散歩をする 505 丹那神社から伊豆山神社へ、熱海の急峻な地を歩く

昨年6月初旬に丹那トンネルの上の水田地帯を歩いて以来、新幹線でそこを通過するときにはその風景が思い出されます。

大和川沿いを歩く散歩から戻るときにトンネルの中でやり残したままの宿題が気になり、1月下旬に出かけてみました。

 

それは来宮駅にある殉職者慰霊碑を訪ねようというものでした。

遠出をするようになり、また災害の記録や記憶を訪ね歩くようになって各地のさまざまな慰霊碑の存在が大きくなりました。

 

もうひとつ、2017年ごろから、記憶がなくなっていった父の記憶を訪ね歩くようになったのですが、伊豆山(いずさん)にもどうやら関連のお寺があることを聞き、いつか訪ねてみようと思っていました。

熱海のあたりを通過する時のあの急峻な山肌と深い谷に家が建つ風景と地図を重ね合わせていたのですが、2021年7月3日土石流がその谷を抜けて甚大な災害が起こりました。

 

ニュースでは大きく傷跡のような住宅地が今も映し出されるのですが、そろそろ父の記憶の場所を訪ねてみようと思いました。

 

 

熱海駅から来宮駅へ歩く*

 

平日の日帰りの散歩でしたが、計画の段階では来宮駅までどうやって行こうか地図を眺めてあれこれと考えるのが楽しい時間でした。

せっかくだから湯河原駅からは海沿いを走るバスに乗ってみようとか、そういえば渋谷駅で見た踊り子号だと熱海まで直通だからそれに乗ってみようとか。

ところが、残念ながら新宿から熱海の踊り子号は休日のみだとわかり、また海沿いを走るバスも本数が少ないのでなかなかスケジュールが立てられませんでした。

 

ということで無難に小田急線で小田原に出て、そこから熱海駅来宮駅というルートにしました。ところがJR伊東線は1時間に1本か2本のようです。

えい、それなら熱海から来宮までは歩いてみようということに決めました。

1.6km、23分程度とマップに表示されましたが、相当のアップダウンは覚悟したほうが良さそうです。

 

平日だというのに熱海にはたくさんの観光客が歩いていました。

商店街を抜けると人はまばらになり、さらに来宮方面へ歩く人はほとんどいなくなりましたが、急斜面に家が建っています。細い路地の向こうはすぐ山のような道のそばに細長く続く住宅地です。

冬晴れの青空に、真っ青な海原が輝いていました。歩くのは大変だけれど、住んでみたくなるのもわかります。

 

来宮駅が近づくにつれて、また散策する人とたくさんすれ違うようになりました。

右手に東海道本線が近づき、昔ながらの石積みのトンネルがありました。まるでメガネのように見える2本のトンネルの高架橋の向こうには来宮神社の鎮守の森が見え、歩く人はそちらへと惹きつけられるように流れていました。

 

まずは来宮駅へ向かいました。Macのマップでは駅舎の西側に「丹那トンネル殉職者慰霊碑」と表示されていますが、そのあたりには何もありません。もう少し西へと歩くとJRの敷地になってしまい、見つかりません。

駅に戻って駅構内の地図を確認してもやはりどこにも慰霊碑がないのですが、トンネル口の上のあたりに丹那神社とありました。

もしかするとここかもしれません。

 

先ほどの石積みの高架橋をくぐり、新幹線の線路沿いの県道20号線を歩いて、トンネル口へと向いました。

 

何本も新幹線が通過していきます。美しい風景ですね。

熱海駅を通過して短いトンネルを出ると山肌にぎっしりと建つ住宅が迫ってきてあっという間に丹那トンネルへ入るのですが、こんな風景だったのですね。

 

県道20号線がトンネル口の上あたりで山側と海側へと道が分かれ、丹那神社の文字が見えました。

慰霊碑はそこにあるのでしょうか。

海側への道と曲がってみました。

 

 

 

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