タイトルにある地名「上溝」は、競泳が好きな方ならピンと来るかもしれません。
最近の競泳ジャパンオープンは辰巳での開催がほとんどですが、以前、一度だけさがみはらグリーンプールで開催されたことがあります。10年ぐらい前だったような気がしていたのですが、2013年だったのですね。
辰巳ではなくグリーンプールになった理由は相模原市総合立水泳場に書いてある通り、あの東日本大震災による辰巳国際水泳場の長期改修のためでした。
いやはや、記憶というのは本当に曖昧ですね。
当時、会場へは相模原駅からバスで行き、帰りはJR相模線の上溝から電車を利用しました。
相模原駅周辺は、駅前に米軍施設があるように平地が続き、このプールがある横山公園もとても広いのですが平らな場所でした。
相模原市というのは平らな場所だという印象が残りました。
ところが公園の反対側からは上溝駅まで急な下り坂になり、駅の周辺に高低差のある場所がとても多かったことが印象に残っていました。
今ならすぐに相模川の河岸段丘だとピンとくるのですが、当時はまだあまり地形に関心がありませんでした。
5月初旬、急にあの地形を確認したくて出かけました。
*相模川の河岸段丘沿いに歩く*
相模川の下流は、なんども東名高速や小田急線、新幹線などで通過したのですが、中流から上流はどうなっているのか、私の頭の地図の中でも不正確な場所です。
行く前にどこを歩こうか考えていたら、相模川に並行して2本の川があり、それが下溝で合流して相模川に流れているところに下溝駅があることがわかりました。
ということで、上溝から下溝まで歩いてみようと行き当たりばったりの大雑把な計画になりました。
散歩のスタートはJR相模線の橋本駅で、次の南橋本駅までは見渡す限り平らな土地が続きますが、南橋本駅を出ると、あの記憶にある雑木林と崖のような場所が続き上溝駅に到着しました。
これを確認しただけでもなんだか満足です。
上溝駅の説明にあるように、駅と線路は「てるて通り」の上を通過する高架式になっています。
河岸段丘沿いの崖が途切れた場所に、相模原方面へ向かう道路が造られているようです。
上溝駅を降りて、すぐのところにある川沿いを歩こうと目指しましたが、途中からは歩道がなくなってしまったので、段丘の崖にある雑木林を左手に感じながら歩いてみました。
地図では道保川公園まで緑の部分が続いていますが、これが河岸段丘の崖の雑木林だということがわかりました。
地図では一旦、もう少し下流の県立相模原公園までは雑木林はなくなるのですが、左手の段丘の高低差はずっと続きます。
県立相模原公園の手前には、崖からの湧水が集まり、その小さな流れから川になり、その水を利用しているのでしょうか内水面種苗生産施設がありました。
そして、下溝の手前あたりから川に沿った遊歩道が整備されていて、三段の滝展望公園の手前で、いくつかの流れが合流して相模川へと流れ込んでいました。
「三段の滝」というくらいですから、川の合流部分もイメージしていた平な地形ではなく、相模川よりも10mぐらいでしょうか高い位置にありました。
Wikipediaの上溝の「地理」に地形の説明がありました。
段丘崖(ハケ)はしばし崖上の上段部分も合わせて「横山」と呼ばれ、崖の大部分は雑木林に覆われている。
台地中段上を、北西に隣接する下九沢方面から鳩川が南東に流れ、鳩川と同様に段丘崖下の湧水などを集めて当区域内に源を発する姥川と道保川が鳩川および段丘崖に並行して流れる。
下溝からは対岸の厚木や丹沢、高尾方面まで広々と見え、相模川が静かに流れていました。
もう少し川を眺めていたかったのですが、雷鳴が聞こえ始めたので駅へ向かい、電車に乗ったところで叩きつけるような雨が降り始めたのでした。
おそらく、相模川の様相も一変したことでしょう。
相模川の段丘を実際に歩いて見ることができ、予想以上に湧水が多く、満たされた散歩になりました。
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