食べるということ 79 南部煎餅

八戸のはっと汁に入っていたのは南部煎餅の一種だったのですが、そういえば私は子どもの頃から南部煎餅を知っていたのは何故だろうと記憶をたどっています。

 

1960年代、両親のどちらが南部煎餅を好きだったのかわからないのですが、売っているのを見つけると買っていました。

ほんのり甘いタイプと表面にゴマがついた塩味のタイプ、そして少し高いくるみやピーナッツが入ったものがあったと記憶しています。

丸いせんべいの周囲の薄いパリパリの部分を少しずつ割りながら食べ始める楽しさが、子どもには面白いものでした。

今でも時々むしょうに食べたくなり買うのですが、南部煎餅の発祥地は岩手県のイメージでした。

 

ということで、いつもながらまずはWikipediaですが、南部煎餅の概要を読んで、大いに勘違いしていたことを知りました。

元々は八戸藩で作られた非常食であり、小麦粉を水で練って円形の型に入れて硬く焼いて作られる。縁に「みみ」と呼ばれる薄くカリッとした部分があるのが特徴。保存性は非常に良いが、時間が経過すると酸化により味が落ちる。個包装の商品も存在するが、通常は10-20枚程度を1つの袋に入れた簡素なものが多い。青森、岩手の旧南部氏支配地域においては非常にポピュラーな食べ物であり、来客にも供される。

 

「現在は岩手県南部煎餅協同組合が『南部せんべい』の名で商標登録している」とのことなので、きっと袋に「岩手県」と書かれていたのを見て岩手県の名産品のイメージになったのでしょう。

「南部氏の歴史」を知っていたら、南部煎餅の広がりも想像できていたかもしれませんね。

 

 

それにしても両親のどちらが、いつ、南部煎餅を知り、見つけると買うほど好きになったのでしょうか。

もしかしたら「明治・大正時代の時点で既に南部せんべいは北海道・東北六県で広く食べられていた」とあるので、父が少年の頃に北海道で暮らしていた時に南部煎餅に出会ったのかもしれません。

 

今回の遠出でもお土産に買って帰り、美味しくいただきました。

 

 

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