新生児のあれこれ  30  <おむつをしない国のようす>

日本でも数年ぐらい前から「おむつなし育児」という言葉を耳にするようになりました。


それを勧めている人たちのサイト「おむつなし育児」があります。
[ttp://www.omutsunashi.org/whatis.html](hをはずしてあります)


その中に「どうしてそれがいいことなの?」と以下のような点が上げられていますので、抜粋します。

・赤ちゃんと排泄を通した豊かなコミュニケーションができて子育てが楽しくなります。


・排泄の欲求にちゃんと答えてあげていると、赤ちゃんはご機嫌でいる時間が長くなり、育てやすい子になります。


・おむつの外でする方がオシッコやウンチが一度にたくさんでますし、(便秘がちな赤ちゃんは、解消することも)おむつかぶれも改善します。


・布オムツを洗う枚数が減って、家事が楽になります。(特にウンチのオムツが減ります)


<おむつをしない地域での「育て方」>


おむつをしないことに何か特別の意味を持たせているとは思えない地域では、実際にどんな様子でしょうか?


私が住んでいた国では、乳児はハンモッグに寝かされていました。
ぐずるとハンモッグをビュンビュンと揺すって、泣き止ませようとします。
あやす人も自分のことをしながら、ハンモッグにつけられた紐を「遠隔操作」するような感じで揺すっていました。
今思うと、これは「揺さぶられっこ症候群」の原因になる怖い方法ですが。


ハンモッグに寝かせられた赤ちゃんは、その中でおしっこもうんちもします。
何も下半身にまとっていないので、うんちやおしっこはハンモッグを通して床にそのまま垂れ流されている状態でした。


その床の掃除をするのは、その赤ちゃんの兄や姉です。中にはまだ3〜4才になったかという幼児の仕事でもありました。
あるいはこちらの記事の「人手がある社会とは」に書いたように、仕事がなく食べるために親戚の家に居候になって家事手伝いをしている少女たちでした。


新生児のうちはおしっこやうんちの回数が多いことと、くるむにしても布も少なくて済むので、前回の記事に書いたような三角形のハンカチのような布をおむつがわりにしていました。


ただ、新生児から乳児の排泄というのはだいたい授乳とともにしますから、授乳中に赤ちゃんの様子を察して、パッとそとに向けて大地へと排泄させているのでしょう。
ハンモッグの中での垂れ流しの方が、回数としては少ない可能性があります。


ハンモッグに入れるのが危険な月齢になると、家や外、赤ちゃんはしたいときにしたいところで排泄をします。


トイレットトレーニングもありません。
「どこでもトイレ」な地域ですから、当然一人で排泄ができるようになります。


乳幼児のうしろには、必ず「清掃担当」の手がありましたから。


大地へ向けて放たれた乳幼児の排泄物はどうなるのでしょう。
東南アジアのその地域では、残飯やゴミも家の周りに捨てていました。
地表の温度は常に高く、臭う前にどんどんと分解されてなくなったり、放し飼いにされている鶏やあひるが片付けてくれていました。


湿度も低いので、家の中で排泄されてもほとんど臭うことはありませんでした。


これが「東南アジアやアフリカのおむつなし育児」なのでしょうが、イメージとは似て非なるものだと私は思います。





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