10年ひとむかし 41 <10年前の携帯電話とリスクマネージメント>

2018年12月6日の午後、外出先でiPhoneを見ようと思ったら「インターネットに接続できない」になっていました。
そろそろ買い替え時だったので、私のiPhone自体の故障の可能性が考えられたのですが、電車の中で「スマホが変。Lineが通じない」という会話が聞こえて、きっとシステムに何かが起きたに違いないと思って様子を見ることにしたところ、しばらくして復旧しました。


翌日のNHKニュースでは「ソフトバンク"通信障害はソフト異常が原因"総務省に報告」として以下のように説明されていました。たぶん、また10年後ぐらいに「こんなことがあった」という記録になりそうなので書き残しておきます。

携帯大手のソフトバンクは6日、全国で通話やデーター通信ができなくなる障害を起こしたことを受けて、総務省に対して、7日、通信設備に使われているソフトウエアの異常が原因であることなどを報告しました。


ソフトバンクと第2ブランドのワイモバイルの携帯電話では、6日午後、4時間半にわたって全国的に通話やデータ通信ができなくなる障害が発生し、配送や決済のサービスなどにも影響が広がりました。


この中で、障害は、東京と大阪にある通信設備に使われているスウエーデンの通信機器大手「エリクソン」製のソフトウエアの異常が原因であることを説明したということです。


また、障害の影響を受けたユーザーの件数などについて調査を行なっていることも伝えたとしています。


これに対して総務省は、電気通信事業法上の「重大な事故」に当たるとして、ソフトバンクに対し、30日以内に報告書を提出するよう求めました。


総務省では報告書を受けた後、専門家などでつくる委員会で協議をしたうえで、行政指導を含めた措置を検討していくとしています。


大手携帯電話会社による「重大な事故」としては、KDDI平成24年12月から平成25年5月にかけて、設備やソフトウエアの不具合などが原因で、通話やデーター通信が利用できなくなるなどの通信障害を相次いて5件起こし、総務省から行政処分を受けています。

iPhoneに替えて8年>


携帯電話からiPhoneに替えたのは2011年に入った時でした。
父の介護のことで母とメールで頻繁にやりとしし、だいたいはきちんと家に戻ってきた散歩(徘徊)ですが、行方不明になった時のために両親の携帯電話に入れたGPS機能など、それまでの携帯電話も日々進歩して助かっていました。
その母も体調を崩すようになると、両親の介護や入院などで情報を即座に検索する必要性が増えました。
2000年代はまだ、重いパソコンを持ち運ぶ設定にするしか方法がなくてためらっていた時に出現したのがパソコンの機能を持ったiPhoneでした。
ただ、2008年に発売されたiPhoneをすぐに買うにはなんだか「新し物好き」みたいで躊躇してしまい、手に取るには2年ほどかかってしまいました。


当時はソフトバンク社しかiPhoneを扱っていなかったので、docomoの携帯から換えました。
使いこなせるかなという不安はありましたが、インターネットに接続できることで外出先での情報収集や地図の利用時計そして日々の記録から写真や動画まで、本当に大活躍です。


アプリや記録が忽然となくなる不安定さはありますが、恩恵の方が大きいと感じています。
10年前にはこんな時代になるとは思っていなかったと、今回、スマホが使えなくなった数時間の間にしみじみと思ったのでした。


<「重大事故」に備える>


1960年代初頭はまだ一家に一台電話はなかったので、緊急時には電話を借りたり電報を打っていた時代から、ファックスやインターネット、そして携帯電話の進歩をリアルタイムに見てきたので、こうした通信のインフラは本当に命綱になったのだと感じた出来事でした。


先日、おそらく通信会社側の問題で起きているのだろうと推測した時に、怒りよりはむしろ、何かのっぴきならない障害の復旧に向けて働いている方々のことを考えて、ちょっと胃が痛くなるような感覚になりました。
ニュースで「重大事故」という言葉を見て、その理由がわかりました。
医療現場でも、時に心臓が口から飛び出しそうな緊急事態に遭遇しますから、分野は違えども同じような感覚に陥ったのではないかと思います。


今回の報道で、よくある頭を下げる謝罪会見の映像を私は見た記憶がなかったのですが、むしろほっとしました。


生活を支えるインフラで何か重大事故が起きた時には、もちろん再発防止も大事ですが、生活する側も対策を考えておくことも必要ですね。
スマートフォンが使えない状況に陥ったらどうやって情報を得るか、どう対応するか、今回の件で考えさせられました。


ただ今回の件が発生した後、家に帰ってテレビを見るまではシステム障害であるという原因を知ることができなかったことには参りました。
電車内やビルに埋め込まれているデイスプレイのニュースで、何か伝わってこないかとずっと見ていたのですが、そういうものを使って迅速に情報を伝えるシステムがあれば良いと思いました。
インターネットが使えない状況で、ネットで情報を伝えられてもどうしようもないですからね。



それにしても、10年ひと昔の通信機器の進歩ですね。



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