ほとんど目を閉じていることの多い新生児ですが、目をしっかりあけて見つめているような時があることを、カンガルーケアを考える11や新生児にとって哺乳行動とは何か1でも書きました。
「あ、私を見つめてくれている!」と喜んでいると、うんちをブリッ。
そう、新生児が目を開けてじっとしているのは、全神経を肛門に集中している時など何かに集中していたり緊張していたりする時のようです。
それでもつぶらな瞳でじっと見つめられているようで、引き込まれていきますね。
新生児が目を開けている時は、何故あんなに魅力的なのでしょうか?
ひとつは新生児は黒目の部分が大きいので、魅力的に見えることもあるようです。
最近は、大人でも黒目の部分を大きく見せるコンタクトレンズもありますね。
もうひとつは、まばたきをほとんどしないからではないかと私は思うのですが、真偽のほどはわかりません。
<瞬目反射(しゅんもく反射)>
おとなは無意識のうちにまばたきをしていて、普段はあまりその意味を考えたこともないのではないかと思います。
Wikipediaには、「子どもでは1分間5-8回、大人では男性が20回、女性が15回」まばたきをしているとあります。
まばたきをしている間は脳の一部が休止しており、まばたきの回数を覚えていないのはこのため
へぇー、ですね。
まばたき(瞬目反射)について、眼科医の先生のブログでわかりやすいものがありましたので引用します。
「脳におけるまばたきの仕組み (瞬目の脳内機構」より。
清澤眼科医院通信
ttp://blog.livedoor.jp/kiyosawaganka/archives/50613685.html
(「h」をはずしてあります)
○まばたき(瞬目とは、速度の速い瞼の開閉の一連の動作で、単なる意図的な開閉瞼とは異なるものです。瞬目を分類してみると、周期性瞬目、反射性瞬目、随意性瞬目に分けられます。
反射性瞬目というのは目の前に物が近づいてきたときにとっさに目を閉じるなどで、随意性というのは「何か考えるしぐさ」としておもむろに目を閉じたり、片目だけを閉じるウィンクも含まれます。
○周期性瞬目とは、正常な人が一定の周期で無意識のうちにしている瞬目で、最も生理的(普通で病気ではないこと)な瞬目といえます。
○周期性瞬目は、涙液の分泌・涙の排出・涙の角膜表面への分布を円滑に行う上で重要です。
また、眼球を上下左右に動かす眼瞼の緊張の解除、それに網膜への入力補正(コンピューターのリセットでしょうか?)などの役目もあると考えられています。
「瞬目」、「まばたき」で検索するだけでも、数々の検査やメカニズムなどが研究されていることに驚きます。
ふだん全然気にしていないまばたきですが、すごいことですね。
<新生児のまばたき>
子どもでは一分間に5-8回と大人に比べてもだいぶ少ないまばたきのようです。
では新生児はどれくらいの回数なのでしょうか?
実際に、新生児と見つめ合ってみました。
長いと1分前後は、まばたきもせず開けたままになっているようです。
「ようです」としか書けないのは、私の方が耐えられなくてまばたきをしてしまうのでよくわからなかったのです。
完敗です。
新生児の引き込まれそうな眼の魅力は、まばたきをせずにじーっと見つめることにあるのではないかと思えてくるのです。
・・・って、今回はそれだけの話でした。
<おまけ>
新生児はじーっと見つめるだけでなく、相手からも見つめられることを求めているようです。
新生児の置き去り防止センサーのあたりでも書きましたが、新生児が眼を閉じても眠っているわけではないようです。
そんな時にジーッと見つめていると、新生児はまるで催眠術にかかったかのように急にカクッと力がぬけてリラックスする様子があります。
そこで、新生児から眼を離すとすぐにハッとして「私から眼を離したでしょ!見ていてくれていないでしょ!」と気づかれてしまいます。
もうこちらの眼が疲れるほど見つめていると、ようやく眠りに入ります。
そういう体験をくりかえしていくうちに、多少眠りが浅い時期にベッドに置かれても、チラッと薄目をあけて周囲を確認しながら一人で眠れるようになるようです。
「新生児のあれこれ」まとめはこちら。