事実とは何か 35 <テレビの緊急・災害時の放送>

東日本大震災の大きな揺れが始まった直後に、すぐにテレビをつけました。
最初は情報が少なかったものの、刻々と被害の状況を伝える字幕が出始めたことが印象にありました。


それ以前から災害情報でそういう画面を見ていたのだと思いますが、自分の身に迫って初めて記憶に残ったという感じです。
あれは、文字スーパーと呼ぶのですね。


先日の九州北部記録的豪雨の際にも、まだ被害が出る以前から文字スーパーが出始めていました。


検索すると、国土交通省気象庁の「土砂災害への警戒呼びかけにレベル化を導入する場合の発表イメージ」という資料(おそらく平成24年)があって、私が見ていたのは「レベル3」の避難勧告が出始めた頃から「レベル4」の避難指示へと変わったあたり、そして「レベル5」の「大規模土砂移動、崩壊発生」へと変化していった時期だったのだと思います。


その資料の3ページ目には「土砂災害発生と対応する指標、監視、観測項目(時系列整理イメージ)」があります。
24時間ぐらい前から気象予報にもとづいた情報や警報が伝わり始め、そしてテレビの文字スーパーになるまでの流れがわかるようになっています。


「防災情報研究Wiki」というサイトには「緊急時の対応(NHK)」として以下のような説明がありました。

災害には、地震津波、台風、豪雨、大火災、船舶・航空機・鉄道・バスなどの事故、爆発事故、工場災害などが該当する。 NHKの速報基準では、震度3以上で全国放送(テレビは文字スーパー、ラジオは音声の上乗せ)を開始し、震度6弱以上になると通常番組を中断して臨時ニュースを伝える。ただし状況によっては震度5弱でもニュースを特設する場合がある。
津波の場合、津波(大津波)警報で通常番組を中止して緊急警報放送を開始する。津波注意報でも広域に発表されればニュースに切り替える場合がある。

10年ほど前まではほとんどテレビをみない生活だったので、いつごろからあの文字スーパーでの警報や情報の表示が始まったのか全く記憶にありませんが、災害時のあの文字スーパーは、今何が起きているのかを俯瞰的に見ることに相当役立っているのではないかと思います。


こちらの記事に書いたように、災害や大事故の際には、悲惨な状況が繰り返し映像として目に入ってくるので、感情を抑えることが難しくなります。
文字スーパーができたことで、災害を予測する時点から、そして実際に起きてからも、人の行動を変化させた面が大きいのではないかと思うのですが、そのあたりどうなのでしょうか。




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