運動のあれこれ 12 <滄浪泉園の保存運動>

「運動のあれこれ」は、自分自身の市民運動をどう捉えるかという試行錯誤や失敗から思いついたタイトルですが、よい結果をもたらした運動もまたあるのだと思います。


そういう意味で、滄浪泉園のパンフレットを紹介しようと思いました。


「なお、滄浪泉園緑地の保全は、貴重な自然を残すために、たくさんの市民の皆さんの熱心な保全運動が実ったものです」とあり、その経緯が書かれています。

滄浪泉園の保全にあたって


 滄浪泉園は、小金井市の歴史と共に歩んできた「はけと湧水」を巧みに生かした由緒ある緑地として知られております。
 この名園も、一時期マンション建設計画が起こり、存在が危ぶまれたこともありましたが、多くの市民のみなさんの要望が実り、昭和52年、東京都のご理解・ご協力のもとに緑地保全地区の指定・買収を受け、装いあらたにー自然緑地としてー末長く都民の財産としてのこしていくことが出来ました。更に、昭和60年には、一千平方メートルが、平成4年には402平方メートルが新たに緑地保全地区(現在は特別緑地保全地区)に指定、拡大され、貴重な自然環境を守ることが出来ました。
 小金井市を訪れたみなさんの印象は、緑のまち、静かなまちなど武蔵野の面影を心の中に描く方が多いのではないかと思います。
 滄浪泉園は、このような緑濃い小金井のまちを象徴する森として、あとに続く世代に自然の尊さを語り継ぐいしぶみになることを期待し保全、開園されたものです。 


観察記録を基礎にして、「正確に知ることこそ、共存の一歩」となるような地道な調査・研究に従事されている方々の存在こそが、こうした運動を支えているのだろうと思います。


そういう分野を支える人をどれだけ育て大事にできるか、それが長い目で見ると本当に国を大事にすることなのかもしれないと、散歩であちこちを歩くことで感じるこのごろです。



「運動のあれこれ」まとめはこちら