散歩をする 55 <小石川植物園>

散歩をするようになって地図をみるだけで、だいたいの歩数と距離の予想がつくようになりました。
神田上水だけだとゆっくり歩いてもおそらく1時間もかからないだろうと思い、そのあとどこに行こうかと地図を眺めていて目に入ったのが小石川植物園でした。


看護学生の頃の医学史で、昔、小石川療養所があった場所であることを学んだ記憶があります。
一時期、その近くに住んでいたこともあって、地図を見るたびに目に入ってくる名前だったのですが、一度も行ったことがなかったのでした。


このところ、神代植物公園国立科学博物館筑波実験植物園など、植物園を巡る機会が増えましたが、今回、小石川植物園に行ってみようといよいよ決心したのは、植物よりもその地形が気になったからでした。


地図を見ると、広大な植物園の南側から西側にかけての道が、北側のまっすぐな道に比べると蛇行しています。
そしてその蛇行した道に沿っているかのように、園内に池がいくつかあります。


もしかして、小石川植物園の北側はハケ上で、ハケの下に池がある段丘を利用してつくられているのではないかと、その少しくねった道からピンときたのでした。


通常の地図では高低差まではわかりませんから、今まで小石川植物園の周辺は平坦な場所だとイメージしていました。
そこで、この目で確かめたいと思ったのが、今回の強い動機になりました。


実際に歩いてみると、富坂の交差点からしばらくは、平坦な道が続いています。
ああ、もしかすると勘違いだったのかと思いながら、小石川植物園の案内版に沿って路地を入ると、急に崖のような地形が広がり始めました。
植物園の入り口の横を通っている道は、かなりの勾配の坂道です。


ああ、やっぱり!
最近、地図の道から地形を少し読めるようになったようです。


入り口でチケットを購入しようとすると、「閉門まであと30分しかないけれど大丈夫ですか?」と申し訳なさそうに尋ねられました。
行き当たりばったりの散歩なので、またやってしまいました。
でも、今回は、崖と池を見ることが目的なのでそのまま入場しました。



植物園の真ん中あたりに「旧養生所の井戸」があり、そこから南側は、急斜面になっています。
12月なかばで、枯れ草に足をとられそうになりながら崖の下まで降りると、いくつか池があり、崖のそばからの湧水が水源になっていました。


これを確認できただけで、大満足の散歩になりました。


植物園を出て茗荷谷方面へ歩いて行くと、おそらく昔からあると思われる小さな印刷所がいくつかあって、印刷している音が聞こえてきました。
こうした印刷所も、ハケの下の水を利用してできたのかもしれないと想像したのですが、事実は如何に。


駅までは、また急勾配の坂道を上るように歩きました。
文京区は、段丘のヘリが複雑に入り組んだ地形であることを実感しました。



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