先週と今週の2回の大雪で、福井県などの北日本の状況を知ることで、今まで雪害というと「雪かきが大変」「雪かきでの事故や死亡」といったことにしか意識が向いていなかったことを恥じています。
ただ、確かにこの雪による事故や死亡数の多さは最優先課題であるようです。
内閣府の豪雪対策のページに「豪雪地帯市町村における総合的な雪計画の手引き 〜市町村雪対策計画策定マニュアル〜」という資料があります。
平成18年豪雪の後に作られたもののようですが、その時の人的被害について「20年前と比べて豪雪による犠牲者が全く減っていないという現実」(p.1)について書かれています。
私の中で1960年代から80年代にかけて大きな災害がなかったような記憶があるのは、甚大な被害があった災害があったにもかかわらず人的被害が少なかったことも理由だったのかもしれません。
ところが、雪害に関しては相変わらずの犠牲者が出ているとのことで、その資料でも「自然災害の犠牲者ゼロに向けた対策」が書かれていました。
<雪害というのは長期間に渡る災害である>
子どもの頃に住んでいた地域は年に何回か数十センチ積もっていたのですが、生活に支障が出た記憶はあまりなく、雪解け水からおいしい水が豊富にあるという恩恵のほうが印象に残っていました。
雪という溶けない状況から、溶け始めて水になるまで生活や環境にさまざまな影響を長期に与え続ける災害であることを、今回、状況を知らせてくださる方々のtwitterで知る機会になりました。
昨日の記事で紹介したtwitterでも、連日の雪かきだけでも相当な体力の消耗になるのに、交通も物流も、ゴミ収集もなにもかも、日常生活が停滞してしまう中で復旧の目処もなく、止んだと思ったらまた大雪が続く状況で本当にどうやって皆さん過ごされているのでしょうか。
そして、雪国での出産はどうなっているのだろう、医療機関はどうやって対応されているのだろうということも気になります。
また除雪から圧雪そして排雪までにも、除雪自体で道路の破壊が起きたり、融雪のための地下水利用で地盤沈下が起きたりさまざまな問題があることも知りました。
そしてその雪が溶け始めたときには、またあらたな災害に対応しなければならないのですね。
冒頭でリンクした内閣府の「防災情報のページ」にも、「降積雪期」と「融雪出水期」に分けて対応が書かれていました。
それらの国土交通省などから出されている資料を読むと、「豪雪地帯は国土の51%」「特別豪雪地帯は3%」と書かれてい驚きました。
雪害というのは局所的な災害ではないのですね。
あまりに人ごとにとらえていました。
こちらで紹介した本でも、台風や洪水に関しては20ページ近くさかれていたのですが、雪害に関しては2ページだけでした。
今日のタイトルは、昨日の岩迫さんのtweetに書かれていた表現を拝借したのですが、その「溶ければ水になるもの」の災害の全貌というのは、まだまだ言葉になっていない部分が多いのだろうと思いました。