぎやすさをなんとなく計算できる人だと、本当にコース内は平和で充実感にあふれたものになります。


ただ、私も初心者の頃は気づかないうちにマイルールで泳いでいたのかもしれないので、水泳以外の場で「初心者」の立場になる時には気をつけなければいけないと思った次第です。


ルールとかマナーとか、難しいですね。





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